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*第2章*
初恋の行方-健Side-(2)
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「いつからだっていいだろ? いつの間にか好きになってるものなんだから」
そういうもんだけど、さ。
和人のことを信じてないわけじゃないけれど、どこか和人の言葉が薄っぺらく聞こえてならない。
「健はさ、未夢のこと好きなんだろ?」
「……っ!?」
「なら、それでいいじゃん。俺と真理恵、お前と未夢がくっつけば、みんなハッピーエンドなんだから、とっととくっついちまえよ」
なにがハッピーエンドだ。
未夢は、和人のことが好きなのに。それを知りもせず、簡単に俺と未夢がくっつけばいいなんて言うなよな。
思わず和人を殴りそうになったけれど、そこはなんとか踏み留まる。
昔、和人が未夢のことを好きだったから、勝手に今もそうなんだと思い込んでただけで、本当に真理恵のことを好きになった可能性もあるのかもしれないと思ったから。
けれど、やっぱり納得しきれない俺は、和人に問う。
「もし、俺と未夢が付き合うことになっても、和人はそれでいいのか?」
「はぁ? またその手の質問かよ。俺に反対する権利もないだろ?」
「まぁ、そうなんだけどさ」
「そのときは、あたたかく見守ってやるよ。未夢のこと、大切にしろよな」
「当たり前だ!」
未夢と付き合えるかなんてわかってもいないのに、売り言葉に買い言葉のように、俺はそう叫んでいた。
実際、もし付き合える未来があるとしたら、何よりも大切にするつもりだし、間違ってはいない。
「話はそれだけ? じゃあ夜も遅いし、帰らせてもらうな」
荷物からして部活帰りに寄ってくれたんだろうし、和人もきっと疲れてるだろう。
どんなにここで和人を引き留めたところで、同じな気がした。
「ああ。お前こそ真理恵のこと、大切にしろよな」
「言われなくても、そのつもりだよ」
何となく引っ掛かるものはあるけれど、和人が真理恵とくっついて、言葉通り二人がハッピーエンドならそれでいいんだと思うようにした。
だから、これ以降未夢のことで和人に問い詰めることはなかった。
和人が真理恵と順調に付き合う様子を見て、俺の押さえ込んでいた気持ちはどんどんあふれでるようになった。
本当だったら、未夢に告白するにしても、もっと段階を踏んでからにしようと思っていた。
けれど、あまりに和人ばっかり見つめて、胸を痛めてばかりの未夢を見ていられなかった。
和人ばっかり見るなよ。少しは俺のことを見ろよ。
そんな気持ちが抑えきれなくなった俺は、半ば強引に未夢と付き合う方へ持ち込んだ。
未夢の傷ついた心に入り込むような形で、なるべく断りにくいような言い方をしてしまった自覚はある。
人によっては、俺は卑怯だって言うかもしれない。
未夢のためとか言いながら、本当は未夢を自分のものにしたかっただけだろって言われたら、俺には否定できないのだから。
そして、今に至る。
俺の隣にいる未夢は、水槽にへばりつくようにして、水中を動き回るイルカを見上げている。
初デートの場所を水族館にしたのは、この前未夢が、昔四人でここに来たときに撮った写真を懐かしそうに見てたからというのはもちろんだ。
けれど、それに加えて多分和人と真理恵が初デートでここを選んだから水族館に行ったときの写真を見ていたというのは、容易に想像ついた。
きっと未夢のことだから、放っておくといつまでもこの水族館=“和人と真理恵が初デートした場所”という位置づけで固定化してしまうと思ったのが、一番の理由だった。
俺は、未夢の中でそうなるのを防ぐために、あえて未夢とのデートの場所をここにした。
未夢にとって、ここは俺との思い出の場所に塗り替えられたら、それ以上のものはない。
「健、もうすぐ外のプールでイルカショーやるって! 行こ行こっ!」
「いいよ。あっ、ちょっと待って」
俺は未夢と繋いでいた手をそっと離すと、自分の羽織っていたジャンパーを脱いで、未夢の肩に被せる。
「外は冷えるだろうから」
「でも、健は?」
「俺は大丈夫だから」
未夢がいれば大丈夫。
未夢がいれば、俺の心は充分すぎるくらいにあたたかいから。
だから、俺のそばにいて。たとえ未夢は俺のことを一番に想ってなくても、それでもいいから。
