聞き違えて妙

北河 悠然

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邂逅

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「昌也じゃねえか!どうしたんだよ、今はまだ平日の昼間だぞ?会社は?」

やったぜ、コイツに俺の誠実さを説明してもらおう

「…あ?あぁ良かった。真吾、ここにいたんだなって警察…」

「クスリ?」

しっかりと間をおいて聞いてきた

その顔には疑念しか見受けられない

「ちがうって!ほら!俺こんななりだろ?んで沙耶と山分けしてんのを円光に間違われちまってな、ここにいるんだよ…」

「あー…なるほど。てか口座振込にしろって前も言ったろ。」

溜息をつきながら昌也は言った

「忘れてた…」

「ばーか」

昌也は呆れ顔である

「へぃ…気をつけやす」

対称的に真吾はしょんぼりだ

「そういや会社は?…顔色も悪りぃし。風邪か?」

昌也の顔は全面蒼白で目の下にはクマがびっしりとある

「有休とったんだ…体調悪くてな。」

本当に疲れていて立っているのが限界だったようだ
昌也は隣の椅子に崩れ落ちるように座った

「体調悪りぃのになにほっつき歩いてんだ、休んどけって…めちゃめちゃ疲れてるじゃねえか」

「あ?…あぁ、憑かれてるっちゃそうだな、憑かれてる。あとな、おまえに相談があったから来たんだよ。」

改まった顔して昌也は言う

「相談?…彼女にフラれたのか?」

「お前冷やかしてんだろ、俺に彼女がいないのは2日前に飲みに行った時に承知のはずだぜ?」

「あぁ…すまん、それも忘れてた。ほら、酔ったら記憶飛ぶじゃん?てかさ、何?じゃあストーカーとかか?」

「ストーカー?…うん、まあストーカーっちゃストーカーだな。つけられてるからな…憑けられてもいるが…」

怪訝な表情で言葉を捻り出す昌也

「ほう、ストーカーか…女?それとも男?」

「うーん…女?」

またまた怪訝な表情だ

「女?ってなんだよ。そんな顔面凶器なのか?そりゃ災難だ、寝れなくなるのもわけねぇぜ」

思わず吹き出してしまう真吾

おおといけない、それはストーカーの子に失礼だと思い平静を装う

「顔面凶器というよりはもう兵器だ、顔面兵器。レベルが違う。」

あんまりにも真剣な表情で昌也が答えたのでちょっと戸惑う

「目は細め?それともぱっちり?

他の特徴について尋ねる真吾

「ぱっちりとデカイな、片目だけだが」

片目だけ?

…ハッ!半分メイクってやつか!
てことはYouTuberとかか…?

「お前たぶん勘違いしてるな、いや、絶対勘違いしてる」

ちょっとムッとした表情の昌也

「まあ、待てって。結論は急ぐべきでねぇぞ?」

なんでそんなムッとするんだよ…とにかく、特徴を訊いていってみるとするか

「髪はどうだ?長いの?」

「長いな、めちゃめちゃ長い。背丈くらいはある」

「背丈は?」

「高いな。これもめちゃめちゃ高い」

「お前より?」

「ああ、俺よりも高い」

「そりゃバスケ育ちってやつだな」

「あの高さでそれはない」

「そか…可愛い?」

「可愛かねぇ…それどころか恐怖感じてる」

「それはやべえな、マジでこええ。貞子並みのホラーじゃん」

ホラーマジもんだよ」

「だな、ホラーカテゴリ的なだな」

「てかさ、昌也。それならココにほら、えと…村山さん。警察官がいるじゃねえか。ストーカーならそれ専門の職業の方に頼むべきだよ。俺とは管轄が違うぜ?」

「あの…君さ、これ多分私の専門じゃなくないか?」

警察官の村山さんが俺にそう言う

「え?どうして?」

「だから…お前に相談だって言ったろ。幽霊コレ関係だから」

「うそぉ、そんな感じを匂わせておけってぇ。じゃねぇと分からねぇぞ?」

「「漂わせてたよ!」」

村山さんと昌也がハモって答える

丁度その時だ、窓が震え始めたのだ
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