8 / 10
聖女召還
はち☆摩訶不思議人体
しおりを挟む「ふぅ、」
みんなの前で『生理だ!』と大声で叫んだ後、揃いも揃ってなんだそれ?と不思議そうにされた。
何でも、この世界に生理無いみたい
互いに唖然としていたら、また極度のハライタが襲って来た。リュンデルさんがそれは病気なのか?と凄い剣幕だったから、病気じゃないですから、と一生懸命震えた声で返した。
とりあえず、痛いならこれを飲んで見ろ、と緑色の蛍光色全開な液体出されたので、さらにお腹痛くなった気がするけど飲んだ。結局、なーんも変わんなくって、震えながら鎮痛薬をお願いした。
変なもん飲ませやがって…と、フェルトナリウス様に思ったけど、怖くて言わなかった
今は、ようやく痛くなくなって、震え、冷や汗が収まったので、毛布にくるまりながら1人掛のふかふか椅子に座った所。
因みに、血黙りの後始末をリュンデルさんがやってくれた。ホントごめんなさい。
更に因みに、向こうから持ってた私のバックの底に何個か眠ってたナプキン見つけて狂喜乱舞しながら装備した
普段はトイレに凄く不満何だけど、今だけは我慢出来そうだし、ニコニコ出来た
「落ち着いた様だな」
「あ、はい。お手数おかけしました…」
「それで…ナスカ様、今現在、ナスカ様のお体で起こった現象は何なのですか?」
アーミフェント先生が、何か書くものを持ってサイドテーブルで控えてる
……………カルテ書かれるの?
「…………一応確認何ですけど、ここでは女性は月に1度、出血しないんですか…?」
「その様な事例は病気以外では聞いたことが無い」
「そうですね…私も知りません。」
フェルトナリウス様は長ソファーの真ん中で難しい顔してるし、アーミフェント先生は手だけものすごい速さで筆記してる。
「じゃあ、どうやって子供産むんですか?」
「なぜその様な話に飛躍する」
「あーー、向こうでは、これがあると子供産めるようになるんです」
「なぜだ?」
「なんと!!詳しくお願いします!」
…………アーミフェント先生の筆記スピードが上がった
頬を染めて凄く鼻息が荒い。怖。
「……………えー、ごほん、あーと、」
「何をゴニョゴニョゴニョゴニョ…さっさと話なさい!」
フェルトナリウス様ご立腹!!だって、良い辛いでしょうが!
意を決して、言うしかない…これは仕事、これは仕事、医療知識の異文化交流の為よ!と心の中で自分に言い聞かせ私はフェルトナリウス様に向かい合った
「子宮から、ひと月にだいたい一週間程度出血することを生理って言うんです…けど…」
声も小さく、視線も反らしたし、顔も熱い気がするけど、それは仕方ない!!
「子宮…知らない臓器ですね。それは。ナスカ、もっと詳しく説明をなさい」
さっさと言え、と無言の圧力感じた。だって、フェルトナリウス様のこめかみガシガシと眉間のシワダブルパンチだよ?私はびびって背筋伸びた
「あ、はい!向こうの女、いや、生物学的に子宮と言う臓器を所有している生き物全てメス、または女と分類し、私達はそう認識しております!」
「ほほう?」
アーミフェント先生の筆記音がバリバリ響いてる
「私は医学知識が専門的では無いですが、理解している範囲の子宮の役割は、子供が産まれるまで母体、つまり子宮を有している女の体内で成長させる為の専用の臓器です!まず妊娠するには、男から精子細胞…男の情報を持った子を作る為の細胞を受けとると、子宮の奥中で女、メスが保有している女の情報を持った卵子細胞、簡潔に言うと卵です。2つがが融合して、受精卵と言いますが、これが出来ます。それが子宮内部で子宮の内側の壁に付着、これを着床と言います。ここまでの過程で妊娠、子供の核の形成に至ります。それを踏まえて、精子と結び付くことの無かった卵子を子宮の体外に押し出す行為を生理、と呼んでおりました」
「…………細胞とは?」
「私達の体を維持、形成しているモノ…?です」
フェルトナリウス様はてをじっとみた
「血と肉、だが?」
そりゃそうだ。血と肉だ。
「その血、拡大して見たこと有りますか?」
「血を拡大!!?なんと面白い発想だ!!どうやって見るのですか!虫眼鏡で見えますか!?」
鼻息ぶんぶんアーミフェント先生が身を乗り出してきた。
「ごめんなさい!ホントに詳しく無いんでごめんなさい!何となく覚えているのは…例えば虫眼鏡やメガネのガラスを鏡に反射させて、それを更に最初の虫眼鏡より屈折率を上げた虫眼鏡で見てみたり…?顕微鏡ってそうだったっけ…?あれ、直接大きさ、屈折率の違うガラス…を並べるんだっけ?
やっぱり原理あんまり分かんないです……すみません…」
ちょんちょんと私はメガネを指した
「いえいえありがとうございます!なるほど!なるほど!試して見る価値有りそうですねぇ!!ね、フェルトナリウス様!」
「ふむ。面白そうです。作ってみる価値はあるでしょうね。ナスカ、その顕微鏡…とやらはどれほど見えていたのですか」
「んー、専門で何か研究してる人や医師が使ってるのは分かんないですけど、そういう専門的な類いは、目に見えるモノより100倍…いや、1000倍…2000倍とか?何かすごい倍数だったと思います。」
「なんと!まぁまぁまぁ!それほど見えていたら大発見では無いですか!!!」
「面白いな」
………食い付いてる割にフェルトナリウス様眉間のシワ凄いよ…?
