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聖女召還

きゅう☆おパンツ革命?

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乙女の休息日中だと言うのにフェルトナリウス様は病気じゃないと解った途端、私の部屋まで仕事を持ってこさせ始めた。大量の鎮痛薬を置いて。
こんの、仕事の鬼め!

それと、後から解った事なんだけど、何だか蛍光に光る液体を飲ませられたあれは、なるものらしい。
ポーションって、液体状の薬って意味よね?
そのままの意味で捉えて良いのよね?
なんかのRPGゲームみたいに、回復薬って事?

よく解んないけど、私には無縁そうだった。
もう二度と飲みたくない。

「はぁ、」

「あら?ため息などナスカ様どうなされました?」

「リュンデルさん…いえ、何でもないです」

リュンデルさんに聞かれてた…
でも言えるわけがないよ。だって…今更、ここのトイレが苦痛です、お風呂が不便です。だなんて!
ずっと我慢してた…この世界の水回り事情はホント最悪。

トイレは木の椅子の真ん中に穴が空いてて、下には水が少し入った陶器のボウルがあって…2、3回使ったら蓋を閉じて捨てに行く方式だ。トイレットペーパーなんて無いから、お尻はもちろん水で濡らして布で拭く。

お風呂に至っては、いちいち井戸から汲んで、沸かした水をバスタブに溜めてから入る。なので3日に一回位。シャワーなんてもちろん無い。お風呂に入れない時は、お湯に布を入れて、体を拭くだけだったり、頭だけ洗ったり。シャンプーも上等なものなんて無い。石鹸を溶いた水に香水?アロマエッセンス?を垂らして香り付けで終わりなのだ!
現代の生活が恋しい…非常に恋しい…
乙女以下略、な今の私には更に不快感として襲ってきてる。ナプキンも、持ってたものが無くなって、代用として布をお股に宛がってる。パンツはピチッとしたものなんかないから、なが~い布をだし。

やっぱり、トイレ事情にしかり、お風呂事情にしかり、中世感がする…ベルサイユ宮殿だって、庭とかウンコまみれだったらしいし。

「もっと便利にならないかなぁ…はっ!これもしや、知識チートしちゃうやつ?」

名案だと思ったけどだめだ…知識に偏りしかない…専門知識なんてないから上水道システムなんか作れない…

「はぁ…せめて下着位なら…」

「下着がどうなさいました?」

「いや、もう自分で作りたいなって…」

「まぁまぁ!裁縫なさるんですね!宜しいですよ!一式ご準備致します」

「え!良いんですか!?」

「はいもちろんでございます!」

やったーー!さすがリュンデルさん!!!
リュンデルさんはてきぱきと準備に取りかかってくれた




「ナスカ様、これはわたくしの娘のナナリュスカでございます。それと、同じメイドのマチルダでございます」

「宜しくお願いいたします。ナナリュスカでございます。どうぞナナリとお呼びくださいまし」

「マチルダです。宜しくお願いいたします!」

リュンデルさんは、大量の布と、道具を抱え、二人のメイドと共に戻ってきた。
リュンデルさんの娘さんのナナリさん、リュンデルさんとおんなじ緑のきれいな瞳の美人さん。
もう1人のマチルダさんは、茶目茶髪の素朴な感じだけど、笑顔がとっても可愛い癒し系だ。美形揃いで疲れてた(主にフェルトナリウス様で)から、とっても癒し!!

「ナスカです。はじめまして!」

「では、ナスカ様、この二人をどうぞお使い下さいませ。お一人では大変でございましょう?」

「え!良いんですか?」

「はい。わたくしもお手伝いしとうございます」

にこりと微笑むリュンデルさん!女神っ!仏様!

「ナスカ様どのようになさいますか?」

「机に布を広げます!」

ナナリさん、マチルダさんも笑顔で準備に取りかかってくれた。

「ありがとうございます!実は、下着を作りたくて…」

「まぁ!ご自身の下着を縫うのですか?」

「お買い求めなさいませんか?」

みんなびっくりしてる。…作りたいのが下着でごめんなさい

「……………ちょっと形が変わってて…」

リュンデルさんは、私の向こうから着てた下着を見たことがあるから知ってる。小さくて、ピチッとしてたから驚いてた。ここは、ドロワーズみたいにでっかい。ブラもなく、コルセットとかで絞め上げだ。
下着を洗濯してもらってる間は仕方ないからこっちの下着を着てたけど、やっぱり着なれないから辛かった。

