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温恋
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授業が終わって
あなたは先に教室を出て行った
あいかわらずせっかちで
動きが早いと思いながら
私はのんびり荷物をまとめるの
マイペースって笑われるけど
忘れ物をするよりマシだから
あんなに急いで教室を出たくせに
下駄箱の先にあなたの姿が見えたから
私はちょっと驚いて早足になったけど
声をかける間もなく背中を向けた
目があったのに置いてけぼりだ
ひどい奴だと
今度 会ったら言ってやろう
なんて心に決めて
校門を出ると
貴方はまだそこにいて
私を見ると歩き出す
大きな歩幅を
不自然にゆるめて
いつのまにか私の横に
ついさっきまで
私より先を歩いていたくせに
それがなんだかおかしくて
チラッと視線を向けてみる
貴方は知らん顔を装っても
少しだけ居心地が悪そうに
フイと視線を遠くに飛ばすから
それもなんだかおかしくて
なんにも言わず
私から手をつなぐ
あなたもなんにも言わないで
キュッと手を握るから
それがやっぱりおかしくて
クスクス笑いながら
特別な会話はかわさずに
お互いの体温を分け合うの
この道の先の先
ポプラ並木の角で
いつものように
サヨナラを告げるまで
あなたは先に教室を出て行った
あいかわらずせっかちで
動きが早いと思いながら
私はのんびり荷物をまとめるの
マイペースって笑われるけど
忘れ物をするよりマシだから
あんなに急いで教室を出たくせに
下駄箱の先にあなたの姿が見えたから
私はちょっと驚いて早足になったけど
声をかける間もなく背中を向けた
目があったのに置いてけぼりだ
ひどい奴だと
今度 会ったら言ってやろう
なんて心に決めて
校門を出ると
貴方はまだそこにいて
私を見ると歩き出す
大きな歩幅を
不自然にゆるめて
いつのまにか私の横に
ついさっきまで
私より先を歩いていたくせに
それがなんだかおかしくて
チラッと視線を向けてみる
貴方は知らん顔を装っても
少しだけ居心地が悪そうに
フイと視線を遠くに飛ばすから
それもなんだかおかしくて
なんにも言わず
私から手をつなぐ
あなたもなんにも言わないで
キュッと手を握るから
それがやっぱりおかしくて
クスクス笑いながら
特別な会話はかわさずに
お互いの体温を分け合うの
この道の先の先
ポプラ並木の角で
いつものように
サヨナラを告げるまで
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