21 / 78
第3章 黒い鎧
18. 気配
しおりを挟む
この世界に来て2回目の朝だ。
「おはよう」
隣に眠っていた妻と目が合う。
二人で寝ていると、どちらかが起きると自然に目が覚める事がたまにある。
妻に手を伸ばし、抱き寄せてキスをしようとするが、避けられる。
「歯を磨いてきて!」
そうだね。中年になると、寝起きの口の中の粘着きは深刻だ。
洗面所へ行き、歯を磨く。念入りに。
寝室に戻り、軽くキスをした後、リビングに行く。
今度は避けられなかった! 夫婦円満の生活には、ちゃんとした愛情表現は大切だ。妻が若干、面倒な顔をしていたのは軽くスルーしておく。
手早く着替え、リビングに行くと、リリィとチコが来客用の布団で、まだ寝ていた。
冷蔵庫を開け、麦茶を出す。
その音でリリィが目を覚ます。
「おはようございます。タナカ様」
起き上がってきたが、パジャマが乱れているぞ。
ヘソが見えているし、上着のボタンが空いているので、胸の谷間がバッチリだ。ありがとう。顔にヨダレの跡があるので、色気を全く感じ無いが……
「顔を洗って着替えてきます」
洗面所に向かったリリィと入れ違いに洗面を済ませたひとえが入ってくる。
リリィを見た後、こちらを一瞬睨むが、肩をすくめて何かを諦めた様だ。
「私にも麦茶を頂戴」
コップを出し、ひとえに渡す。
「さて、今日はどうしようか?」
----------
朝食を終えた所で、俺は気になっていた事を確認する。
「そういえば、リリィさん、階段の下から海の方に向かった場合、結界ってどうなっているか知っています?」
階段を降りて右側を戻る感じに進めば、位置的に海に出るはずだ。
ベランダから見える、砂浜にも行けるんじゃないか。
「少しだけ行った事があるのですが、『私有地に付き立ち入り禁止』という立て札があったので、そこから先へは入っていません」
「私有地?」
誰がそんな看板を立てたんだ?
海沿いは誰かの土地で、近くに誰か住んでいるのだろうか。
「いえ、この近くには誰も住んでいないはずです」
後で看板だけでも確認しておこう。
「結界は?」
「私が行った範囲では結界内のようでした。この聖地を中心に階段の下までの距離でぐるっと結界が作れているんじゃ無いかと思ってます」
そうなると、海の相当な距離まで結界が続いているはず。
少なくとも海辺は安全か。
海から魔物がやってきてパクっと喰われたら、洒落にならん。
「海には魔物っているの?」
「はい。海の方が大型の魔物が多いと言われています。ただ、結界内であれば大丈夫です。結界内ですと、魚がいるくらいじゃ無いでしょうか」
そうか。うまくすれば釣りを楽しめるな。
少し落ち着いたら試してみよう。
----------
「それではチコと村に一度戻ります。また夕方くらいにお邪魔させてください」
「あ、俺も下までは行く」
置きっ放しの自転車が気になるし、海にも行ってみたい。
「僕も行く!」
「パパさん、散歩!」
浩太の目的はチコだろうな。
ミントも散歩に行くか。
「あなた、ゴミをお願い」
「ほい」
どうしたって、ゴミは出る。
誰も回収してくれないしな。これどうしよう。
「とりあえず、階段の下に置いておいたら」
「そうだね。そのうち穴を掘るなど、処分を考えよう」
「スライムに食わせたら」
ユイカが良いアイデアを出す。
「それもいいかもな。林の中に投げいれておけば、勝手に処分してくれるかも」
ナイスアイデアかもしれない。
