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*第3章*
“好き”の方程式(2)
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「未夢はどうするの?」
真理恵は、早々とお会計まで終えてこちらに戻ってくる。
まさか一瞬でプレゼントを決めてしまうと思わなかったから、もちろん私は何も決まっていない。
「私は男物のネックレスにしようかなと思って」
和人とはまた服のセンスは変わるけど、健は結構おしゃれだ。
そして健は、よくTシャツの下にネックレスをつけていることから、何か良い感じのアクセサリーをプレゼントしたいなと考えている。
「おっ! いいね~、未夢の選んだネックレスときたら、健は大喜びするよ」
「そ、そうかな……?」
私は、それほど自分のセンスに自信があるわけではない。
少しでも健の好みに合ったものが選べるように頑張らなきゃ……!
同じフロアにあるメンズ用のアクセサリーのコーナーに行くと、シンプルなものからゴシック調の強い派手なものまで、これもまたたくさんの種類が並んでいた。
「わぁ、どれにしよう……!」
同じモチーフでも、ひとつひとつ少しずつデザインが違うから、本当にどれがいいかわからない。
私が何を基準に選んでいけばいいかすらわからずに固まっていると、隣からあきれたような真理恵の声が聞こえてくる。
「未夢は難しく考えすぎだよ。そうね、健のイメージ的にどんなデザインのものがいいと思う?」
「え、っと。羽をモチーフとしたのがいいかなって思って……」
健は、よく羽とか空とか盛大なイメージのデザインの服を着てることが多い。
だから、そういった服装に合いそうなものが良いかなと思った。
「じゃあ、この辺りね。未夢の予算的にも、ここの棚から選んだらいいんじゃないかしら?」
アクセサリーとは一言で言っても、似たようなデザインでも素材とかの違いなのか、値段にも大きく幅があった。
十字架をモチーフにしたもの、天然石のついたもの、羽をモチーフにしたものといった感じにデザインも豊富だ。
選択肢が多いのはありがたいけれど、私はその数に圧倒されていた。
真理恵はそんな売り場の中から、最も私の予算と希望が近いものが陳列されている棚をピックアップしてくれたんだ。
「そうだね。助かったよ、ありがとう」
私はしばらく棚に並べられたネックレスを吟味したあと、一際目を引いたシルバーのネックレスを手に取った。
少しゴシック調をきかせた、おしゃれなデザインの羽をモチーフとしたネックレスだ。
「それにするの?」
「え!? うん、変かな……?」
「いいんじゃない? インパクトはあるけれど派手すぎるわけじゃないから、どんなファッションにも合いそうな感じだし」
「良かった。じゃあ、これにしようかな」
「ま、そんなに不安に思わなくても、健なら未夢が選んだって言って渡せば、どんなデザインでも喜ぶって!」
「えーっ!?」
さすがにそれはないと思うけどなぁ。
でも、真理恵にもいいと思うって言ってもらえて安心した。
とりあえずプレゼントが決まってホッとした私と真理恵は、百貨店の上階にある喫茶店でパフェを食べてから、百貨店をあとにしたのだった。
家に帰ると、玄関には健のものと思われる靴が並んでいた。
「未夢、帰ったの? お帰り」
「ただいま。健が来てるの?」
「うん、さっきね。もうすぐ未夢も帰ってくると思ったし、部屋に行ってもらったよ。健くん、今日は家でご飯食べて帰ってもらうことにしたから!」
「はーい」
気前のいいお母さんは、昔ほどみんながこの家に入り浸らなくなっても、多目にご飯を作っていることが多い。
それもあって、健や和人や真理恵が来ると、とても嬉しそうな顔をするのだ。
二階の私の部屋に入ると、健はテレビの下に置いてあったテレビゲームを引っ張り出して、昔からみんなでよくやっている対戦ゲームをしていた。
「ただいま」
「お、未夢。お帰り! 買い物行って帰るとは聞いてたけど、結構遅くなったんだな」
「買い物のあとに、真理恵とパフェを食べて帰ってきたの」
健はコントローラーを置いて立ち上がると、こちらに来て、私をぎゅうっと抱きしめた。
「そっか。外も暗くなってきてたから心配してたけど、それなら良かった。楽しかった?」
「うん。ありがとう」
「やっぱり未夢といると落ち着くな。未夢、なんかいい匂いするし」
「え、そ、そう!?」
「っていうか、こんな言い方するとちょっと変態チックに聞こえるか?」
ハハハと笑いながら私から離れて、健は床に座る。
「健は、今日はどうしたの?」
私は健に見つからないように、健のクリスマスプレゼントの入ったカバンをこっそりクローゼットの中に突っ込むと、健の隣に腰を下ろす。
「んー? ただ、未夢に会いたかっただけ」
「う、うん……」
私の肩を抱き寄せて、健は私の肩に頭を預けてくる。
健のブラウン系の髪の毛先が、私の頬にぶつかって少しくすぐったい。
真理恵は、早々とお会計まで終えてこちらに戻ってくる。
まさか一瞬でプレゼントを決めてしまうと思わなかったから、もちろん私は何も決まっていない。
「私は男物のネックレスにしようかなと思って」
和人とはまた服のセンスは変わるけど、健は結構おしゃれだ。
そして健は、よくTシャツの下にネックレスをつけていることから、何か良い感じのアクセサリーをプレゼントしたいなと考えている。
「おっ! いいね~、未夢の選んだネックレスときたら、健は大喜びするよ」
「そ、そうかな……?」
私は、それほど自分のセンスに自信があるわけではない。
少しでも健の好みに合ったものが選べるように頑張らなきゃ……!
