男爵令嬢の贅沢な悩み

たんぽぽ

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展示会と婚約

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 展示会は自由に作品を選べるよう、区画ごとに様々な品が並んでいました。

「気になる?」
「ええ」
「女性が好きそうなものばかりだ」

 ガラス工房の作品が展示してある、色ガラスを使った様々なアクセサリーが並ぶ区画で足がとまりました。

「君の赤い瞳に合わせて赤い髪留めはどう?」

 ローゼン様のおすすめは微妙に色合いの違う3種類の赤い花びらを組み合わせた小さなバラがいくつもついているバレッタのようです。

「……綺麗ですね」

 すでに入札がされていて、現在の最高額は28リフ。
 パールのイヤリングを購入するために刺繍で稼いだわたくしの総額は25リフ。すでに予算オーバーです。

「今日の記念に」

 そう言ってローゼン様は赤いバレッタに50リフの値をつけ入札してくださいました。

「ま、これで買えるかわからないけど」
「ありがとうございます」

 50リフ、これは可愛いおねだりの値段なのか、今すぐ伯母様に聞きたいです。

「ついでにこれも」

 同じく50リフでローゼン様が入札したのは、青い小鳥のガラス細工。
 それからしばらく展示会場を見て回って、いくつか入札をして楽しんでいたら、あっという間に帰る時間になりました。

「今日はとても楽しかったです」
「僕も面白かった。今日の品がひとつでも手に入るといいんだが、見張っているわけにもいかないし、あとは運に任せよう」
「はい」
「……もし、君が良ければ、成人の儀のエスコートを僕にさせて欲しいと思っている。まあ、つまり、君の方も僕を気に入ってくれたのなら、君の父上に婚約の申し込みに行こう」

 わたくしの噂は今もひっそりと広がっているようで、このままの状態でローゼン様と会うのは余計にこじれるからいっそ婚約者になってしまった方がいいとローゼン様は言いました。

「ゆっくり考えてくれと言いたいが、時間的余裕はないと思った方がいい」
「はい」
「今月中にでも噂の騎士と婚約が結ばれる可能性がある」
「はい?」
「見合いの話が進まないから焦れているらしい」

 もしお父様が婚約の申し込みを受け入れてしまったら、わたくしにはどうすることもできません。

「僕は君と結婚してもいいと思っているが、婚約者がいる女性を略奪するほどの情熱はないぞ……まあ、この話も出処は噂話のひとつだから信憑性は低いが」

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