「チコちゃんを表までは見送りましょう」
妻が娘を促す。
玄関から光のカーテンをくぐり、小屋の中へ。
ここの環境も少し改善したいね。
「パパさん、なんか臭う、誰かここに入った?」
ミントが何かの匂いを感じたようだ。
「どういう事だ?」
「前みたいにはっきりとは解らないけど、人の匂いがするよ」
「えっ?」
誰か、この小屋に忍び込んだというのだろうか。
確かに、鍵は無いし、この中に入るまでは誰でも出来る。
「外にまだ誰かいる?」
ミントに確認する。
「この中だと、外の音が全然聞こえないから……」
駄目か。
窓も無いというのは、外の情報が取れないという事だ。
このまま無警戒に外へ出るのはまずい。
「ユイカと浩太は中に入りなさい」
ついでに自分では入れないチコを抱き上げ、部屋の中へ入れる。
「ひとえは、何かあれば、すぐ中に入って」
「解った」
さて、後はドアを開けて、外の状況を確認するしか無いな。
「私が開けます」
リリィが、そっとドアを開ける。
光が外から差し込む。
「とりあえず、大丈夫みたいです。誰もいません」
「よし、油断しないように。ミントも確認をしてみてくれ」
「うん」
ミントを先に出し、誰もいない事を改めて確認してから外に出てみた。
「外に出ちゃうと、匂いが薄くなるので解らないけど、周りには何の気配も無いよ」
「とりあえず大丈夫そうだな」
「ええ、今の所、誰もいませんので」
「夜のうちに誰かが小屋の中に入ったって事かな?」
「夜行性の魔物もいますし、夜はさすがに林の中を抜けるのは難しいと思います」
そうなると、朝方、誰かが来て帰って行ったって事か?
光のカーテン越しではうちまで音も響いて来ないので、小屋へ入る際に誰かに待ち伏せされていたら、危ないな。
鍵を用意するのと合わせて監視カメラか何か、急いで対策を考えるか。
「ミント、知っている人の匂いだった?」
「ううん。多分、知らない人の匂いだと思う」
村の誰かが早朝、様子でも見に来たのだろうか。
「リリィ、村に戻ったら、誰か小屋まで来たかを確認してもらえますか」
「解りました」
「それじゃ、階段は大丈夫だと思いますが、油断しないように下まで行きましょう」
見える範囲での安全は確認したので、浩太とチコを部屋から呼び出し出発した。
----------
初日はきつかった階段にも、少しは慣れたかな。
階段の下まで降り、自転車を端に寄せ、ひとえが出したカバーをかける。
「私有地の看板はどの辺にあるの?」
「この先を少し行った所にあります」
ちょっとだけ行ってみるか。
「リリィ、浩太を見ておいてくれ、ちょっとこの先まで行ってくる。ミント行くぞ」
結界の範囲内という事なので大丈夫だろう。
念のため、ミントを連れて歩き出す。
階段の右手に周り、階段がある稜線に沿って進む。
目の前には海が広がっていて、少し先には砂浜が見える。
これ、最高のロケーションじゃないか。
稜線はこちらからだと、少しずつ右に曲がっており、ちょうど階段の入り口から見えなくなる辺りまで来た所に看板を見つけた。
木製の白木で出来た看板が地面に刺してある。
『
ここより私有地
立ち入り禁止
タナカ
』
うちの私有地かよ!
この先、プライベートビーチ扱いなんだな。
これは田舎に引っ越したおまけなんだろうか。
よし、今度ゆっくり先まで行ってみるか。
看板の先を少し覗いてから、元来た方へ引き返す。
階段の下が見えてくるが、こちらから人影が見えない。
あれ、どこか移動した?
少し足を速め、確認を急ぐ。
近づいても誰の姿も見えないため、最後は駆け足になってしまった。
階段の近くまで来た時にミントが唸り声を上げる。
そして、階段の反対側の影から誰かがゆっくり出てきた。
「おはよう」
隣に眠っていた妻と目が合う。
二人で寝ていると、どちらかが起きると自然に目が覚める事がたまにある。
妻に手を伸ばし、抱き寄せてキスをしようとするが、避けられる。
「歯を磨いてきて!」
そうだね。中年になると、寝起きの口の中の粘着きは深刻だ。
洗面所へ行き、歯を磨く。念入りに。
寝室に戻り、軽くキスをした後、リビングに行く。
今度は避けられなかった! 夫婦円満の生活には、ちゃんとした愛情表現は大切だ。妻が若干、面倒な顔をしていたのは軽くスルーしておく。
手早く着替え、リビングに行くと、リリィとチコが来客用の布団で、まだ寝ていた。
冷蔵庫を開け、麦茶を出す。
その音でリリィが目を覚ます。
「おはようございます。タナカ様」
起き上がってきたが、パジャマが乱れているぞ。
ヘソが見えているし、上着のボタンが空いているので、胸の谷間がバッチリだ。ありがとう。顔にヨダレの跡があるので、色気を全く感じ無いが……
「顔を洗って着替えてきます」
洗面所に向かったリリィと入れ違いに洗面を済ませたひとえが入ってくる。
リリィを見た後、こちらを一瞬睨むが、肩をすくめて何かを諦めた様だ。
「私にも麦茶を頂戴」
コップを出し、ひとえに渡す。
「さて、今日はどうしようか?」
----------
朝食を終えた所で、俺は気になっていた事を確認する。
「そういえば、リリィさん、階段の下から海の方に向かった場合、結界ってどうなっているか知っています?」
階段を降りて右側を戻る感じに進めば、位置的に海に出るはずだ。
ベランダから見える、砂浜にも行けるんじゃないか。
「少しだけ行った事があるのですが、『私有地に付き立ち入り禁止』という立て札があったので、そこから先へは入っていません」
「私有地?」
誰がそんな看板を立てたんだ?
海沿いは誰かの土地で、近くに誰か住んでいるのだろうか。
「いえ、この近くには誰も住んでいないはずです」
後で看板だけでも確認しておこう。
「結界は?」
「私が行った範囲では結界内のようでした。この聖地を中心に階段の下までの距離でぐるっと結界が作れているんじゃ無いかと思ってます」
そうなると、海の相当な距離まで結界が続いているはず。
少なくとも海辺は安全か。
海から魔物がやってきてパクっと喰われたら、洒落にならん。
「海には魔物っているの?」
「はい。海の方が大型の魔物が多いと言われています。ただ、結界内であれば大丈夫です。結界内ですと、魚がいるくらいじゃ無いでしょうか」
そうか。うまくすれば釣りを楽しめるな。
少し落ち着いたら試してみよう。
----------
「それではチコと村に一度戻ります。また夕方くらいにお邪魔させてください」
「あ、俺も下までは行く」
置きっ放しの自転車が気になるし、海にも行ってみたい。
「僕も行く!」
「パパさん、散歩!」
浩太の目的はチコだろうな。
ミントも散歩に行くか。
「あなた、ゴミをお願い」
「ほい」
どうしたって、ゴミは出る。
誰も回収してくれないしな。これどうしよう。
「とりあえず、階段の下に置いておいたら」
「そうだね。そのうち穴を掘るなど、処分を考えよう」
「スライムに食わせたら」
ユイカが良いアイデアを出す。
「それもいいかもな。林の中に投げいれておけば、勝手に処分してくれるかも」
ナイスアイデアかもしれない。
「チコちゃんを表までは見送りましょう」
妻が娘を促す。
玄関から光のカーテンをくぐり、小屋の中へ。
ここの環境も少し改善したいね。
「パパさん、なんか臭う、誰かここに入った?」
ミントが何かの匂いを感じたようだ。
「どういう事だ?」
「前みたいにはっきりとは解らないけど、人の匂いがするよ」
「えっ?」
誰か、この小屋に忍び込んだというのだろうか。
確かに、鍵は無いし、この中に入るまでは誰でも出来る。
「外にまだ誰かいる?」
ミントに確認する。
「この中だと、外の音が全然聞こえないから……」
駄目か。
窓も無いというのは、外の情報が取れないという事だ。
このまま無警戒に外へ出るのはまずい。
「ユイカと浩太は中に入りなさい」
ついでに自分では入れないチコを抱き上げ、部屋の中へ入れる。
「ひとえは、何かあれば、すぐ中に入って」
「解った」
さて、後はドアを開けて、外の状況を確認するしか無いな。
「私が開けます」
リリィが、そっとドアを開ける。
光が外から差し込む。
「とりあえず、大丈夫みたいです。誰もいません」
「よし、油断しないように。ミントも確認をしてみてくれ」
「うん」
ミントを先に出し、誰もいない事を改めて確認してから外に出てみた。
「外に出ちゃうと、匂いが薄くなるので解らないけど、周りには何の気配も無いよ」
「とりあえず大丈夫そうだな」
「ええ、今の所、誰もいませんので」
「夜のうちに誰かが小屋の中に入ったって事かな?」
「夜行性の魔物もいますし、夜はさすがに林の中を抜けるのは難しいと思います」
そうなると、朝方、誰かが来て帰って行ったって事か?
