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神界からのリクエスト
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「やっほークルス!おはよー!」
「おう、おはよー。おまえは朝から元気だなぁ」
「今日はどうするの?なんか良い依頼あった?」
「あーその件なんだけどなちょっと相談したいことがあるんだ」
「相談?なに?」
「あー!!!わかった!好きな人が出来たんでしょ。そういう事ならこのリナリーさんに話してみなさい」
「ちげーよ」
「なーんだ。違うのか」
そう言うリナリーは少しほっとした表情を見せたような気がした。
「ここじゃ話せねぇからとりあえずベースに行こう」
「ベース?なんだやっぱり仕事の話か」
「なんだじゃねーよ。だから初めからその件だって言ってるじゃねぇか。働かざる者食うべからずだ」
「人界の格言。クルスはわたし似て人界かぶれだねぇ。良い心がけだ。うん、うん」
「どっちがどっちに似てるって?」
一通り寝覚めの掛け合いを行った後二人はベースに向かった。
霊界には人界に憧れを抱くものもいる。もちろんその逆に嫌悪感を抱くもの、興味のないもの考え方は人それぞれだがリナリーとクルスは少なからず人界の人達と触れ合うことによって好意的な感情を抱いている。
そういう感情を抱けるのもリナリーとクルスは人界人にとても近い容姿の霊界人だということもあるだろう。
霊界人の中には人界では物怪、妖怪と呼ばれるような、人界基準で考えると恐ろしい容姿をした霊界人もいる。
霊界人にとっては特段変わった容姿ではないのだが人界に迷い込み忌み嫌われる存在となったもの、また迫害を受けるものなども存在しそのような霊界人を救助し霊界へ連れ帰るのも時空間調律師の仕事のひとつだ。
そのような理由もあり人界に嫌悪感を抱くものもいるわけだ。
ベース到着した二人は隔離されたミーティングルームに入った。
「珈琲でも入れましょうか。お兄さま」
とカップに二人分の珈琲を注ぎながら今朝のネタを持ち出すリナリー。
「はい、どうぞ召し上がれ」
「ありがとう」
「お兄さま」への返しを期待しているのだろう。プレゼントを開ける前の子供のようなわくわくした目でクルスを見つめるリナリーだがここで話に乗っかるとまた話が違う方向に向かうのでクルスは昨日調べた「神界からの依頼」について話し出した。
「まず、これを見てくれ。チャージリクエストに来てた依頼だ」
一瞬不満そうな顔をしたリナリーを見たクルスはやっぱりなと、やれやれという表情を返す。
「ふむふむ、機密依頼。これって誰にも話したらダメなやつ?」
「そうだ。気をつけろよ。それより問題は依頼人の所在地なんだ」
「依頼人所在地は「神界」。まじか。私達も有名になったもんだねぇ」
「この異常さがわかんねーか。普通はだ、神界からの依頼は霊界統括の上級調律師に依頼されるものなんだよ」
「でも依頼人は自由に依頼先を選べるんでしょ?私達が有名だから依頼をくれたのかもよ」
「そんなわけねーだろ。いくら最近、高レベルの依頼をこなしてると言っても神界に名前が知られる程の上級依頼は受けてない。もし、万が一名前が知られていたとしても通常、神界からの依頼は霊界統括経由で行われるのが普通だと思うんだ」
「じゃこのシスって人が嘘をついているのかな」
「それはない。登録情報の虚偽はありえない」
「そっかー。しかもこれ依頼内容詳細は対面にて説明ってなってるよ。これじゃ話を聞くまで受ける受けないの判断がつかないよ」
「いや、機密依頼の時点で話を聞いた後で引き受けないはありえないだろうな」
「神界で依頼人に会ったら必ず受けないといけないってことか。まぁ、いいんじゃない。受ければ」
「たしかに神界からの依頼なんてめちゃくちゃ興味あるけどさ…ひとつ引っかかるんだよな」