好きだよ、未夢。
そう思わず心の中で未夢に語りかけずにいられなかった。
そういうもんだけど、さ。
和人のことを信じてないわけじゃないけれど、どこか和人の言葉が薄っぺらく聞こえてならない。
「健はさ、未夢のこと好きなんだろ?」
「……っ!?」
「なら、それでいいじゃん。俺と真理恵、お前と未夢がくっつけば、みんなハッピーエンドなんだから、とっととくっついちまえよ」
なにがハッピーエンドだ。
未夢は、和人のことが好きなのに。それを知りもせず、簡単に俺と未夢がくっつけばいいなんて言うなよな。
思わず和人を殴りそうになったけれど、そこはなんとか踏み留まる。
昔、和人が未夢のことを好きだったから、勝手に今もそうなんだと思い込んでただけで、本当に真理恵のことを好きになった可能性もあるのかもしれないと思ったから。
けれど、やっぱり納得しきれない俺は、和人に問う。
「もし、俺と未夢が付き合うことになっても、和人はそれでいいのか?」
「はぁ? またその手の質問かよ。俺に反対する権利もないだろ?」
「まぁ、そうなんだけどさ」
「そのときは、あたたかく見守ってやるよ。未夢のこと、大切にしろよな」
「当たり前だ!」
未夢と付き合えるかなんてわかってもいないのに、売り言葉に買い言葉のように、俺はそう叫んでいた。
実際、もし付き合える未来があるとしたら、何よりも大切にするつもりだし、間違ってはいない。
「話はそれだけ? じゃあ夜も遅いし、帰らせてもらうな」
荷物からして部活帰りに寄ってくれたんだろうし、和人もきっと疲れてるだろう。
どんなにここで和人を引き留めたところで、同じな気がした。
「ああ。お前こそ真理恵のこと、大切にしろよな」
「言われなくても、そのつもりだよ」
何となく引っ掛かるものはあるけれど、和人が真理恵とくっついて、言葉通り二人がハッピーエンドならそれでいいんだと思うようにした。
だから、これ以降未夢のことで和人に問い詰めることはなかった。
和人が真理恵と順調に付き合う様子を見て、俺の押さえ込んでいた気持ちはどんどんあふれでるようになった。
本当だったら、未夢に告白するにしても、もっと段階を踏んでからにしようと思っていた。
けれど、あまりに和人ばっかり見つめて、胸を痛めてばかりの未夢を見ていられなかった。
和人ばっかり見るなよ。少しは俺のことを見ろよ。
そんな気持ちが抑えきれなくなった俺は、半ば強引に未夢と付き合う方へ持ち込んだ。
未夢の傷ついた心に入り込むような形で、なるべく断りにくいような言い方をしてしまった自覚はある。
人によっては、俺は卑怯だって言うかもしれない。
未夢のためとか言いながら、本当は未夢を自分のものにしたかっただけだろって言われたら、俺には否定できないのだから。
そして、今に至る。
俺の隣にいる未夢は、水槽にへばりつくようにして、水中を動き回るイルカを見上げている。
初デートの場所を水族館にしたのは、この前未夢が、昔四人でここに来たときに撮った写真を懐かしそうに見てたからというのはもちろんだ。
けれど、それに加えて多分和人と真理恵が初デートでここを選んだから水族館に行ったときの写真を見ていたというのは、容易に想像ついた。
きっと未夢のことだから、放っておくといつまでもこの水族館=“和人と真理恵が初デートした場所”という位置づけで固定化してしまうと思ったのが、一番の理由だった。
俺は、未夢の中でそうなるのを防ぐために、あえて未夢とのデートの場所をここにした。
未夢にとって、ここは俺との思い出の場所に塗り替えられたら、それ以上のものはない。
「健、もうすぐ外のプールでイルカショーやるって! 行こ行こっ!」
「いいよ。あっ、ちょっと待って」
俺は未夢と繋いでいた手をそっと離すと、自分の羽織っていたジャンパーを脱いで、未夢の肩に被せる。
「外は冷えるだろうから」
「でも、健は?」
「俺は大丈夫だから」
未夢がいれば大丈夫。
未夢がいれば、俺の心は充分すぎるくらいにあたたかいから。
だから、俺のそばにいて。たとえ未夢は俺のことを一番に想ってなくても、それでもいいから。
好きだよ、未夢。
そう思わず心の中で未夢に語りかけずにいられなかった。
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