「とにかく!その血とかを、顕微鏡を使って、血をどんどん拡大していくと、色んなものが見えてくるんです!体の細部までモノを運ぶモノ、体から病を追い出そうとするモノ、怪我したときに血を止めようとするモノとか!」
「ほう?血にも役割を担うモノが存在るのか」
またものすごい速さで筆記してるアーミフェント先生は、目をガン開きにして、私とフェルトナリウス様の会話を聞き出した。まるで書記だ
「お茶を置かさせて頂きます。」とそっと戻ってきていたリュンデルさんが気を配っていた。
ありがたい…喉カラカラだったよ
「そうですね、役割ありますよ。爪も、髪の毛も、血も、ぜーんぶ。だから、その肉眼では見えないモノ達は肉の部分も含めて、色んな所を見ると、それぞれ違う役割、形をしてるんですけど、それらを総括して、細胞って呼んでるんです。細かい胞子という意味で、細胞です。多分ですけど文字から読み解くとそんな感じです。とにかく、私達の体を形成している細胞の内の1つ、人間の大元となる役割の細胞を精子、卵子って言って、それぞれ男と女が保有してるってことです。」
「興味深い話だな…それにしても、ナスカは医学知識がとても深いな。その様な知識を保有してるとは、医学を学んでいたのですか」
「いや、私の自己解釈だし、これはすぐに調べると分かることです!詳しく無いです!」
ぶんぶんと身振り手振りで否定したけど、アーミフェント先生は素晴らしく博識です!と私の事を先生と、呼び出した。
「ホント、辞めてくださいよ…アーミフェント先生…」
「…………分かりました…」
アーミフェント先生はスッゴク不貞腐れた顔をしてるけど、何とか回避して話に戻った
「では、子を成すためにナスカの世界では、女性は皆その様に毎月出血が起こる、と言うことだな」
「そうです…なので、だいたい5日から1週間ほどしたら自然と終わるので、持病じゃ無いです。これは生理現象です。」
「なに、そんなにも続くのか!?1回きりの事ではなくて?」
「あ、はい。1日中出血して、1週間程掛けて徐々に出血が少なくなって終わります。」
「何と不便な…その度にこの様に体調を崩す、と言うことですか…」
「いや、個人差がありますよ。私は酷いときと、症状が軽いときって差が激しいですけど、人により動けなくなる位激しいタイプと、全く感じないタイプって千差万別でした」
「ますます不便だなそちらの女性達は…」
「逆に、こっちでは、女の人は無いんですよね?」
「そうですね」
「じゃあ、どうやって子供を作るんですか?」
「………こちらでは、子を宿す為の花があるのだ」
「は!花!?」
「ああ。その花が散ると中央に実がなる。その実を飲んだら子を宿す事が出来るようになるのだ」
なんたるカルチャーショック。花で子供が出来るようになるなんて!フェルトナリウス様がさも当然の様に話すので一気に血の気が引いていく感じがした
「ひ、ひゃぁー!信じられないです!こっちの女の人も大変じゃないですか!」
「子を成せるのは女性だけでは無い。全てだ」
「はっ!?お、男の人もですか!?」
「そうだ。ナスカ、先日私と移動している最中を覚えているか?兵士2人居たでしょう」
「はい」
この前、中庭の隅でキスしてる兵士二人の男性達を目撃したやつ、ね…あんな熱烈なキスしてたら誰でも戸惑うと思う…その時フェルトナリウス様が「あの二人は夫婦です」と教えてくれて、ここでは海外みたいに認められてるんだ…て驚いた。だって、ここ、文明的には中世とか、いや、それよりも前の時代っぽいんだもん。婚姻に関しては地球より進んでるわ、と感じた。
「あの2人も確か子が昨年産まれている。男同士、女同士であっても子を成せる。」
「凄すぎて目眩を感じます…でも一体どうやって子供が出来るまでになるんだろ…花の実を飲んだだけで子供が出来るんですか?」
「ふむ…飲んだだけでは出来ぬな。ナスカ、これ以上は、ナスカが必要な時に教えて貰いなさい。」
「えぇ!!今更ですか!?」
ここまで明け透けなく話したのに、出来方教えてくれないの!?医学的話でしょうが
しばらく駄々をこねて知ろうとしたけど、リュンデルさんも、アーミフェント先生も教えてくれず、視線を反らされた
なんで!
「慎みを持ちなさい、ナスカ。」
「ぶうーっ」
「膨れても教えぬ。ナスカには今子を成す必要がないでしょう。ナスカが必要な時に、必要な人にきちんと聞きなさい。今では無いのです。」
もう教えてくれなさそうだ。そこら辺の慎みとか、基準が分かんないよ!
「とにかく、我々の主神は無償の愛の神だ。それならば、男、女など子が出来て当たり前なのだ」
「………そんなモノですか、」
「そうだ。ただ、男と女の間より子が遥かに出来にくい、と言う欠点があるのだがな」
「なるほど…」
だから、会ったことも無いもう1人の子は丁重に囲われて居るのね…なんだか…変な気分…
会ったことも無いあの子を少し不憫に思った。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ
・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。
アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。
『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』
そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。
傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。
アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。
捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。
--注意--
こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。
一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。
二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪
※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。
※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる