光速の走り屋オオサキショウコ

まとらまじゅつ

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第2章 柳田編

ACT.11 日本一の走り屋

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 赤城山。夜9時、空気がひんやりと冷えた時間帯に、1台の白いZN6が第1高速セクションを駆け抜けていた。その車内には、カップルの男女が乗っている。運転席に座っているのは男性、助手席には女性がいる。

「赤城の夜景、きれいだな……今日来てよかった」

「スーパーで買った熟成肉、冷蔵庫に残ってるだろ? 帰ったら焼こうか」

 二人は楽しげに話しながら、夜の山道を走っていた。
 その背後、急に車の音が遠くから近づいてきた。
 白いZ33が現れる。それは、WHITE.U.F.Oの柳田の車だ。

「速い車が来てるよ!」助手席の女性がバッグミラーを見て、突然の登場に驚く。

 Z33は、あっという間にZN6を猛スピードで追い抜いた。

「あのZ33、速いね……運転していないのに、なんだか追いかけたくなっちゃう。お願い、追いかけて!」

「え? でも、そんなに速い車にどうやって?」

 女性の興奮した声を受け、男性は少し戸惑いながらも、アクセルを踏み込む。しかし、直線ではその差は歴然とし、Z33が遥かに先を行ってしまう。

「無理だって……」 男性は心の中でそう呟きながらも、女性の期待に応えようと必死になっていた。

 夜11時の和食さいとう。
 リビングの小さな灯りが、静かな空間をほんのりと照らす。
 おれと智姉さんは、テーブルの前に座りながら、穏やかな会話を交わしていた。二人とも、今夜はパジャマの作務衣というリラックスした格好だ。

「話をしようか」

「うん」

 その会話のテーマは、Z33型フェアレディZについてだった。

「柳田の愛車、Z33は峠には向いていない車だな。車体は峠道に狭く、不向きだし、ノーマルのJZA80(1510kg)よりは軽いけど、1450kgはやっぱり重めだ。ホイールベースの短さとは対照的な直線安定性を重視した足回りが、独特のクセを生んでる。空力性能も高めで、Cd値0.30を記録した」

 智姉さんは軽く腕を組み、冷静に説明を続けた。

「峠では、あの車は上級者向けだ。FR仕様ではあるが、ドリフト大会で使うZ33は実際少ない。使いこなせなければ、無理をすれば不安定になる」

「つまり、Z33は峠にとって不利な車ということですか?」

「いや、性能が悪いわけじゃない。国内のGT選手権で2クラスとも優勝しているし、国内ラリーにも出た。ドリフトを愛する走り屋もいるんだ。腕次第では峠でも十分戦える」

「なるほど、柳田もドリフト派のZ33使いってわけですね」

 ちなみに、今村陽一氏もこの車でD1に出場していたという話もある。

「それに、3.5Lという大排気量エンジンだから、NAでもパワーとトルクは十分。もちろん、ターボを取り付ける走り屋もいるが、ノーマルでも十分力強い。Z33のくせに、フルピロで固めた脚と短めのファイナルギア……。まるで峠専用のセッティングじゃあないか」

「ノーマル仕様でも37kg・mのトルクがあるんですよね。ターボなら、さらに強力になりそうです」

「そうだな。ただ、2005年のマイナーチェンジで、パワーは280馬力から294馬力に上がったが、トルクは37.0kg・mから35.0kg・mに落ちた」

「でも、2007年にはエンジンがVQ35HRに変更され、パワーは313馬力、トルクは36.5kg・mに上がりましたね。」

「このように毎年改良されていったんだ。VQ35HRは高回転型になって、同時に吸排気バルブが改良された。Z33の中でも後期型は別物だ」

 智姉さんの説明は、技術的な事実を冷静に伝えつつも、彼女ならではの落ち着いた語り口で、聞く側に安心感を与えていた。
 そのうえ、50対50のシャーシ性能や電子制御も洗練されてる。柳田のZ、そう簡単に手は抜けそうにないな

 同じ頃。
 Speed葛西のガレージにて。
 オレはJZA80の下に潜り、ボルトの緩みやパーツの歪みがないかを確かめていた。
 下半身はツナギに包まれて、手には油の匂いが残っている。

「……よし」

 異常なし。
 そう確認すると、ゆっくりと車体の下から這い出た。
 そのとき、ロータリー特有の軽やかなエンジン音がガレージの外から近づいてくる。
 その音にすぐにピンときた。雨原さんのFDだ。

「こんばんは、サクラ。話があるぜ」

「何だ?」

 急な切り出しに、嫌な予感がした。
 でも、まさか、と思っていた。

「明日、オオサキちゃんにバトルを挑もうと思ってる」

「……え?」

 言葉を失った。
 その名が耳に届いた瞬間、背中が氷の針で貫かれた気がした。
 あいつの速さと“異常さ”は、この目で見ている。

「……あいつの走り、見ただろ? DUSTWAYのナンバー2のオレでも敵わなかった。軽く見てたら、痛い目に遭うぞ。あいつは16歳とか関係ない、化け物だ」

 けど、雨原さんは口元に自信の笑みを浮かべていた。

「なに言ってるんだ?。あたしは赤城最速の女だ。手加減しないで勝ってやるぜ」

「でも……」

「これは、お前の弔い合戦だぜ」

 その一言で、会話が止まった。

「明日、和食さいとうで決着をつける。これ以上、チームに泥を塗らせない」

 弔い合戦って……いや、オレ、死んでないんだけど。

 4月1日、午前10時。
 ロータリーサウンドが静かな朝の空気を震わせた。

「雨原芽来夜が来たぞー!」

 下から智姉さんの声が響く。

「……今日はエイプリルフールですよ?」

 嘘をついても許される日。まさか、と思ったが——

「これは本当だぞー! 早くこーい!」

 嘘じゃなかったのか……。
 まったく、最近は誰も嘘をつかない。真面目すぎてつまらない。
 玄関に出ると、茶髪のロングヘアを揺らし、青いジャケットを羽織った長身の女性が立っていた。雨原だった。
 目が合った瞬間、彼女は言い放つ。

「オオサキちゃん、よくもあたしの仲間を倒したな。敵討ちのためにバトル挑んでやるぜ」

 ——赤城最速が、ついに来た。
 智姉さんがすぐに反対の声を上げる。

「こいつは赤城最速の走り屋だ。お前に勝算はない。この後は柳田とのバトルもあるんだぞ!」

 けど、雨原の視線は鋭く、決意に満ちていた。

「師匠に止められて逃げるようなら、その程度ってことだな?」

 おれの心に火がつく。

「……断る理由はないよ。おれは、日本一の走り屋になる女だから」

 赤城最速に勝てば、その目標に一歩近づけるかもしれない。

「了解だ。バトルは今すぐ。コースはダウンヒル。行くぜ!」

 和食さいとうを出て、180SXをエネルギー資料館前の道路に停める。雨原のFD、智姉さんのR35もすでに来ていた。
 緊張感が、プラズマ3人娘のときとは段違いだ。さすがは“赤城最速”。
 だけど——負けられない。オレは日本一の走り屋になる。そのための一歩だ。
 運転席の窓越しに、智姉さんが声をかけてきた。

「相手は後攻を取ってくる。抜かれないように慎重に行け」

 アドバイスをもらったが、なぜか胸騒ぎがした。

(なんだ、この嫌な予感……)

 だが、その疑念に時間を割いている場合じゃない。

「スタートの合図は私がやる!」

 智姉さんが2台の前に立ち、両手を高く掲げた。
 FDのロータリーと、RB26の咆哮が重なる。
 雨原の表情は、まさに獲物を狙うライオン。威圧感すらある。
 おれは心の中で、ひとことだけ呟いた。

(気持ちに負けたら、終わりだ)

「カウント行くぞ!」

 ——10秒。
 0になった瞬間、2台のマシンが火花を散らすように飛び出していった。

 ワンエイティはRB26DETTの力を全開にし、FDはタービン交換された13B-REWで接近してくる。
 智姉さんの言う通り、後者は確実に後ろについてきた。
 白いストライプが入った青いボディが、赤いワンエイティを睨みつけながら進んでいく。
 その緊張感は、まさに息を呑むようだった。

「さぁ、見せてもらうぜ! サクラを倒した走りを!」

 S字から右のヘアピンへ突入。
ギアを落とし、サイドブレーキを引いて逆ドリフト。タイヤがスキール音を立て、白煙が上がる。
 その瞬間、FDはエンジンブレーキとシフトロックを駆使して、ワンエイティに追いつく。

 ……わかってる。100馬力以上の差があれば、直線で勝てるわけがない。
でも、その事実を、今この瞬間に突きつけられると、どうしても……くやしい。

 胸が焼けるような焦りに包まれた。ハンドルを握る手が、無意識に力を帯びる。指先が汗ばんで、タイツ越しの足裏から震えが伝わる。

「心臓が暴れる。舌の奥が渇き、視界の端が震える――違う、“恐怖”だ。……くそっ、怖いほど、速い……!」

 それでも――絶対に負けるわけにはいかない。
 “気持ちで負けたら、終わりだ”
 そう、あの時の智姉さんの言葉が脳内でリフレインする。

 ヘアピンを抜け、直線に入る。
 RB26DETTを全開で回し、レッドゾーンまで上げてシフトチェンジ。
 だが、FDは後ろから迫ってきた。
 右からの3連続ヘアピン。
 ここでブレーキを踏み、ギアを落としてサイドブレーキを引く。ワンエイティがテールを滑らせながら進入。
 FDも同様にドリフトでついてくる。
 距離が少し開いた。
 智姉さんに教わったテクニックでリードしていたが、雨原は言った。

「ただし、今のあたしは全力じゃあないぜ」

 その言葉の意味が分からなかった。

「本気で来るつもりなのか?」

 直線を加速しながら、再びFDのロータリー音が迫ってくる。
 どうしても逃げられない。だが、なぜか雨原の走りに、まだ何か隙間を感じていた。

「違う、この走り……まだ“雨原芽来夜”じゃない。獲物を狩る獣の目をしていない……来る、あれが来る……!」

 お互いに何かを温存している気配を感じた。

(……確かに、あの時の彼女の目はまだ本気じゃなかった気がする)

 次のセクション。

「逃げられるのか?」

 焦りが募る。
 そして、最も不利な第1高速区間。
 レッドゾーンでギアを吹かし、シフトアップ。
 後ろからFDがテール・トゥ・ノーズで接近してくる。
 次の左コーナー、シュモクザメの頭のようなハンマーヘッド区間へ突入。
 シフトダウン、フットブレーキ、サイドブレーキで逆ドリフト。
 FDもそのままドリフトでついてきた。

「いよいよ仕掛けるか?」

 雨原の目に獰猛さが宿った。
 右ヘアピンで、ついにおれは自らのタキオン粒子を解放した。

「逃げるぞ!」

 クルマを左向きから右へと切り返す。
 フットブレーキとサイドブレーキを同時に操作し、立ち上がりでついに発動した。

 意識が、研ぎ澄まされていく。風の流れが見える。タイヤの接地感が、足裏を通して脳に直結してくる。

「——来い、ワンエイティ! 《フライ・ミー・ソー・ハイ》……発動ッ!!」

 背中から駆け上がるような“電流”が走る。白い粒子がクルマの周囲に舞い、風属性のオーラが車体と心を包む。
 視界が開く。風が読める。車の挙動が、音より早く感じ取れる。
 汗腺が閉じ、体温が一点に集中するような感覚。視界の中の余計なものが消えた。見えるのは、コースだけだった。
 鼓動が地鳴りのように響き、脳が静かに沸騰していく。
 体内の鼓動が遅くなり、景色の流れが、まるでスローモーションのように遅くなる。

右足が自然にアクセルを探り、左足は軽やかにクラッチをなぞる。すべての操作が、身体の「意志」ではなく「本能」で繋がっていた。

 凄まじいスピードで滑るようにドリフトし、一気に距離を引き離した――かに見えた。
 しかし!
 後ろのFDも白いタキオン粒子を纏い、さらに鋭い軌道で迫ってくる。

「行くぜぇ! 赤城のテイルガンナー流《ホワイト・エヴァー》!」

 コーナーの出口で再び距離を詰め、ついにワンエイティの横に並ぶ。
 そのまま第2高速セクションに突入した。
 おれはアクセルを限界まで踏み込み、回転数をレッドゾーンまで持っていく。
 RB26に熱を込め、後輪を蹴らせる。だが――
 FDのノーズが前に出た。
 負けるのか、赤城最速に――!?
 この程度が、おれの実力か!?
 日本一の走り屋になる夢が……ここで終わるのか――!?

