男爵令嬢の贅沢な悩み

たんぽぽ

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おでかけしよう

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 伯母様本人には親戚枠で扱われているわたくしですが、給金の出ない見習い侍女という形で雇われています。衣食住を世話してもらいながら侍女としての仕事を実地で学んでいるところです。同じく見習いとして遠い親戚の子がすでに働いていたので、その子と同室になりました。

 先輩から伯母様のドレスや宝石類の手入れの仕方を教わったり、お互いの髪を使って流行りの結い方を学んだり毎日楽しく仕事をしていますが、今日と明日は休みなので、本日はローゼン様とお出かけして明日は部屋でのんびり過ごす予定を立てました。

 同室の子が仕事開始前に気合を入れて髪を結って青いリボンを編み込んでくれましたし、伯母様に見立ててもらったドレス一式を身にまとって準備は万端整いました。
 ですがローゼン様の馬車をエントランスで待ってたら侍女頭様にはしたないと怒られてしまったので、反省して自室で待機していたところへ先輩侍女が呼びに来てくれました。

「リリアンジェさん、お迎えがいらしたようですよ」
「ありがとうございます」

 家族でお出かけする際に迎えの馬車を待っている姿は微笑ましいけれど、親戚でもない独身男性とのお出かけをエントランスで待つのは良くないそうです。

「おはようございます、ローゼン様」
「おはよう、リリアンジェ嬢。ドレスも可愛いけどその青いリボンは特に似合っているよ」
「ありがとうございます。同室の子に結ってもらったんです」
「素敵なお友達だね」

 お友達、と言われてハッとしました。
 同じ仕事を教わってる仲間という感覚でしたが、友達という言葉がすんなりと彼女に当てはまります。

「さて、それじゃあ行こうか」
「はい」

 馬車にはローゼン様とわたくし、そして伯母様が手配してくださった付き添いの女性も一緒です。この方はわたくしたちの外出が健全なものであったと証明してくれる大事な証人です。

「手紙にも書いたけど、今日は展示会に行こうと思っている」
「展示されている作品で気に入った物があれば購入できるんですよね? 伯母に聞きました」
「オークション形式だから、実際手に入るかわからないけどね」

 最高額で落札できたら後日連絡が来て、期限までに現金を用意できなかった場合は次の入札者に購入権が移ってしまうそうです。
 
「この地域ならではの催し物だから、行くだけでも楽しめると思う」 
「はい。楽しみです」
「もちろん、欲しいものがあったら遠慮せず言ってくれ。稼ぎはいい方だから」

 赤の騎士団は毎年新人騎士が全員参加するトーナメントの上位25名が配属され、3回戦まで勝ち進んだ騎士は青の騎士団、緑の騎士団はどちらにも所属できなかった新人です。
 給金も騎士団によって差があると聞いたことがあります。 

 伯母様からは、少しくらいおねだりする方が可愛げがあると言われているので、良い物があったらひとつローゼン様にお願いしようと思います。
 
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