14 / 22
第十四話 本音
しおりを挟む
「リュウセイ……行っちゃった……どうしよう」
「リュウセイ様……」
「リュウセイ……」
残された少女達はどう思っているのでしょう?
流石に、自分たちにも非があったのかもしれないと後悔されているのでしょうか?
もし、後悔されているようでしたら、このままお別れは少し寂しいかな……
「あ~、でも、なんでだろうね? リュウセイって、別に顔がそんなかっこよくないし……助けられて美化して舞い上がってたのかな……?」
「ええ、そうなんですよね。私も今までただ照れているだけだったのですが、冷静になったら悍ましいと思ってしまい……」
「顔は三枚目。腹筋も割れてない。勇者として与えられた能力はすごいが、それを差し引いたらあいつ自身、それほど大したものでもないな……」
「でもさぁ、あいつがいないと魔王を倒せないじゃん……だから、やっぱりあいつには戻ってきてもらわないと……」
「え? それでは謝罪して……スルのですか? やはり三人でリュウセイ様と? い、いやです! なんだかもうそれは……」
「我々が股を開くぐらいで世界が救えるのならば……ぐぅ、しかし……」
あらぁ? 本人いなくなったら、むしろ悪口開放されました?
「そ、それなら、あんたがいいんじゃない? かわいいし、おっぱい大きいし、あいつもどうせなら、あんたがいいと思うわ! 私はパスする、ってかあげるあげる! ねっ? 三人同時じゃなくて一対一でかわいがってもらいなさいよ!」
「い、嫌です! どうして私がそんな人身御供のような……あんな能力以外魅力のない男の人の慰み者になるだなんて……そ、それならむしろあなたは? ほら、剣術の後継者を生まないとだめなのでしょう? あの方は強さだけなら……むしろ適任では?」
「な、何を申されます……わ、私があやつの世継ぎをと……いえ、奴の能力は確かに惜しいですが、先ほど殴ったときのように素の力が常人以下のようですし、何の資格もありませんね。それに、我が流派には心も重要ですし、あんな下品な男は願い下げです。それなら、お前は……」
「だから、私は嫌だっての! つか、無理。あいつ、かっこ悪いし、そのくせエロいハプニング起こしてきて……あ~、思い出したらムカついて、同時に気持ち悪くなってくるわ! あいつ、転んだどさくさに、何度人のパンツとか胸に……」
「ほんとです、人として最低最悪ですよね。あんなどうしようもない人が勇者だなんて……あ~、悍ましい。私、気付いて良かったです。でも……どうしましょう……私たち以外の女性を探してみます? そうだ! 奴隷市で容姿の優れた者を購入しませんか?」
「なるほど、そういう女を宛がうのですね。確かにそれは良い手かもしれません。あいつも怒って出ていきましたが、根は頭の悪い単純な男だと思いますので、容姿の優れた奴隷でも宛がえば、喜々として戻ってくるでしょう!」
悪口だけではなく、押し付け合いが始まってしまいました。
っていうか、話の内容がどんどん……
「でもさ~、いくらなんでも私たちが奴隷市で奴隷買ったら評判悪くなりそうだし、同じ女として、人間としてそういうことさせちゃうのは……ん? 人間? あっ、そうか! 人間じゃない女ならいいんじゃない?」
「そ、そうです! ダークエルフとか、亜人娘とか、リュウセイさまは異形のメスを可愛いとか意味不明なことをおっしゃっていたぐらい、ゲテモノ食いな思考も持っています! それなら、魔王軍と戦って敵のメスを捕虜にしてリュウセイさまに宛がえば丸く収まります!」
「その手がありましたね! それに、それならば奴隷を買う費用も削減できます。リュウセイが奴隷に飽きたら、新しい捕虜を捕まえて……それがいい! あんな男に穢される女を想うと胸が苦しくなるが、人外の者たちなら問題ない!」
いや~、怖いですねぇ……これがこの世界の勇者のパーティーたちの思考なのですねぇ……世界によって勇者も違うのですね。
『言いたい放題なのだ。男も同じであろう? どの女神の胸がどうとか尻がどうとか……』
『いえ、ぼ、僕そういうのは……』
『ふふん、だが安心せよ。妾が他の女神たちと猥談するとき、おぬしのことは褒めまくるのでな。まぁ……他の女神たちもおぬしをかわいいとか言ってたのは気になるが……』
『え、そそ、そうなんですか?』
少女たちの会話に呆れた様子で溜息を吐かれる御主神さまでした。
「リュウセイ様……」
「リュウセイ……」
残された少女達はどう思っているのでしょう?