光のカーテン越しではうちまで音も響いて来ないので、小屋へ入る際に誰かに待ち伏せされていたら、危ないな。
鍵を用意するのと合わせて監視カメラか何か、急いで対策を考えるか。
「ミント、知っている人の匂いだった?」
「ううん。多分、知らない人の匂いだと思う」
村の誰かが早朝、様子でも見に来たのだろうか。
「リリィ、村に戻ったら、誰か小屋まで来たかを確認してもらえますか」
「解りました」
「それじゃ、階段は大丈夫だと思いますが、油断しないように下まで行きましょう」
見える範囲での安全は確認したので、浩太とチコを部屋から呼び出し出発した。
----------
初日はきつかった階段にも、少しは慣れたかな。
階段の下まで降り、自転車を端に寄せ、ひとえが出したカバーをかける。
「私有地の看板はどの辺にあるの?」
「この先を少し行った所にあります」
ちょっとだけ行ってみるか。
「リリィ、浩太を見ておいてくれ、ちょっとこの先まで行ってくる。ミント行くぞ」
結界の範囲内という事なので大丈夫だろう。
念のため、ミントを連れて歩き出す。
階段の右手に周り、階段がある稜線に沿って進む。
目の前には海が広がっていて、少し先には砂浜が見える。
これ、最高のロケーションじゃないか。
稜線はこちらからだと、少しずつ右に曲がっており、ちょうど階段の入り口から見えなくなる辺りまで来た所に看板を見つけた。
木製の白木で出来た看板が地面に刺してある。
『
ここより私有地
立ち入り禁止
タナカ
』
うちの私有地かよ!
この先、プライベートビーチ扱いなんだな。
これは田舎に引っ越したおまけなんだろうか。
よし、今度ゆっくり先まで行ってみるか。
看板の先を少し覗いてから、元来た方へ引き返す。
階段の下が見えてくるが、こちらから人影が見えない。
あれ、どこか移動した?
少し足を速め、確認を急ぐ。
近づいても誰の姿も見えないため、最後は駆け足になってしまった。
階段の近くまで来た時にミントが唸り声を上げる。
そして、階段の反対側の影から誰かがゆっくり出てきた。
0
あなたにおすすめの小説
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
追放令嬢のスローライフなカフェ運営 ~なぜか魔王様にプロポーズされて困ってるんですが?~
月城 友麻
ファンタジー
国を追放された悪役令嬢シャーロットの夢は、平穏なスローライフを送ること。彼女は、王都の公衆衛生を陰から支え、毒とされる青カビから秘密裏に特効薬を作っていた過去を捨て、辺境の町で念願のカフェを開店する。
前世の知識を活かした温かい料理は、すぐに町で評判となった。特に、毎日通ってくる無口な常連客は、彼女の作るオムライスを心から愛しているようだった。
しかし、シャーロットを追放した王都では、彼女がいなくなったことで疫病が大流行し、国は滅亡の危機に瀕していた。元婚約者の王子が助けを求めに現れるが、時を同じくして、あの常連客が正体を現す。彼の名は魔王ゼノヴィアス。
「お前の料理は俺の心を癒した。俺の妃になれ」
これは、ただ静かに暮らしたいだけなのに、料理で胃袋を掴んでしまった魔王に求婚され、その重すぎる愛からスローライフを死守しようと奮闘する、元悪役令嬢の物語。
廃城の泣き虫アデリー
今野綾
ファンタジー
領主の娘だったアデリーはある日家族を殺され育った領地から命からがら逃げ出した。辿り着いた先は廃城。ひとり、ふたりと住人が増える中、問題が次々とおこって…
表紙はフリー素材です
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる