聖女陥落〜この恋は罪ですか?〜

まぁ

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 一線を越えたあの夜から、二人の愛はより深まっていた。そんな中でエリサは姉セリカから呼び出されていた。
 そこはルフェリア城内にある一室。目の前にいるのは長女のオルカだ。
「何故ここに呼ばれたのか、わかっているでしょうね?エリサ」
「……はい。オルカお姉様……」
 少し歳が離れていたせいもあってか、エリサにとってオルカはとても厳格な存在だ。委縮しているエリサを見てセリカが言葉を発した。
「お姉様……あまりエリサを責めないで下さい……」
「私は責めているのではありません。真実を確かめているのです。エリサ……貴女はレーエンスブルク家の妻として間違いをおかした。それは事実なのですね?」
「じ、事実です」
「そう……ですがその事実に至るまでの事を、セリカからも聞いています。それも真実なのですか?」
 いつの間にセリカはオルカと会っていたのか。エリサはその事に驚いてセリカを見るが、セリカは大きなため息と共に首を横に振った。それが事実なのだろう。エリサとフリークの事をオルカも知っている。ならば……
「事実です。私は妻としてフリーク様から愛されない事に不満を抱いていました。フリーク様には私ではない他の女性がいます」
「成程ね……お互いがお互いに別の所でスキャンダラスな事をしていたのね」
 こればかりはどちらが悪いかと言われたら、どちらも悪いになるのかもしれない。お互いに結婚していながら外に相手を作っている。だがオルカの真意とする場所はそことは違っていた。
「エリサ……貴女は聖女としての義務を放棄しましたね」
「す、すみません……」
「私達聖女の力が弱まる事でどれだけの災厄が起こるのか、貴女はまるでわかっていないようね」
「ど、どういう事ですか?」
「貴女が担当した日の結界の一部に歪みが生じていた事は聞いてるでしょ?」
 それはセリカから聞いているし、その後しばらくの休みを言い渡されていた。だがその自体はエリサが思う程生易しいものではないようだ。
「あの一件だけでこの国の外れにある農村が被害を受けました。その年の収穫はなくなったのです。幸いにもけが人はいませんでしたが、貴女は人々の生きる糧まで奪ったのですよ」
「そ、そんな……」
 そこまでの事態になっていた事に、エリサの表情は真っ青になっていく。自分の過ちは人々の生活も奪う。震える手が止まらない。
「オルカお姉様……私は……」
「これ以上の被害を出さない為にも、私達聖女協会で決めました。エリサ。貴女から聖女の地位をはく奪します」
 聖女協会は大聖女達で構成された組織。その組織が取り決めた事は絶対だ。エリサは聖女の地位を失う。だがその言葉を聞いても驚かなかった。いずれはそうなる。そう思っていたから。
「あら、驚かないのね」
「はい……当然の事だと受け入れていますので……」
 もうこれで聖女として背負おうものは何もない。そう思ってホッとした時だった。
「エリサ!」
 胸がむかつはじめたエリサは、その場にしゃがみ込んだ。
「誰か!医師を呼んでちょうだい!」
 冷静に対処するオルカ。だがその瞬間エリサの意識は遠のいていった。
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