「…わたしの能力の事?」
「あぁ。もしおまえの能力を知っての事だとしたら…」
「それを確認するための罠かもしれないって事か」
「それを考えると受けるにはリスクが高い」
「クルスはいつも心配し過ぎなんだよ。わたしなら大丈夫!クルスがついてるもん」
「おまえなぁ」
クルスの内心は不安と少しの期待があった。期待というのはリナリーの過去に関係することかもしれないという事。
リナリーの能力について知っている人間はクルスと他には本人達には確認は取っていないので確定ではないがクルスの両親だ。
クルスはかつて父親の言った「リナリーの騎士になれ」というある種の命令に近い言葉に疑問を持っている。
もちろんリナリーの騎士になることは自分自身の意思であるし誇りもある後悔はしていない。
しかし父親が騎士一族の一人息子のクルスを、たとえ可愛い義娘の為だとしても「騎士につける」などという判断を下すのであろうか。
両親がリナリーの能力を知ったことによりクルスを騎士にすると考えたとしたら全ての辻褄が合うと感じたのだ。
リナリーの能力はそれほどまでに危険な能力なのだ…
神が扱う破壊神技『時空間破壊』
この能力を知った時からリナリーの過去を知る答えは神界にあると考えている。
しかし普通の霊界人には神界の神々に会うことすら難しい。
今回の依頼はリナリーの過去を知るきっかけになるかもしれないそう考えたのだ。
「そうだな。おまえは必ず俺が守る」
「うん!信頼してるよクルス!」
「でも一つだけ約束してくれ」
「時空間破壊は使わないでしょ。わかってるって」
「よし!神界からの依頼。受けてやろうじゃねーか」
「さて、やる事も決まったしわたし一回寮に帰ってアンナさんに遠征許可出してもらってくる」
「なら、俺も一緒に行くよ。神界への遠征許可なんてアンナさんにつっこまれたら、リナリーだけじゃうっかり極秘依頼について話してしまう可能性もなくはないだろ」
「あー、ありえるね」
なぜかドヤ顔のリナリーに思わず苦笑いするクルス。
ベースを出た二人はリナリーの寄宿する、寮へと向かった。
「おう、おはよー。おまえは朝から元気だなぁ」
「今日はどうするの?なんか良い依頼あった?」
「あーその件なんだけどなちょっと相談したいことがあるんだ」
「相談?なに?」
「あー!!!わかった!好きな人が出来たんでしょ。そういう事ならこのリナリーさんに話してみなさい」
「ちげーよ」
「なーんだ。違うのか」
そう言うリナリーは少しほっとした表情を見せたような気がした。
「ここじゃ話せねぇからとりあえずベースに行こう」
「ベース?なんだやっぱり仕事の話か」
「なんだじゃねーよ。だから初めからその件だって言ってるじゃねぇか。働かざる者食うべからずだ」
「人界の格言。クルスはわたし似て人界かぶれだねぇ。良い心がけだ。うん、うん」
「どっちがどっちに似てるって?」
一通り寝覚めの掛け合いを行った後二人はベースに向かった。
霊界には人界に憧れを抱くものもいる。もちろんその逆に嫌悪感を抱くもの、興味のないもの考え方は人それぞれだがリナリーとクルスは少なからず人界の人達と触れ合うことによって好意的な感情を抱いている。
そういう感情を抱けるのもリナリーとクルスは人界人にとても近い容姿の霊界人だということもあるだろう。
霊界人の中には人界では物怪、妖怪と呼ばれるような、人界基準で考えると恐ろしい容姿をした霊界人もいる。
霊界人にとっては特段変わった容姿ではないのだが人界に迷い込み忌み嫌われる存在となったもの、また迫害を受けるものなども存在しそのような霊界人を救助し霊界へ連れ帰るのも時空間調律師の仕事のひとつだ。
そのような理由もあり人界に嫌悪感を抱くものもいるわけだ。
ベース到着した二人は隔離されたミーティングルームに入った。
「珈琲でも入れましょうか。お兄さま」
とカップに二人分の珈琲を注ぎながら今朝のネタを持ち出すリナリー。
「はい、どうぞ召し上がれ」
「ありがとう」
「お兄さま」への返しを期待しているのだろう。プレゼントを開ける前の子供のようなわくわくした目でクルスを見つめるリナリーだがここで話に乗っかるとまた話が違う方向に向かうのでクルスは昨日調べた「神界からの依頼」について話し出した。
「まず、これを見てくれ。チャージリクエストに来てた依頼だ」
一瞬不満そうな顔をしたリナリーを見たクルスはやっぱりなと、やれやれという表情を返す。
「ふむふむ、機密依頼。これって誰にも話したらダメなやつ?」
「そうだ。気をつけろよ。それより問題は依頼人の所在地なんだ」
「依頼人所在地は「神界」。まじか。私達も有名になったもんだねぇ」
「この異常さがわかんねーか。普通はだ、神界からの依頼は霊界統括の上級調律師に依頼されるものなんだよ」
「でも依頼人は自由に依頼先を選べるんでしょ?私達が有名だから依頼をくれたのかもよ」
「そんなわけねーだろ。いくら最近、高レベルの依頼をこなしてると言っても神界に名前が知られる程の上級依頼は受けてない。もし、万が一名前が知られていたとしても通常、神界からの依頼は霊界統括経由で行われるのが普通だと思うんだ」
「じゃこのシスって人が嘘をついているのかな」
「それはない。登録情報の虚偽はありえない」
「そっかー。しかもこれ依頼内容詳細は対面にて説明ってなってるよ。これじゃ話を聞くまで受ける受けないの判断がつかないよ」
「いや、機密依頼の時点で話を聞いた後で引き受けないはありえないだろうな」
「神界で依頼人に会ったら必ず受けないといけないってことか。まぁ、いいんじゃない。受ければ」
「たしかに神界からの依頼なんてめちゃくちゃ興味あるけどさ…ひとつ引っかかるんだよな」
「…わたしの能力の事?」
「あぁ。もしおまえの能力を知っての事だとしたら…」
「それを確認するための罠かもしれないって事か」
「それを考えると受けるにはリスクが高い」
「クルスはいつも心配し過ぎなんだよ。わたしなら大丈夫!クルスがついてるもん」
「おまえなぁ」
クルスの内心は不安と少しの期待があった。期待というのはリナリーの過去に関係することかもしれないという事。
リナリーの能力について知っている人間はクルスと他には本人達には確認は取っていないので確定ではないがクルスの両親だ。
クルスはかつて父親の言った「リナリーの騎士になれ」というある種の命令に近い言葉に疑問を持っている。
もちろんリナリーの騎士になることは自分自身の意思であるし誇りもある後悔はしていない。
しかし父親が騎士一族の一人息子のクルスを、たとえ可愛い義娘の為だとしても「騎士につける」などという判断を下すのであろうか。
両親がリナリーの能力を知ったことによりクルスを騎士にすると考えたとしたら全ての辻褄が合うと感じたのだ。
リナリーの能力はそれほどまでに危険な能力なのだ…
神が扱う破壊神技『時空間破壊』
この能力を知った時からリナリーの過去を知る答えは神界にあると考えている。
しかし普通の霊界人には神界の神々に会うことすら難しい。
今回の依頼はリナリーの過去を知るきっかけになるかもしれないそう考えたのだ。
「そうだな。おまえは必ず俺が守る」
「うん!信頼してるよクルス!」
「でも一つだけ約束してくれ」
「時空間破壊は使わないでしょ。わかってるって」
「よし!神界からの依頼。受けてやろうじゃねーか」
「さて、やる事も決まったしわたし一回寮に帰ってアンナさんに遠征許可出してもらってくる」
「なら、俺も一緒に行くよ。神界への遠征許可なんてアンナさんにつっこまれたら、リナリーだけじゃうっかり極秘依頼について話してしまう可能性もなくはないだろ」
「あー、ありえるね」
なぜかドヤ顔のリナリーに思わず苦笑いするクルス。
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