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空恋
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恋の始まりはいつも
どちらかの片想いなんだよ、なんて
訳知り顔で語るから
なんだか意地悪な気持ちになって
恋が終わった後にあるのも
どちらかの片想いなのよ、と
訳知り顔で返してみる
あなたはとても驚いた表情で
何度もまばたきをしてから
ふぅん、と意味ありげにうなずいた
やっぱり君は面白いな、なんて
一つ謎が解けたように笑うから
面白くないわよ、なんて答えたら
大きな手が伸びてきて
大丈夫だよって
クシャリと髪をなでるのです
大丈夫、なんて
私のことを知ってるみたいに
簡単に言わないで
意味もなく泣きたくなったけど
君の好きな物は知ってるよって
軽くあなたは笑いながら
僕と一緒だからって付け足した
そんなのちっともわからない
私の何を知っているの?
そんな可愛くない台詞も
何も知らないからいいんだよって
あなたは不意に空を見て
君の好きなもの発見、なんて笑いだす
視線は遠くにあるけど
気持ちがあんまり近いから
空が好きって認めるしかなくて
あなたの視線を追って遠くを見つめた
右にも左にも偏らず
君はいつも真ん中にいるから大丈夫
不意にそんなことを言われて
驚いて見上げたら
視線は空に向けたままだけど
あなたの耳たぶが真っ赤だったから
同じくらい赤く染まった指先で
少しだけ袖をつまんでみる
私の真ん中にもあなたがいるから大丈夫
お互いに何も言えなくなってしまい
同じ沈黙を共有している不思議
私とあなたの前に広がる
どこまでも透き通る青い空
どちらかの片想いなんだよ、なんて
訳知り顔で語るから
なんだか意地悪な気持ちになって
恋が終わった後にあるのも
どちらかの片想いなのよ、と
訳知り顔で返してみる
あなたはとても驚いた表情で
何度もまばたきをしてから
ふぅん、と意味ありげにうなずいた
やっぱり君は面白いな、なんて
一つ謎が解けたように笑うから
面白くないわよ、なんて答えたら
大きな手が伸びてきて
大丈夫だよって
クシャリと髪をなでるのです
大丈夫、なんて
私のことを知ってるみたいに
簡単に言わないで
意味もなく泣きたくなったけど
君の好きな物は知ってるよって
軽くあなたは笑いながら
僕と一緒だからって付け足した
そんなのちっともわからない
私の何を知っているの?
そんな可愛くない台詞も
何も知らないからいいんだよって
あなたは不意に空を見て
君の好きなもの発見、なんて笑いだす
視線は遠くにあるけど
気持ちがあんまり近いから
空が好きって認めるしかなくて
あなたの視線を追って遠くを見つめた
右にも左にも偏らず
君はいつも真ん中にいるから大丈夫
不意にそんなことを言われて
驚いて見上げたら
視線は空に向けたままだけど
あなたの耳たぶが真っ赤だったから
同じくらい赤く染まった指先で
少しだけ袖をつまんでみる
私の真ん中にもあなたがいるから大丈夫
お互いに何も言えなくなってしまい
同じ沈黙を共有している不思議
私とあなたの前に広がる
どこまでも透き通る青い空
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