「ここを、こう切ります。」

ぽんと、私のパンツを布にあてて大まかに切る。

「そしたら、この2枚の生地を縫い合わせます」

3人とも興味津々。ナナリさんとマチルダさんは、これが、下着なのか!?と驚いてた。

「そう言えばここに、ゴムってありますか?」

私は途中で手を止めて聞いてみた。ゴムが無ければ布だから落ちちゃう…

「ゴム?存じ上げませんね」

「こう、びよんびよんって伸びて…ここで落ちないようにしたいんです」

3人とも首をかしげた

「紐ではいけませんか?」

「あ!紐でも大丈夫です!上で結んで調整します!」

ナナリさんがいくつか紐を見せてくれた

「レース紐も、ございますよ!」

「わあ!素敵!これ、使っても良いんですか?」

「はい」

「じゃあ、これを見えるように…」

ザクザク、とお腹周りに切り込みを入れて、レースを通した

「よし!完成です!」

「これが、下着…」

「は、ハレンチな気配がいたしますぅ…」

マチルダさん、意外と想像力豊かそう

「まだ、試作品ですけどね。とりあえず、おんなじように作ってみますか?ご自分で作ったものを着てみて、感想お願いします!」

「「「はい」」」

それぞれパンツ製作を始めた

「ナスカ様、ナスカ様の最初の当ててたモノ、見学しても宜しいですか?」

「………はいどうぞ」

使い古したパンツを見られる恥ずかしさがあるけど、ナナリさんがあまりにもキラキラした顔で見てくるから、私は握りしめてた己の現代パンツを差し出した。
大丈夫。洗濯してもらってたヤツだし。
顔が赤いのは仕方がない。

「まあ!伸びる素材!こんなの初めてだわ!しかもさわり心地がとても良い!」

「え、ホントですか?ナナリさん、見せて!わぁ!すごい!」

「これなら、少し大きめに作ったほうが良いかしら…」

「あんたは子を産んでからお尻が大きくなったものねぇ」

「お母さん!!」

ナナリさん、マチルダさん、それに、リュンデルさんも楽しそう
よし!私も第2弾で紐パン作っとこ

「私はとりあえず試着してきますね~」

トイレの部屋に行き、布変えるついでに試着。
んー!やっぱりフィット感最高!!!
前で結んだレース可愛い!ふんどしとはおさらばね!!!

「マチルダ、あんたそこ細すぎじゃないかしら?」

「そうですか?紐通すところ作ったからかな…
あれ、ナナリさん、こそ大きすぎじゃないですか?」

「うるさいわね!お尻周り測ったのよ!」

出ていくと、3人はガヤガヤと、だけど、手は高速でパンツ製作してた

恐るべし、メイドスキル。
それぞれが大まかに形を取っていた。

「ナスカ様、どうでございましたか?」

「そうですね、少し改良が必要そうでしたけど、大分近いものができたと思います!リュンデルさん進捗はどうですか?」

「わたくしは基本に忠実に、あらかたは出来そうですよ」

は、速い…

「じゃあ、私も次作ってみます。完成したら、ちゃんと試着してくださいね?」

「………は、はい」

リュンデルさん顔赤い。こんな可愛いママって、ナナリさん幸せだよ!!私はニマニマしながら作業に取り掛かる


それぞれ、順に完成していったようで、着てみてくれた。

「皆さんどうですか?」

「な、なんかスースーしますぅ」

「ぴったりとしていて落ち着かないですね…」

「そうでございますね…」

上から順にマチルダさん、ナナリさん、リュンデルさん。

「……………でも、暑くないです」

「確かにそうね」

ナナリさんとマチルダさんが顔を見合わせた。

「下着は蒸れますからねぇ」

ドロワーズは大きくて、布面積がすごいものね
何枚も重ねて着てたら蒸れるだろうに…

「暑くないのは大変喜ばしいのですが、この締め付けがわたくしは少し…」

リュンデルさんは何とも言えない顔をした。
そりゃそうよね。初めて着たのだもの。

「じゃあ、リュンデルさんは、次は少し足周りにゆとりを持たせて作ってみたら良さそうですね!」

「まあ!その様にしても宜しいのですか?」

「もちろん!下着は私の所では、様々な形がありましたから。とりあえず、今日作ったものは、皆さんで使って見てください。使用感を良ければ教えてください!」

「「「ありがとうございます」」」

みんなそわそわとスカート部分を気にしているが使ってくれるみたい。良かった。

「色んな形の下着をいっぱい作るの楽しそうですね」

「そうでございますね」

「また、何かお作りになる時はお誘い下さいまし!ナスカ様!!」

ナナリさんがぎゅっと手を握ってきた。美人だ…!!

「な、ナナリさん、はい!ぜひ!!」

「ナナリさんズルいです!ナスカ様、私もお願いいたします!」

「マチルダさん…!もちろんです!」

マチルダさんも、ふんふんと鼻息を荒げてる
嬉しい!!

「リュンデルさん、二人を連れてきてくれて、ありがとうございます」

私はマチルダさんに頭を下げた

「ナスカ様!頭をお上げ下さいませ!」

「とっても楽しかったです!だから感謝してるんです。いつもリュンデルさんによくしてもらってますし…」

「ナスカ様……わたくしも、毎日とても楽しくさせて頂いておりますよ」

優しく、そっと手を重ねてくれた。
その後ナナリさん、マチルダさんはまた遊びに来ると言ってくれ、それぞれの仕事に戻って行き、私の紐パンも完成したところで、男子禁制がされてたらしく、解放された途端フェルトナリウス様の部下がまた仕事を持ち込んで来た。

 
「………ナスカ様、頑張って下さいませ」

「ええー…」

リュンデルさんがそっとお茶を出してくれた
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