 駐車場に着くと、互いのクルマから降り、目を合わせる。
 雨原が口を開いた。

「中々やるじゃねーか、サクラを倒しただけのことはある。でも、抜き返せなかった時点で、まだ及ばないな。」

 さらに続ける。

「日本一の走り屋になりたいんだって? でも今のままじゃ、スケールがでかすぎるぜ。あたしを本気で倒せる実力がなきゃ、日本一なんて遠い話だ。」

「今のは本気じゃなかったってことか?」

「その通り。」

 彼女は少しだけ口元をゆるめながら言う。

「今のあたしは、7割の実力しか出していない。そんなあたしに倒せないなら、まだまだ日本一には程遠いぜ。」

 その言葉が胸に刺さる。
 反論できない。

「もっと速くなりなよ。そうすれば、本気でバトルしてやる。」

「じゃあ、速くなってやるよ。君よりもね!」

「なってみな。」

 雨原はそれだけ言い放つと、FDの運転席に乗り込む。
 ロータリーエンジンが鳴り、アイドリングが響く。

「じゃあ、帰るぜ。」

 運転席側のウィンドウが開き、茶色い髪が風になびく。

「サクラの仇は取った。勝ちもあれば、負けるときもあるんだぜ。」

 言い残すと、ウィンドウが閉まり、FDはロータリーサウンドと共に赤城道路を去っていった。

「……おれ、何やってんだよ。サクラに勝ったくらいで、調子に乗って……」

 悔しさが込み上げ、地面を叩く。
 タイツに包まれた黒い脚で力強く踏み鳴らす。
 そこに、VR38のV6エンジン音が聞こえてきた。
 智姉さんのR35がやって来る。
 駐車場に停まると、ドライバーが右側から降りてきた。

「タイツの足で地面を叩いてたが、負けたようだな?」

「はい…負けました。後半からついていけませんでした。」

 智姉さんの口調が一変し、鋭くなる。

「ったく、日本一になりたいってだけで赤城最速に挑むなんて、無謀だろ。お前、自分が負けるって分かってなかったのか?」

「なりたい気持ちが強すぎて…分かりませんでした。」

「今回の敗北はお前の自業自得だぞ。このままじゃ、日本一にはなれない。」

 現実を突きつけられ、胸が締めつけられる。
 今のおれはこのままでいいのか?
 智姉さんの言う通り、葛西サクラより速いだけの走り屋にすぎないのか?
 心が折れそうだった。
 完敗したおれは、智姉さんと共に和食さいとうに向かうことにした。

 昼12時。智姉さんは昼食を作り始めた。
 一方、おれは部屋に閉じこもっていた。

「くそ、くそう!」

 雨原に負けた悔しさから、ベッドの枕をドアに向かって投げつける。
 下から智姉さんの声が聞こえてくる。

「オオサキ、ご飯ができたぞ!」

 しかし、今日はその気になれなかった。 食欲も湧かない。 お腹も空かない。 食べても、味がしないだろう。

「今は誰にも会いたくない…」

 下から足音が聞こえてくる。智姉さんが上がってくる音だ。 ドアの向こうから声が聞こえてくる。 鍵をかけているから、入れない。

「昼ご飯できたぞ、下に来い。」

 それでも、行く気にはなれなかった。

「だーかーら、誰にも会いたくないって言ってるじゃないですか!」

 智姉さんは、おれの気持ちをすぐに見抜いた。 彼女だから当然か。

「雨原に負けたことを引きずっているのか?」

「はい、そのせいで食欲がわきません。」

「その気持ちは分かるぞ。日本一の走り屋になりたいって言ってたな。」

「はい……」

 今のおれは、その称号を持てるのだろうか? 赤城最速に負けて、遠く感じる。

「おれはその称号を持てるのでしょうか?」

「次がある。」

「次って、なんですか?」

 おれはそれが分からなかった。雨原に負けたことで、もう何もかも終わった気がしていた。しかし、それは前に言っていたことだった。

「WHITE.U.F.Oの柳田とのバトルがある。柳田は榛名のヒルクライムでは最速だが、雨原ほどの速さではない。明日、その練習をしよう。」

 そうだった、前に約束したことだった。

「練習すれば、日本一の走り屋に近づけるかもしれない。やるしかないんだ。」

 それをするしかないのか? 雨原を見返せるのか?

「でも、これだけではあまり成長できないのでは?」

 おれは近道を探していた。雨原に勝つための。

「それを積み重ねていくんだぞ。千里の道も一歩からだ。練習を重ねて、柳田のようなライバルと戦って、経験を積んでいけ。それで、雨原を見返せるようになる。」

 やっぱり前しか向かないとダメか。 雨原に勝てる選択肢はそれしかない。 ポジティブシンキングか。

「まずは柳田と戦ってこい。明日の練習で作戦を教える。」

 その言葉を聞いて、おれは立ち上がった。気が気でない。 勝てる作戦なのか?