流石に、自分たちにも非があったのかもしれないと後悔されているのでしょうか?
もし、後悔されているようでしたら、このままお別れは少し寂しいかな……
「あ~、でも、なんでだろうね? リュウセイって、別に顔がそんなかっこよくないし……助けられて美化して舞い上がってたのかな……?」
「ええ、そうなんですよね。私も今までただ照れているだけだったのですが、冷静になったら悍ましいと思ってしまい……」
「顔は三枚目。腹筋も割れてない。勇者として与えられた能力はすごいが、それを差し引いたらあいつ自身、それほど大したものでもないな……」
「でもさぁ、あいつがいないと魔王を倒せないじゃん……だから、やっぱりあいつには戻ってきてもらわないと……」
「え? それでは謝罪して……スルのですか? やはり三人でリュウセイ様と? い、いやです! なんだかもうそれは……」
「我々が股を開くぐらいで世界が救えるのならば……ぐぅ、しかし……」
あらぁ? 本人いなくなったら、むしろ悪口開放されました?
「そ、それなら、あんたがいいんじゃない? かわいいし、おっぱい大きいし、あいつもどうせなら、あんたがいいと思うわ! 私はパスする、ってかあげるあげる! ねっ? 三人同時じゃなくて一対一でかわいがってもらいなさいよ!」
「い、嫌です! どうして私がそんな人身御供のような……あんな能力以外魅力のない男の人の慰み者になるだなんて……そ、それならむしろあなたは? ほら、剣術の後継者を生まないとだめなのでしょう? あの方は強さだけなら……むしろ適任では?」
「な、何を申されます……わ、私があやつの世継ぎをと……いえ、奴の能力は確かに惜しいですが、先ほど殴ったときのように素の力が常人以下のようですし、何の資格もありませんね。それに、我が流派には心も重要ですし、あんな下品な男は願い下げです。それなら、お前は……」
「だから、私は嫌だっての! つか、無理。あいつ、かっこ悪いし、そのくせエロいハプニング起こしてきて……あ~、思い出したらムカついて、同時に気持ち悪くなってくるわ! あいつ、転んだどさくさに、何度人のパンツとか胸に……」
「ほんとです、人として最低最悪ですよね。あんなどうしようもない人が勇者だなんて……あ~、悍ましい。私、気付いて良かったです。でも……どうしましょう……私たち以外の女性を探してみます? そうだ! 奴隷市で容姿の優れた者を購入しませんか?」
「なるほど、そういう女を宛がうのですね。確かにそれは良い手かもしれません。あいつも怒って出ていきましたが、根は頭の悪い単純な男だと思いますので、容姿の優れた奴隷でも宛がえば、喜々として戻ってくるでしょう!」
悪口だけではなく、押し付け合いが始まってしまいました。
っていうか、話の内容がどんどん……
「でもさ~、いくらなんでも私たちが奴隷市で奴隷買ったら評判悪くなりそうだし、同じ女として、人間としてそういうことさせちゃうのは……ん? 人間? あっ、そうか! 人間じゃない女ならいいんじゃない?」
「そ、そうです! ダークエルフとか、亜人娘とか、リュウセイさまは異形のメスを可愛いとか意味不明なことをおっしゃっていたぐらい、ゲテモノ食いな思考も持っています! それなら、魔王軍と戦って敵のメスを捕虜にしてリュウセイさまに宛がえば丸く収まります!」
「その手がありましたね! それに、それならば奴隷を買う費用も削減できます。リュウセイが奴隷に飽きたら、新しい捕虜を捕まえて……それがいい! あんな男に穢される女を想うと胸が苦しくなるが、人外の者たちなら問題ない!」
いや~、怖いですねぇ……これがこの世界の勇者のパーティーたちの思考なのですねぇ……世界によって勇者も違うのですね。
『言いたい放題なのだ。男も同じであろう? どの女神の胸がどうとか尻がどうとか……』
『いえ、ぼ、僕そういうのは……』
『ふふん、だが安心せよ。妾が他の女神たちと猥談するとき、おぬしのことは褒めまくるのでな。まぁ……他の女神たちもおぬしをかわいいとか言ってたのは気になるが……』
『え、そそ、そうなんですか?』
少女たちの会話に呆れた様子で溜息を吐かれる御主神さまでした。
0
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる