異世界の女騎士と女奴隷が俺の家に住むことになったがポンコツだった件

コペルニクス

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レベル4.女騎士と女奴隷と日常①

37.女騎士と駄菓子

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 ある日。

「はぁぁぁぁっ!」
「……」

 真上からくる斬撃を、俺は左足を軸にし、身体を右回りに回転させて回避。
 振り下ろされた一撃は、俺の脳天ではなく地面が代わりに食らった。

「むっ? せいっ!」

 外れたことに気づいた相手は続けざまに、横に立つ俺へと剣を横薙ぎに振るった。
 いや、振るおうとした。
 当然だ。
 向こうが外してからそれに気づくまでの間。本当に僅かな時間かも知れないが、俺が反撃という行動に移るには十分すぎる。

「よっ」

 という掛け声とともに、俺は軽く右足を振り上げる。
 それだけで、つま先はこちらの胴体を的確に狙っていた得物の鍔に命中。そして……天高くそれを弾き飛ばした。
 くるくると回転しながら剣は宙を舞い、使い手から数メートルほど離れた位置へ空虚な音とともに落ちた。

「あっ」

 再び攻撃の手を封じられただけでなく、武器まで手放すことになったそいつは、急いで踵を返してそれを拾い直そうとした。
 が、これも当然できない。できるわけがない。
 敵の眼の前で背を向けるなんて、自殺行為に等しいからだ。
 走り出そうとしたそいつの首に、俺の手刀があてがわれる。
 動いたら、その首を切り落とす。そう言わんばかりに。
 半強制的にフリーズさせられたそいつは自身の敗北を察すると、渋々と両手を上げた。
 勝負あり。俺の勝ちだ。

「あーもう、なぜ勝てんのだぁ! 今度こそうまくいくと思ったのに!」

 その場で大の字に寝っ転がり、じたばたと駄々をこねる俺の対戦相手。
 リファレンス・ルマナ・ビューア。
 異世界で死んでしまい、この世界に転生してきた女騎士である。
 突然見ず知らずの世界に放り込まれ、行く宛もないはずの彼女。だが、なぜか俺の家の同居人として、一つ屋根の下で一緒に暮らすことになってしまい、そのまま今に至るのである。

 ちなみに俺らが今何をやってたのかというと、見れば分かると思うが決闘である。
 戦乱が続いてる異世界とは違い、現代日本はとても平和だ。故に騎士などという肩書も何の意味も持たない。剣を振るうことも、馬に乗ることもない。やることと言えば、家事するか遊ぶかのどっちかだ。
 だが、そんな生活をしてたら体がなまるのは必然。身体はたるむし、下手すれば病気にもなりかねない。
 それではいけないということで、こうして運動がてら手合わせをしてるわけである。
 なお、彼女が今までぶん回してた剣は正真正銘のおもちゃ。100均で買ったプラスチック製のレプリカである。叩かれればそれなりに痛いけど、殺傷能力はゼロだ。
 え? じゃあ決闘じゃなくてチャンバラじゃねぇかよって? 
 わかってるよ。でもそう言うと怒るんだよリファが。「子供の遊びと一緒にするな」ってさ。彼女の名誉を守るためにも、ここはあえてその表現でいかせてもらう。

「わーい、またパツキンの方の負けー!」
「これで十連敗だぁー!」
「ざけんなよザコ! お前に200円賭けてたんだぞ!」
「いぇーい、これで800円の儲けだぁー!」

 そこでワイワイと野次を飛ばしてきたのが、近所の小学生くらいのガキんちょども。
 俺達がチャン……殺し合いをやってたのは屍が積まれる荒野でも、歓声飛び交うコロシアムでもない。

 ただの、近所の公園である。

 そんなとこで大の大人二人がそんなことやりはじめたら、遊んでいた子ども達の目を引いてギャラリーに変貌させてしまうのも自然な流れである。
 子どもの遊び扱いされたくないと言っておきながら、子どもの前で醜態晒して嘲笑されるとかどんなギャグだよ。騎士の面目丸つぶれじゃねーか。

「うるさい!! 今日はたまたま調子が悪かっただけだ! 騎士を侮辱すると貴様等全員薙ぎ払うぞ!」

 リファはその野次にブチキレると、跳ね起きて連中に向けて拳を振り上げる。
 しかし、子ども達はなおもゲラゲラと笑いを止めない。

「その言い訳、今日で連続四日目ぇー!」
「そんなに調子が悪けりゃ病院行けばぁ? 頭の」

 わははははははははは!
 と大爆笑の渦。
 最初の頃は怒号を上げただけで蜘蛛の子を散らして皆逃げたもんだが、今となってはそれも効かない。完全におもちゃにされとるな。
 するとガキどものうちの一人が俺に呼びかけた。

「お兄ちゃーん! これまだ続けんの?」
「え? あー、そうだな。今日はこのへんで止めとくよ」
「なっ! マスター! 私はまだ一度も勝ってないぞ!」

 言った途端にリファが顔を真赤にして猛抗議。
 不満があるのは分かるが、こっちだって疲れてんだよ。

「でも、動きは全く衰えてないし、息も切れておらぬではないか!」

 精神的に疲弊してんだよ。それくらい察しろ。
 お開きになったことがわかると、子ども達はようやく解散した。

「あー、面白かった」
「よし、儲けも出たしみんなで駄菓子屋行こうぜ!」
「さんせーい!」

 そう言って、みんな揃って公園を出ていった。
 よし、じゃあ俺らもそろそろ帰るかー、と思ったのだが。

「だがしや?」

 リファは今の子どものセリフの中の意味深な単語に眉をひそめていた。

「マスター? あのわっぱ達は一体どこに向かったのだ?」
「駄菓子屋だよ。まだそんなもんがこの辺にもあるんだな、知らなかった」
「? よくわからんが、連中のたまり場のようなものか?」
「そんな感じかな」
「ふむ、なるほどな」

 彼女は落ちていた剣を拾い、ベルトのホルスターに装着していた鞘にそれを収める。 
 そして。

「では奴等の後を追おうではないか、マスター」
「はい?」

 言うやいなや、リファはズンドコ大股で先に行ってしまう。

「いやあの、これからお家に帰るんとちゃいますのん?」
「何を言っている! これは奇襲のチャンスなのだぞ」
「きしゅう?」
「賊の本拠地を見つけたら、そこを攻め込むのは戦略の基本中の基本。連中も拠点を陥落おとされれば二度と動けまい。この私をコケにしてくれたツケ……きっちり払ってもらう」

 ただの逆恨みじゃねーか。物は言いようだな。
 仕方がない、こうなったリファはてこでも動かない。おとなしく付き合ってやるとするか。正直俺も駄菓子屋には興味あるしな。

 そんなわけで、俺とリファは子ども達行きつけの駄菓子屋へと向かうことになった。


 ○

「ここか……」

 歩くこと数分で到着。
 パッと見やや古めの、木製の一戸建ての家だ。特に看板が設置してあるわけでもなく、普通に周囲の一軒家と同じに見える。
 が、入り口にたむろしている大勢の子ども達がそれは違うと証明している。

「おばちゃん! これくださーい!」
「うわ当たり棒出た! やったぁ!」
「ねぇシガレット一本とキャベツ太郎一粒交換しよー!」 

 そう口々にはしゃぎながら、棚の品々を眺めたり、アイスボックスを覗き込んだり、あるいはベンチで一緒にお菓子の袋を開けたりしていた。

「こ、これが駄菓子屋……」

 思ってたのとなんか違ったのか、リファはいまいち腑に落ちてないような表情でその光景を見ていた。
 確かに駄菓子屋は初めて見るだろうけど、ガキのたまり場って聞いてそんな大層なもんでもないことくらい想像つくでしょーに。
 女騎士はそれでもよく観察しようと目を細める。しかし思ったより子どもでごった返しているせいで、中の様子はあまりよく確認できない。
 そうやって背伸びしたり飛び跳ねたりしているのが気を引いてしまったのだろう、彼女の姿に気づいた子ども達は全員顔をこわばらせた。
 そして。

「出た、パツキン女剣士だ!」
「なんでこんなとこまで!」
「ここはオメーなんかが来るところじゃねーぞ!」
「死ね!」

 散々な言われようである。よっくまぁここまでのヘイトを集められるもんだよこの騎士様は。子ども相手とはいえ、俺だったら普通に心折れるぞ。

「ふふーん、見ろマスター。奴等、拠点を突き止められて焦っておるぞ」

 強いメンタルの持ち主は二種類いる。一つはくじけない心と受け流す度量を兼ね備えた勇者。もう一つは、自分が貶められていることを理解できないポンコツだ。

「ゆ、勇者だなんて……そんな、いくらなんでも褒め過ぎだぞマスター♡」

 その頭のおめでたさは褒め過ぎるってことはねぇなマジで。

「ほらー、店前であんま騒ぐんじゃないよー!」

 あまりにもうるさすぎたのか、店の奥から店主と思しき人物が大声で注意した。白髪でメガネを掛けたお年を召した女性。さっきおばちゃんと聞こえてきたのは彼女のことだろう。
 おばちゃんは店のカウンターで新聞を読んでおり、その片手間に会計業務をこなしていた。この駄菓子屋の店長ということもあってか、彼女の鶴の一声で子ども達はリファへのブーイングを即座に中止した。

「……あの者は?」
「店長だろ。この駄菓子屋の」
「てんちょ……え、何? ここは……店……なのか? 話が違うぞ!?」

 その話自体お前が言い出しっぺなんだが。違ってんのはお前の気じゃねーか。しかも駄菓子「屋」ってさっきから自分でも言ってたくせに。アホか。

「要はああいうガキどもが群がるようなものを売る店ということか。で、駄菓子とは一体何なのだマスター?」
「読んで字のごとく。お菓子を売ってる場所だよ」
「おかしっ!?」

 聞いた途端に目の色を変えやがった女騎士様。

「ふ、ふーん。お菓子……なぁ。ふーん」
「……」
「そ、それはどうでもいいが。ま、まぁようやく敵の根城ではなかったものの、あのガキどものたまり場とあっては何もなしに引き返すわけにもいかんな」
「……」
「これは、その……そう偵察だ偵察。もしかしたら、ガキどもをぎゃふんと言わせるのに必要な情報があるかもしれん。どれ、少し覗いていってやるとするか、ふふん」

 はいガキ一名様ごあんなーい。
 てなわけで、俺とリファは子どもらをかき分けて店内へ。

 内部に装飾等はほとんどされておらず、普段訪れているスーパーやデパートに比べると簡素そのものといった感じ。それでも、並べられた色とりどりのお菓子やおもちゃがその働きを十分に担ってくれている。
 駄菓子屋なんて生まれてこの方訪れたことがあるかないか曖昧なくらいだけど、来てみるとほんの少し童心に帰った気分になる。ちょっと見渡せば子供の頃食べた記憶のある懐かしいラインナップがいっぱい。なんか心が躍るなぁ。

 しかし、そんな俺以上にテンションマックス大変身してる奴が約一名。

「んほぉぉぉぉぉ♡ おかしがいっぱい♡ あっこからあっこまでみーんな……しゅごいのぉ♡ ここは楽園か? 天国か? 桃源郷なのかぁ♡」

 堕ちんの早っ。
 ほぼメスイキ状態のリファさんは、ラリったみたいに飛び跳ねながらあっちに行ったりこっちに行ったりしてお菓子の山を物色して回っている。
 その様子に周囲の子どもら完全にドン引き。おばちゃんも新聞読むどころじゃない。

「なんなのあんた達……頭大丈夫かい?」

 いや俺も年甲斐もなくちょっと興奮したけど、こんなのと同類とか思われたくねぇぞ。
 だが二人で一緒に来てる以上、そんなふうに解釈されんのは致し方ないことでもある。
 だから。