「分かりました。」

「偉いぞ、オオサキ。さぁ、ご飯だ。下へ行こう。」

 雨原のことを忘れて、部屋を出ることにした。 気分を変えて、昼食を取る。

 夜7時、Speed葛西。
 FDを停め、エンジンを切ってクルマから降りた。
 サクラがメンバーのクルマを整備している。
 ここに来たのは、彼女に報告をするためだ。
 ロータリーサウンドを聞いたのか、サクラがこちらに歩み寄ってくる。
 嬉しい報告を伝えるのが楽しみで、心が踊る。

「サクラ、嬉しい報告がある。オオサキちゃんを倒した。」

「本当に戦ったのか?」

「ああ、倒したぜ。7割の実力でな。」

「7割で倒したのか……。」

 本気を出したらすぐに勝ってしまうから、あえてその程度の力で挑んだのだ。

「怖くなかったのか?」

「少しはな。でも、クルマの性能のおかげで接近できた。コーナリングのキレが良かったけど、抜き返されないように気をつけた。」

 有利だったとはいえ、7割の力でコーナーで逃げるのは必死だった。
 赤城最速の座は、まだ守った。
 その称号だけは絶対に渡さない。
 サクラが何かを思い出したように話す。

「そんなオオサキだが、今度、WHITE.U.F.Oの柳田と戦うつもりだ。ヒルクライムの勝負だ。」

「オオサキちゃん、柳田と戦うのか。」

「オオサキはまた負けるな。柳田は榛名ヒルクライムで最速だ。」

 サクラに勝ったのはダウンヒルだ。
 クルマの性能を考えると、10対90に過ぎない。
 勝機は、正直言って、ほとんどない。

 4月2日、木曜日。柳田戦まであと2日。
 時間は午前6時30分。
 朝の山道を、R35とワンエイティの2台の車が登ってくる。
 どちらも速いが、今日もR35の方が一歩リードしている。
 RB26とVR38が鳴り響く。

「速すぎる!」

 少し遅れて、おれは麓の駐車場に入る。
 ワンエイティを停め、エンジン音が消える。

「やっぱり智姉さんに勝てないな。」

 車を降りると、智姉さんがすぐに説明を始める。

「今度のバトルの作戦だが、タイヤのグリップを温存させることにしたい。そのために、ドリフトはしない。」

「え?」

「ドリフト禁止ですか⁉」

 おれは驚き、言葉が出ない。

「どうしてですか?」

 智姉さんは、冷静に理由を語り始める。

「ドリフトはタイヤのグリップ力をかなり消耗する。それに、タイムを稼ぐためにはグリップ走行が必要だ。前半、サクラゾーンに入るまで、技を使わないでくれ。後半は一気に攻めてもいいけど、ドリフトは禁止だ。」

 制限の多いタイヤ温存作戦に不安を感じるおれ。
 得意な技を封印されてしまうのが、どうしても不安だ。

「本当にこれで戦えるのか?」

 心臓がさらにドキドキして、破裂しそうだった。

 4月3日、木曜日。柳田戦まであと1日。
 午前6時。赤城山の頂上、大沼の湖畔にワンエイティが静かに停まっていた。
 車内には、運転席のおれと、助手席で赤城羊羹を手に持った智姉さんが座っている。
 二人はゆったりとした空気の中で会話していた。

「まさかお前がサクラに勝つなんてな。16歳で赤城最速を倒すとは、想像できなかった。」

「いえいえ、智姉さんがしっかり教えてくれたおかげです。」

 サクラに勝ったなんて、最初は信じられなかった。
 だって赤城で2番目に速かった彼女に勝つなんて、思ってもみなかった。
 サクラとの勝負がよぎる。

「そうか? でも、お前はサクラ戦の後、ドリフト甲子園の上位にいた熊久保たちを倒した。次は柳田だ。前と比べて、すっかり変わったな。」

 智姉さんはにっこりと微笑んだ。

「それに、羊羹食べるか?」

 おれは羊羹を受け取り、口に入れる。

「美味しいな、あーん。」

 優しい甘さが舌に染み込みながら、おれはふと考えた。

「でも、実感はあんまりないんですよ、智姉さん。サクラに勝ったことも、偶然みたいなもので。あんな本格的な走り屋相手に、初心者が倒せるなんて思いもしませんでした。」

「本当にそうか?」智姉さんは、にやりと笑う。「お前、サクラ戦の後に熊久保たちを倒し、柳田との戦いを控えている。変わったな、明らかに。」

 おれは答えなかった。確かに、サクラ戦以降、少しずつ変わってきた気がする。
 でも、心の中ではまだ実感が湧かない。走り屋として、どこまで成長できているのか、自信が持てなかった。
 その時、1人の観光客の男性がワンエイティに近づいてきた。

「すみません、赤城神社はどこですか?」

 その男性は少し困った様子で道を尋ねてきた。
 おれは思わず少し身構えた。男が苦手だからだ。智姉さんに任せることにした。

「智姉さん、あの人に道を教えてあげてください。おれ、男が苦手で…。」

 智姉さんは軽く笑って、男性に道を教えてあげた。

「ありがとうございます。小さくて赤い女の子、ビビらなくてもいいよ。僕は変態じゃないからね。」

 その言葉に、智姉さんは苦笑しながら答える。「うん、ビビらなくても良かった。」

 道案内を終えた男性は、去っていった。
 ふと気づくと、少し心が軽くなった気がした。

(智姉さん…変わったという実感はまだないけれど、走りに対する気持ちは確実に変わってきている。次の柳田戦が楽しみだ。走ることが、前よりもずっと楽しくなった。)

 だが、心の奥には、まだ不安が残っている。
 赤城最速の雨原芽来夜に負けたことが、今でも頭をよぎる。
 智姉さんの作戦は、果たして成功するのだろうか?

 夜8時、前橋のレストラン。
 右には雨原、左にはサクラとウメの親子が座っている。
 今回のバトルはDUSTWAYには関係ないが、メンバーを倒した走り屋同士の戦いということで、彼女たちも気になって仕方ないようだ。

「明日のバトルは、オオサキちゃんが直列6気筒のRB26DETTを積んだ180SXと、VQ35DE改ツインターボのZ33が戦う。直列vsV型の6気筒対決になるね。」

「オレのクルマも、母さんのクルマも、オオサキと同じ直列6気筒だ……」

「直列6気筒とV型6気筒の違いを簡単に説明するわ。」

 今度のバトル、2台のエンジンには大きな違いがある。それをウメが軽く説明し始める。

「見た目の違いは、直列6気筒が縦に1列で並んでいるのに対し、V型6気筒は2列に並んでるのが特徴。直列6気筒は回転が滑らかだけど、V型6気筒は騒音対策やエンジンの剛性、重心の低さなどで有利なのよ。スペース的にも、V6の方が狭いエンジンルームに収まりやすいし、FF車にも搭載されることが多い。V6の方がメリットは多いけど、私は直6が好きよ」

「なるほど、ウメさんが言うとさらに分かりやすいな。」

「解説を楽しんでもらえて嬉しいわ。」ウメはにっこり笑う。「でも、明日のバトル、私たちは関係ないはずなのに、なんだかワクワクしてきちゃうわね。今度はヒルクライムで柳田が走るけど――相手は、あんたを倒した大崎翔子という小娘よ。柳田が有利に見えるけど、私は彼が勝つとは思わないわ。」

「え? なぜ?」

「その理由を話すわ。」

 二人は疑問に思った。ヒルクライムはクルマのパワーが物を言うはずだ。柳田の方が有利に見えるが、ウメの言う「理由」とは?

「柳田は……自滅するのよ。」ウメは静かに言った。

 果たして、ウメの予言は当たるのだろうか?
 その言葉が胸に重く響いた。

 さらに時間が過ぎ、バトルまで残り1時間。
 場所は赤城山の和食さいとう。
 店が閉店するタイミングで、おれはワンエイティに乗り込んだ。智姉さんはR35、六荒はヴィッツに乗って、バトルのスタート地点へ向かう準備を整えている。
 キーを回して、エンジン音が響く。

「行くよ、ワンエイティ。柳田と480馬力のZなんて怖くないから」

 出発と同時に、ワンエイティに向かってそんな言葉をかける。でも、車は無言だった。そう、無機物だから。

「わだすたちも行くべ!」

「くにちゃんも応援する!」

「うちもサキはんのバトルを間近で見たいんや!」

 和食さいとうには、プラズマの3人娘もいた。彼女たちも、それぞれの愛車に乗って、俺たちを追ってバトルのスタート地点へ向かう。
 その後ろからは、4気筒の自然吸気エンジンと、何台もの6気筒ターボのサウンドが交錯する。

 バトルの時間が近づき、ギャラリーや走り屋たちで賑わっている。
 先週のサクラ戦よりも、今日はさらに多くの人が集まっているようだ。
 その中には、白いクルマが目立つ。
 それは、あの「WHITE.U.F.O」のクルマたちだ。
 柳田は、Z33のボンネットに座っておれを待っている。

「相手はサクラを倒した走り屋だ。油断するなよ」

「わかってるじゃんよ! あたしのノーフットブレーキ流という覚醒技、サイドブレーキだけでドリフトして、ボコボコにしてやるからな! 赤城でもこの走りで絶対に勝ってみせる!」

 リーダーの戸沢龍も、DC5型インテグラタイプRの横に立っている。
 柳田は、自信に満ち溢れていて、おれを倒すつもりでいる。その目に覇気が宿っている。
 戸沢は最近の情報を掴んでいた。

「オオサキが赤城最速に負けたって話、聞いたぞ」

「こっちも絶対に倒してみせるじゃんよ」

 柳田、おれは2連敗するわけにはいかない。

「速さは自信じゃ測れない。結果がすべてだ。」

 果たして、その忠告は守られるのか?

 ゴール地点には、DUSTWAYのメンバーが集まり、ギャラリーができている。
 雨原、サクラ、ウメの3人がその中にいた。

「もうすぐだな。こっちもワクワクしてきたぜ!」

「オオサキは勝つのか負けるのか……こっちも勝敗に興味津々だ……」

 この2人は、オオサキの実力を間近で見てきた。
 サクラは負けており、雨原は勝っている。
 オオサキに対する興味があるのも無理はない。
 ウメが、2人に何かを報告する。

「今、ギャラリーから連絡があったわ。大崎翔子たちの車が到着したみたいよ」

 それは本当だった。
 下り坂を駆け上がるエンジン音が響き渡る。
 V型エンジンと直列6気筒のサウンドが重なり合い、四重奏となって迫ってくる。
 そして、スタート地点にもう1人の主役が姿を現した。

 おれのワンエイティ、智姉さんのR35、クマさんのC33、タカさんのHCR32、川さんのA31、六荒のヴィッツが、赤城山のヒルクライムのスタート地点に集まっていた。

「待たせたよ、柳田マリア!」

「やっと来たじゃん!」

 主役の2人がバトルの会場で顔を合わせる。その瞬間、緊張感が場を包み込む。これから本格的に戦いが始まるのだ。
 バトルの時間、スタート地点には11時の鐘が鳴り響く。
 WHITE.U.F.Oのメンバーたちが口を揃えて話し始める。

「柳田さんの480馬力のZ33が、350馬力のワンエイティに負けることなんてありえないだろ」

「ヒルクライムでは、パワーとトルクのある方が有利だし、柳田さんが負けることなんてないだろ」

 彼らは自分たちが有利だと確信しているようだ。しかし、バトルの行方は誰にも分からない。
 WHITE.U.F.Oのリーダー、戸沢がZ33の窓から柳田に向かって話しかける。

「相手が16歳だから、車のパワーが相手より上だとかで油断するなよ」

「分かってるじゃん! 油断なんかしねーじゃん!」

 智姉さんと六荒も、バトル直前のおれに声をかける。

「作戦のこと、忘れずに実行しろよ。いいな?」

「智の言うことはしっかり聞けよ」

「はい! 必ず作戦通りに戦います!」

 智姉さんの作戦は一か八かの賭けだ。ドリフトは禁止された。あとは相手の自滅を祈るだけだ。
 2台の車が駐車場を出て、スタートラインに並ぶ。
 RB26DETTとVQ35DE改ツインターボが、轟音とともに吠える。
 スターターは戸沢だ。彼は両手を上げ、2台の前で指を指す。

「カウントを始めるぞ!」

 戸沢の掛け声とともに、2台に潜んでいた力が解き放たれる。走り屋としてのオーラと覚醒技超人のタキオン粒子が、まるで光のように輝く。おれは白色の光、風属性の萌葱色のオーラを放ち、柳田は風属性の萌葱色と水属性の青い光をまとっている。

「5秒前! 4! 3! 2! 1! GO!」

 カウントが終わり、バトルが始まる。2台は一斉にスタートを切る。後輪が激しく回転し、スモークを上げながら加速する。だが、パワーのあるZ33はなぜか後ろにいる。

「始まったぞ!」

「柳田、どうしてあえて先行させたんだ?」

「先行したのはワンエイティか!」

「サギさんが先だべ!」

「サキちゃんが480馬力相手に先行できてるなんて、すごいじゃん!」

「サキはん、力不足なはずなのに、先に出たんやな」

 プラズマ3人娘が目を見張る。
 プラズマ3人娘は、おれが先行できたことに喜んでいる様子だ。
 おれにヒルクライムバトルで負けた3人は、WHITE.U.F.Oのメンバーに向けてあるアピールを始める。

「あいつは本当にやばいべ。わだすたちは430馬力のC33型ローレルに乗ってたんだど、負けちまったぁ~」

「くにちゃんは70kg・m超えのトルクを誇るHCR32に乗ってたけど、上りで負けちゃったよ。ワンエイティ乗りは侮ったら怖いよ」

「舐めたらアカンねん!」

 ヒルクライムでおれに負けたことをアピールしている。しかし、それを聞いたWHITE.U.F.Oのメンバーたちは冷ややかな反応を示す。。 

「誰だよ、お前」

「黙ってギャラリーしとけよ」

「誰だよ、お前……あ、あの時のC33の子か? あーあー思い出した。あの“スピンして恥かいてた奴”な!」

「おいって! 空気読めよ!」

「あ、さっきの子?マジで名前まだ覚えてない」

「あれスピンじゃなくで負けだだべ……!」とプラズマ側が即ツッコミ。

さらにもう一人のWHITEのメンバーが、ニヤニヤしながら缶コーヒーを開ける。

「つーか、サイド引けないなら、Z33に勝てるわけないじゃん。……あ、ごめん。なんかマジで悔しそうな顔してる?」

「え、負けたのに偉そうに言うなよ~笑」

 無視され、アピールは完全に失敗に終わった。

「無視されたべ」

「まったく、相手にされなかったよ」

 アピールの効果はゼロ。さて、次のバトルに集中だ。

 最初のコーナー、5連続曲線。おれのワンエイティと柳田のZ33が、次々と曲がり角を切り抜けていく。
 フットブレーキを踏み込みながら、ハンドルを回す。車体が安定し、次のコーナーへ向けて加速する。その横では、柳田がサイドブレーキを引いてドリフトに入る。

「来るぞ、来るぞ!」

 ギャラリーが興奮して声を上げる。彼らの視線は、すでにZ33に注がれている。
 観客のざわついている。

「今回のワンエイティ、前のような派手な走りじゃなくて地味な走り方だなあ」

 おれの方は、智姉さんから指示された通り、グリップ走行で抜ける。タイヤの接地感を確かめながら、慎重にコーナーをこなす。一方で、柳田は得意のサイドブレーキドリフトで迫力満点に曲がっていく。

「すげー! 迫力あるぜ!」

 ギャラリーが歓声を上げる。スキール音が一層大きく響く中、柳田はコーナーを次々にクリアしていく。
 おれはというと、作戦通りにタイムを稼ぎながら、0.3秒差……0.5秒……と、Z33を引き離す。ハンドルとアクセルをじわりと操作し、慎重に次のコーナーへ向かう。

「やるじゃん!」

 次の右ヘアピン、2つ目のコーナーに入る。走りは変わらず、おれのグリップ走行が着実にタイムを縮めていく。
 コーナーは3つ、4つ、5つと続き、そこでは柳田のドリフト走行とおれのグリップ走行がぶつかり合う。後者がタイム稼ぎに有利だと、少しずつだが確実に前に出る。
 智姉さんの作戦は、上手く行っているのか?

「速いじゃん! あたしをコーナーで引き離せたの、お前が初めてじゃん!」

 しかし次のセクション、第3高速区間に差し掛かる。ここではおれはパワーで不利になる。
 柳田は、おれが築いた差を一気に縮めていく。さらにその距離を縮めると、彼女はロックオンする。

「でも、ここまでは様子見だったじゃん! ここから追い抜くぜ!」

 柳田が萌葱色のタキオン粒子をまといながら、追い抜き態勢に入る。そのオーラが一瞬、周囲を照らす。

「<啄木鳥の突撃>!」

 オーラをまとった柳田が、おれの後ろで左右交互に車線を変更しながら迫る。第3高速区間を終えると、右中速ヘアピンに差し掛かる。その瞬間、反射的に外側に追い込まれ、内側から前に出されてしまう。
 右フロントのタイヤが一瞬浮くようにリフトしながら、Z33が強引にノーズをねじ込んできた。重い車体が嘘のように俊敏に動き、赤いワンエイティの進路を寸断する。
 おれは強制的にブレーキを踏み込む。車が一気に減速し、後ろに引き離される。
 手足が震え、呼吸が乱れる。でも気持ちだけは折れてない。

「くっ! 先に出してしまったか…」

「こちら第3高速ヘアピン終了地点! 柳田さんが抜きました!」

 後攻に入ったおれは、480馬力のZ33に押され、後半のバトルがますます苦しくなる。だが、ここで本気を出すわけにはいかない。
 どう逆転すればいいのか?

「でも、あいつのタイヤはもう半分削れてる。あいつが倒れるのを待とうか…」

 ゴール地点にも様子が報告される。

「……勝てるのか、大崎翔子……」

 それを聞いたサクラは内心そう感じていた。

 TheNextLap
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