同じフロアにあるメンズ用のアクセサリーのコーナーに行くと、シンプルなものからゴシック調の強い派手なものまで、これもまたたくさんの種類が並んでいた。
「わぁ、どれにしよう……!」
同じモチーフでも、ひとつひとつ少しずつデザインが違うから、本当にどれがいいかわからない。
私が何を基準に選んでいけばいいかすらわからずに固まっていると、隣からあきれたような真理恵の声が聞こえてくる。
「未夢は難しく考えすぎだよ。そうね、健のイメージ的にどんなデザインのものがいいと思う?」
「え、っと。羽をモチーフとしたのがいいかなって思って……」
健は、よく羽とか空とか盛大なイメージのデザインの服を着てることが多い。
だから、そういった服装に合いそうなものが良いかなと思った。
「じゃあ、この辺りね。未夢の予算的にも、ここの棚から選んだらいいんじゃないかしら?」
アクセサリーとは一言で言っても、似たようなデザインでも素材とかの違いなのか、値段にも大きく幅があった。
十字架をモチーフにしたもの、天然石のついたもの、羽をモチーフにしたものといった感じにデザインも豊富だ。
選択肢が多いのはありがたいけれど、私はその数に圧倒されていた。
真理恵はそんな売り場の中から、最も私の予算と希望が近いものが陳列されている棚をピックアップしてくれたんだ。
「そうだね。助かったよ、ありがとう」
私はしばらく棚に並べられたネックレスを吟味したあと、一際目を引いたシルバーのネックレスを手に取った。
少しゴシック調をきかせた、おしゃれなデザインの羽をモチーフとしたネックレスだ。
「それにするの?」
「え!? うん、変かな……?」
「いいんじゃない? インパクトはあるけれど派手すぎるわけじゃないから、どんなファッションにも合いそうな感じだし」
「良かった。じゃあ、これにしようかな」
「ま、そんなに不安に思わなくても、健なら未夢が選んだって言って渡せば、どんなデザインでも喜ぶって!」
「えーっ!?」
さすがにそれはないと思うけどなぁ。
でも、真理恵にもいいと思うって言ってもらえて安心した。
とりあえずプレゼントが決まってホッとした私と真理恵は、百貨店の上階にある喫茶店でパフェを食べてから、百貨店をあとにしたのだった。
家に帰ると、玄関には健のものと思われる靴が並んでいた。
「未夢、帰ったの? お帰り」
「ただいま。健が来てるの?」
「うん、さっきね。もうすぐ未夢も帰ってくると思ったし、部屋に行ってもらったよ。健くん、今日は家でご飯食べて帰ってもらうことにしたから!」
「はーい」
気前のいいお母さんは、昔ほどみんながこの家に入り浸らなくなっても、多目にご飯を作っていることが多い。
それもあって、健や和人や真理恵が来ると、とても嬉しそうな顔をするのだ。
二階の私の部屋に入ると、健はテレビの下に置いてあったテレビゲームを引っ張り出して、昔からみんなでよくやっている対戦ゲームをしていた。
「ただいま」
「お、未夢。お帰り! 買い物行って帰るとは聞いてたけど、結構遅くなったんだな」
「買い物のあとに、真理恵とパフェを食べて帰ってきたの」
健はコントローラーを置いて立ち上がると、こちらに来て、私をぎゅうっと抱きしめた。
「そっか。外も暗くなってきてたから心配してたけど、それなら良かった。楽しかった?」
「うん。ありがとう」
「やっぱり未夢といると落ち着くな。未夢、なんかいい匂いするし」
「え、そ、そう!?」
「っていうか、こんな言い方するとちょっと変態チックに聞こえるか?」
ハハハと笑いながら私から離れて、健は床に座る。
「健は、今日はどうしたの?」
私は健に見つからないように、健のクリスマスプレゼントの入ったカバンをこっそりクローゼットの中に突っ込むと、健の隣に腰を下ろす。
「んー? ただ、未夢に会いたかっただけ」
「う、うん……」
私の肩を抱き寄せて、健は私の肩に頭を預けてくる。
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