「しってるー。こーゆーのバカップルっていうんでしょー」

 ほーら出た、案の定こんな変な妄言かます奴。
 ってかその単語ビミョーに使い方間違ってるから。イカれた奴同士のコンビのことじゃねぇから。ってか俺はイカれてねぇから。
 そして連れが顔真っ赤にして過剰反応示すのももちろんお約束。

「か、かかかかかかかかカップルだにゃんて! そんにゃわけないだろこのガキどもっ! 私はマスターの自宅警備隊だぞっ!」
「やーいてれてやんのー」
「ああもう、ああもう! 違うもんっ! 私とマスターはそんなんじゃないもんっ!」
「お兄ちゃん、パツキンの言ってることホント?」
「ホントホント」
「くたばれバカマスタァァァァァァァ!!!」

 ワールドイズ理不尽。


 ○

 一通りはしゃいだ後、子ども達は目当てのものを購入して帰っていった。
 うるさいのがいなくなってようやく落ち着いたよ。
 俺とリファは外のベンチに座り込んで一息。数分相手しただけでめっちゃ疲れたわ。世の中の親御さんは大変だね。

「あ、あの……マスター?」

 ふと気がつくと、隣のリファが両手を股の間に挟んでもじもじしながらこちらを見ている。
 何が言いたいのかは十分わかってる。ま、せっかく来たんだから楽しまにゃ損だよな。
 俺はウエストポーチから財布を取り出して、百円硬貨を二枚手のひらに出す。

「ほれ」

 親指で弾いてリファに渡すと、彼女の表情が一瞬太陽のように明るくなったが、すぐにそれは雲の影に隠れることになった。

「え……これだけか?」
「これだけだ」
「で、でも百円って……」

 リファの住んでいた世界……ワイヤードには通貨の概念がない。
 買い物の際には、元素封入器エレメントと呼ばれる異世界独自の道具を対価として用いる。これは冷水などの元素を魔具カプセルという容器に詰めることで精製し、ガスや水道などの代わりとして機能する、いわば生活の必需品だ。
 物々交換に近いシステムゆえ、お金のことについて理解させるのには少し苦労したが、今では買い物になども付き合ってもらったり、度々お使いにも行かせているので、だいぶ慣れてきたようだ。
 なので。

「こ、これではその……『ぽてち』一袋とか、『かっぷめん』一個が買えるくらいだぞ……。け、警備隊の身で我儘を言う気はないが……さすがにちょっと少なすぎるというか……」

 こんなふうに金額の大小や、それで買えるものもきちんとわかってるのである。
 俺はチッチッと指を振って、

「少ないかどうかは、揃えてるお菓子の値段を見てから言うこったな」
「え?」
「いいからそれ持ってもっかい覗いて来いって。十分すぎるくらい買えるぞ」
「……マスターがそう言うなら」

 悶々とした反応を示しつつも、彼女は言われた通りその百円硬貨二枚を握りしめて中へと入っていった。
 そして……。

「お? これで三十円? し、しかもこっちは一袋で四十円だと!? ありえん……こんな安いなんて! ウェ!? これは一本十円……10本買っても釣りが出るではないか♡ ていうか、ここにあるもの殆ど百円以下……んほぉぉぉぉしゅごぉぉぉい♡」

 完堕ちの女騎士Ver.2。
 まるでマタタビに埋もれた猫みたいだな。気持ちはわからんでもないが。
 そんな嬌声が響き渡ること数分後。

「見てくれマスター! こんなに買えたぞっ♡」 

 パチンコ帰りのオヤジみたいに、どっさり腕にお菓子を抱えて女騎士が戻ってきた。一人で食べるにはもったいないぐらいの量だ。

「マスターの言ってたとおりだな。本当に十分すぎなくらい買えた!」
「だろー。これこそ駄菓子の魅力ってやつよ」

 ローコスト。ガキの小遣いでも買えるようなもの。それが駄菓子だ。
 今どき百円あったって、消費税を入れりゃスーパーやコンビニでは何も買えやしないお菓子事情を鑑みれば、この安さには誰しも驚く。
 そんなこんなで、運動の後のおやつタイムだ。

「いい穴場を見つけたぞ……こんなに安い菓子が存在するなんて。童どもが群がるのも納得だな」
「よかったね」

 うまい棒にかぶり付きながら女騎士は幸せそうな表情を浮かべる。

「しかし不思議だな。スーパーなどではこんなの見たこともない……値段は全てこれらの倍……いや、三倍以上はするというのに」
「ま、あまり見かけるもんじゃねーやな」

 俺もビッグカツを開封しながらそう答えた。
 リファは唸り声を上げながら、お菓子のパッケージをまじまじと眺めつつ続ける。

「ワイヤードでは、極端に安いもの=粗悪品という通念があった。品質は劣悪なのに見た目を既成品に似せて、相場より安い価格で客の目を引いてボロ儲けを狙う手口が横行していたからな」
「羊頭狗肉ってやつか」
「だが、これは別にまずかったりするわけではないし……むしろ味も質も同じかそれ以上だし……。なんだか、今まであんな高い金を出してお菓子を買ってた我々が馬鹿みたいに思えてくるぞ」
「たしかにそうだな」
「こういったものを大々的に店に並べず、あんな高価なものだけを揃える……その理由は何だ? うーむ」

 ピュロ~、とフエラムネで遊びながら真面目に考えるリファ。そんな彼女の頭に一つの解が浮かび上がった。

「そうか……これはお菓子を作っている者共の陰謀に違いない!」
「え?」
「高いお菓子を蔓延させ、その価格相場を客に普通と思わせることで、高い儲けを狙っているのだ。それゆえ、こんな安価なお菓子は奴等の計画の邪魔でしかない!」
「はぁ……」
「だから店に圧力をかけて排除させ、客の目につかぬようにしているのだろう……。ワイヤードの手口とは逆だな!」

 酢昆布を噛みながらリファはドヤ顔でそう結論づけた。
 うーん、まぁ筋が通ってなくもないけどなぁ。

「まぁでも、正直仕入れても儲からないってのが一番の理由じゃねぇか?」
「ほぇ?」
「例えばそのうまい棒は一本10円だけど、これ売って店側にいくら儲けが出ると思う?」
「え? それは……」

 答:二円
 たったそれだけである。俺らにとっちゃとんでもなくお得な買い物に見えるだろう。だが、店側にしてみれば、大量購入でもしてもらわない限り雀の涙ほどの利潤にすぎない。

「お前は今こんなに駄菓子を買ってきたけど、結局使ったのはさっき渡した200円だけ。仕入れ値を差し引けば、店にはその半分も残らない」
「そ、そうなのか……。つまり、お菓子の製造者の圧力ではなく、店があえて仕入れないだけ……と」
「そゆこと」
「で、でも……じゃあこの『だがしや』とやらがそういう安いものばかりを並べるわけは? もしこれらが売るだけ損なお菓子だというのなら、この店だって……」

 ちらっ、とリファはそこで店の奥のおばちゃんを見た。
 経営難。誰だってそう心配することだろう。
 ぶっちゃけ、駄菓子屋だけで喰ってけるわけがないってのは容易に想像できる。きっと何かしら副業はやっているはずだ。

「でしょ、おばちゃん?」
「そうさね」

 俺が大声で呼びかけると、店内からそう返事が返ってきた。

「あたしゃ株もやってるけど、今じゃそっちの収入頼みだねぇ。駄菓子屋はもはや趣味の範疇さ」

 まさかの株とはね。もう年なのに、意外なこともやるもんだ。

「うちはまだいい方だよ。こうして毎日ちっこいお客さんが来るんだから」
「ど、どういう意味だ?」
「潰れてないだけマシってことさ」

 ぺら、と新聞をめくる音が聞こえる。

「昔は駄菓子屋なんてここの他に何件もあったんだよ。でも、ここ十年二十年の間にどんどん客足が減って……生き残ってるのはここだけさ」
「そうだったのか? でも、客足が減るって……?」
「さっきあんたらが話してた通り、駄菓子ってのはちまちま売れても大した売上げにはならない。だけど利用してくれる人が多ければ、大した問題じゃなくなる」
「つまり……店が仕入れなくなったのが直接の原因ではない……と?」
「半分正解ってとこさね。正確には『それよりも便利な店が他に増えた』ってことさ」

 言われてもリファはちんぷんかんぷん。
 駄菓子屋よりも便利な店。一体何のことでしょうな。
 考えても考えても答えが出ない彼女に俺は助け舟を出してやる。

「コンビニやスーパー、だろ?」
「あ、そうか!」

 ぽん、と彼女は合点がいったというように手を叩いた。

「そこに行くだけで、お菓子だけじゃなく他の食品や生活用品全部揃う。しかも全国チェーン展開でいたるところに点在している。そっちの方に利用者が流れるのは必然だ」
「実際、ウチらみたいな個人商店はどんどんその割りを食っていったよ」

 やっぱりね。でも、そこで「安く買えるお菓子を揃えているところより、高い方を揃えている店の利用者が多くなるのはおかしい」という疑問が出る。
 その答えは唯一つ。

「リファ……ここには沢山安くて美味しいお菓子が揃ってるけど……ここにあるもん全部食えるか?」
「え? ……いや、全部はさすがに無理だろう……これだけ食べれば十分だ」
「そう。たかがおやつにこんな大量のお菓子は必要ない。今買ったこれらだって、量的に見れば店の在庫の何十分の一だ。そして俺らはこれで満足している」
「……だから?」
「でも、店側はこれをきちんと利益が出る分まで売らなきゃいけない」
「……あ」

 リファはようやく気づいた。
 駄菓子屋という、いわば専門店の穴に。

「コンビニとかスーパーが儲かってる理由ってのは、色んな種類の商品を仕入れてるからだ。そうすることで多種多様な人のニーズに答えることができるという利点がある。『そこ行きゃ大抵のモノが揃う』ってな」
「ふむふむ」
「加えてどの商品も数は多く仕入れてない。『広く浅く』ってやつだな。これが何を意味するか分かるかリファ?」
「んー……」

 目を閉じ、腕組みをしてリファは再び唸ったが、今度はきちんとした解答を出せた。

「……不利益になることがない」
「その通り」

 指をぱちんと鳴らして俺は言う。
 商品……とりわけ食品には消費期限ないし賞味期限というものがある。つまり時間が経つと、劣化が進んで売り物にならなくなるってわけだ。そうなると、損失分は全て店が負担することになる。
 駄菓子屋みたいな専門店ってのは、文字通りその商品専門の店なわけで。そういった商品のみを大量に仕入れる「狭く深く」の形態を取るわけだ。だがそれにはあるリスクが伴う。
 それは、そこで置いている商品を求めるターゲットが限られてくるということ。そいつらが店を訪れなければ、一気に経営は傾く。つまり非常に不安定な足場の上で成り立っている形態なのだ。

「ぶっちゃけコンビニにもスーパーにも駄菓子は置いてるっちゃ置いてんだよ。でもその搬入量はここに比べりゃかなり少ない。それこそ俺らが気づかないくらいにな」
「……」

 大量に売らなければ儲けにならない。だが大量に仕入れたら仕入れたで、それら全てが無駄になる危険がある。
 だったら他のものと一緒に、付け合わせみたいな扱いで売ったほうがより安全だというわけだ。

「たかがお菓子なのに……そんな事情があったのだな」

 リファは包み紙をまとめて備え付けのゴミ箱に放り込みながら、感慨深そうに言った。

「まぁ、それが時代の流れというものなのだろう。実際コンビニやスーパーの方が便利なのは間違いないし、この駄菓子屋も……無くてはならないものというわけでもないし」

 おい店長の御前で何言っちゃってんの。
 だが、おばちゃんは怒るわけでもなく鼻で自虐気味に笑うのみであった。きっとおばちゃんもおばちゃんで、自覚はあるんだろう。こういう店は長くないって。

「ただ……この駄菓子というものは廃れさせるには惜しいと私は思う」
「ていうと?」
「もっと多くの人に広められるべきだということだ」

 ビシッ、と俺の前に串カステラを突き出して彼女は力説する。

「こんなに安くて美味いものが、他の高いだけの菓子の影に隠れてしまうのは惜しすぎる。私が今日ここで初めて知ったものばかりということは、他の大勢の者達もまだ知らない可能性だってある。彼らが駄菓子の存在を知って求めるようになれば……」
「それは無理だねぇ」
「な、なぜ?」
「多くの人に広める……要は宣伝だな。それやるのだってただじゃないんだぜ」

 宣伝費。
 CMに使ったり、広告を出したり、人の目を引くようなパッケージにしたり。
 それらにだって全部金がかかってる。それも俺らには想像もできないような額が。多くの人に知られるためには、それくらいのコストを払わなければならない。
 後はそれに取り組む社員の人件費など……かかる費用は他にも沢山ある。

「もしかして……私達がいつも目にしているお菓子がこの駄菓子に比べて高いのって……」
「そういうこと。別にお菓子会社が陰謀でやってるってわけじゃないんだよ」
「なるほどな……難しいな、この世界の経済事情というのは」 

 ベンチに座り直して、小さくため息を吐く女騎士。
 色々考えすぎて頭が疲れちゃったみたいだな。そんなときこそ糖分補充。お砂糖は脳が喜ぶエネルギーなのだ。

「でもやっぱり……この駄菓子には可能性がある。この安さと美味さと手軽さ……広めるのは難しいにしても、もっと有効活用できる部分はあると思うのだ」
「そう? 別によくね? こうしておやつがてら食べられりゃそれで」
「それで終わるからダメなのだ! これを最大限に活かすためには……うーん……」

 再びリファは長考に入る。包装紙を目を皿のようにして見つめてじっくり観察すること数分。

「……そうだ。その手があった!」
「何の手?」

 俺が反射的に尋ねてみると、待ってましたと言わんばかりに彼女は得意げな顔でこう言った。

「これを食事にすればよいのだ!」

 ……はい?

「考えても見ろ。たったこれだけの量で腹は膨れるし、かかるコストも少ない。つまり毎日作っている食事をこれにすることで、大幅な食費削減につながる!」
「……おい」
「種類も沢山あるから飽きも来ないし、調理する手間も省ける。まさに合理的な活用方法ではないかっ♪」
「落ち着け」

 俺は嬉々として演説するリファに待ったをかけた。
 確かに今、野菜や果物などを始めとして、様々な食品の物価が上昇している。食費のやりくりにどこの家も苦労していることだろう。
 そんな中で、今のリファの案を取り入れれば容易くその問題の解決は可能だ。だが一つ、大きな穴を見落としている。その名も――。

「栄養不足」

 人体に必要不可欠なビタミン群を始め、タンパク質や食物繊維、鉄分などの栄養価をきちんと摂らないと瞬く間に栄養失調で病院送りになる。そうなったら本末転倒だ。
 これに関しては彼女には口酸っぱく言ってある。食生活の中で一番重要なことだからな。
 そんな脂肪と糖分と塩分しかないようなものばかり喰ってていいわけがない。あくまで嗜好品の一つとして楽しむものであり、毎日の食事に代えられるようなものではないのだ。

「――ってこと。わかった?」
「……」

 ここで納得して折れるかなと思ったのだが。
 あろうことか、彼女はニヤリと笑って一言。

「それはどうかな?」
「何?」
「ふっふーん、これを見よマスター!」

 ドン★と俺の目の前にリファはお菓子の一つを手にとってその包装紙の裏面を見せてきた。

「この世界の加工食品には、梱包材に栄養価が表示されているのは知っているだろう?」
「そ、そうだけどそれが何……ん?」

 リファが指差す栄養価一覧のところには、五大栄養素であるエネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムが表記されており、その下には……。

「ビタミンAに、B1……B2……」

 およそお菓子とは無縁の栄養価が入っているではないか。他にも葉酸や食物繊維などの健康には欠かせないものが一通り揃っている。これは一体――?

「これは野菜を原料にしたお菓子でな。ほら、原材料名にいろいろ入ってるだろ?」
「確かに、ピーマン、小松菜、ほうれん草に人参……すげぇ、本当に野菜がいっぱいだ」
「それにこっちは……」

 既に開封されたもののうちの一つを拾い上げて、リファはまた裏面を見せてくる。
 どうってことないチョコレート菓子のはずだが、どれどれ……。

「ビタミンDに、カルシウム……」
「確かどちらも骨の助けとなる栄養価だったな。この袋にもそう謳われておるぞ」

 見てみると「栄養機能食品」とはっきり表示されている。これって消費者庁から認められた商品につけられるやつだよな?

「それにこっちはブルーベリーという果実を主原料にしているので、鉄分がしっかり摂れると書いてある。これは一箱でレモンとかいう果実十個分のビタミンCが含有されていると……どうだ? なかなかバカにならないだろう」
「おお!」
「お菓子というと、とりすぎは健康に良くないものばかりと教えられたが、それは種類を選ばなければの話。こういう身体の事を考えて作られている駄菓子もあるのだ」
「言われてみれば……確かに」
「これを組み合わせれば、一日に必要な栄養を代用することは十分に可能だ。仮に足りないものがあればそれは従来どおりの食材で補うとしても、今までよりコストパフォーマンスは改善されるのは間違いない!」
「そ、そうだな!」

 知らなかった……駄菓子にそんなものまであったなんて。
 健康にいいよ、って宣伝文句のお菓子は多々あれど、どれもこれも普通のお菓子よりも更に値が張る者ばかりだった覚えがある。でも、見えないことろにお宝というのは眠ってるものだな。
 どうやら考えを改めなければならないようだ。しかもそれを異世界人に教えられるとは……恥ずかしい限りだ。

「それに、私達が日々の食事のために駄菓子を使うとなれば消費量も増える。その調達のためにこの駄菓子屋を利用すれば、自動的にこの店の経営の助けにもなる!」
「おお!」
「こちらは健康を損なうことなく食事を楽に、そして安く済ませられ、店側も儲かっていいことづくめだ。これを利用しない手はあるまい!」

 バァン! とかっこよく決めるリファに俺は拍手で称賛。

「すげぇ、お前すげぇよリファ! 異世界の文化を理解しただけでなく、有効活用する手段まで思いつくなんて!」
「ま、マスター……いやぁ、それほどでも」

 素直に嬉しかったのか、テレテレしながらニヤける女騎士。
 あのポンコツからここまでの名案が出るなんて感激だよ。この成長を喜ぶ親の気持ちになった俺は思わず涙ぐむ。

「うむ、それではこれを早速今日から実践しようではないか!」
「よっしゃ!」
「まずは本日の分の食材調達だ! 早速もう一度栄養の高そうなお菓子を選別するぞ!」
「了解だぜ騎士様!」

 俺とリファはそう意気込んで、店の中へと入っていった。


 ○


 そして帰宅後。
 出迎えてくれたもうひとりの異世界同居人、クローラに事の一部始終を伝えた結果。

「わぁ! なんだか面白そうですね! これからの食事が楽しくなりそうですっ!」
「だろだろー?」
「ふふん、この案を考えた私に感謝することだな!」


 そして夕食時。

「よーし! 今日のディナーはチョコビとハイレモンとベジたべるだー! どれもこれも栄養価高いからどんどん喰ってけー」
「「いぇーーーい!!!」」


 翌日

「ご主人様、リファさん! 今日の朝ごはんはニューラスクと、ベーコンエッグならぬカルパスエッグ! デザートにモロッコヨーグルもありますよっ!」
「「うぇーーーーい!!!!」」



 三日後


「マスター、クローラ! 今日のメインディッシュはこの『蒲焼さん太郎』丼だ! 付け合せの『さくら大根』と『コーンポタージュ』で野菜もしっかり摂るのだぞっ」
「「Fooooooooooooooo!!」」



 二週間後

「うん、重度の高血圧と高血糖だね。君達三人とも一週間入院」
「「「いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!」」」



 食事はバランスを考えろ。
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