【完結】誰に抱かれてもあなたへの愛は揺らがない

かじや みの

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恋の舞

橋を渡る ※

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「いや、だめだ」
 抱きしめてくれるものと思っていたあてが外れて、肩をつかまれて引き離された。

「だめだ。そんなことをしたら、もう、・・・」
 眉を寄せて、首を振った。
 苦しそうに顔を歪めて、それでいて、ゆきを見る瞳は熱く、たぎるようだ。
「離したくなくなる。守ってやれなかったおれが・・・お前を・・・慰み者のように、抱けない」
 ゆきは、和馬の腰にまたがって、胸を押し、後ろに倒した。
 畳に背中をつけた和馬が驚いている。
 初めて出会ったあの時と同じ格好だ。

「いいえ、和馬さまは、守ってくださいました。お言葉、嬉しうございます。ゆきが慰み者になるのではありません。・・・私が和馬さまを慰み者にするのです」
「な・・・」
 帯に手をかけて、解きだす。
 自分から脱ぐのは初めてだった。
 跨ったまま、着物を脱ぎ捨てる。

 和馬が唾を飲むのがわかった。

 腰をずらして、和馬の帯に手をかけてほどき、前をあけ、下帯にも手をかける。
 男の着物を脱がすのも、初めてのことである。

 そして、下帯の下から男のものが、あらわになり、勢いよくそそり立った。
 ゆきを蹂躙じゅうりんし、凶器としか思えなかったそれが、和馬のは不思議に愛おしく思えた。

 ゆきが握ると、和馬が息を呑み、腰を浮かした。
 手のひらで、包むように撫でさする。
「ゆき・・・」
 うめくような吐息が漏れる。

 愛おしくて、口を近づけて含んだ。
 先端を舌で転がす。
 いつも、命じられていやいやながらすることが、和馬を喜ばせると思うと嬉しくなる。

 だが、早々に解放する。先走りの汁が漏れてきていた。
 腰を浮かせると、先端を自分に当てがって、こすった。
 腰を沈めて、じわじわと飲み込んでいく。
 快感が波紋のように広がっていくようだった。
 根元までしっかりと飲み込むと、ゆきの口からも吐息が漏れた。
「嬉しい・・・和馬さま・・・」
 控えめだった和馬の無骨な手が、胸に伸びてきて、乳房をつかんだ。
「ゆき・・・どこにもいくな・・・いかないでくれ」
 新たな快感が体を貫き、自然と腰が動いていた。
「あ・・・ああ・・・」
 もっと欲しい。
 交わりを、こんなに気持ちいいと思ったことはなかった。
 満たされる感覚に酔い、体がさらなる快楽を求めている。

 和馬が上半身を起こし、ゆきを抱きしめ、口を吸う。
 腰がぐっと密着して、愛液が漏れ、和馬のものを締め付けた。
 感じたことのない快感に体が震える。
「あっ・・・あっ・・・もっと・・・ください・・・」
 和馬も腰を打ちつけて、精を放った。

 二人で荒い息を弾ませて、お互いをぎゅっと抱きしめた。

「どこにも、やりたくない。ゆき・・・」
「幸せにございます。私も・・・和馬さまと離れたくない」
 和馬は、ゆきを抱き上げて、布団まで運んだ。

 そっと寝かせて、お互いの唇を貪るように求めあった。
 もう止まらない。
 和馬の唇が首筋から胸に降りてきて、乳首を吸われる。
 腰がのけぞり、喘ぐ声に遠慮がなくなって、大胆になる。
 それは、和馬も同じだった。
 一度あふれ出たものは、元には戻らない。
 復活した和馬のものに、貫かれて、とろけるかと思うような快感に、また包まれた。

 何度も、朝まで抱き合った。

 夢ではない。
 体に、しっかりと、愛し合ったことを、和馬の体を、刻み込む。

 忘れない。
 この刻を。
 確かに、愛されたことを。
 体だけではない、心もしっかりと通じ合ったことも。



 まだ眠る和馬を起こさないように、そっとお屋敷を出た。

 早朝だが、朝の早い江戸っ子たちが、もう町を行き交っている。

 ゆきは、永代橋を渡った。

 もう、立ち止まらなかった。
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