ノースキャンプの見張り台

こいちろう

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7.ユーレイ屋敷(1)

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 百番地の一番奥にユーレイ屋敷がある。そこは昔、海軍の特別にえらい人が住んでいた大きなお屋敷だ。進駐軍は会議場に使って、夜はパーティーを開いていたんだそうだ。百番地の中では別格に立派な建物だった。
 もう長い間、だれも住んではいないけれど、正門はいつも開いていた。玄関前の広い庭はほとんど昔のままで、いつもきれいに手入れされていた。正面には大きな噴水のあるりっぱな池。まるで西洋のお城だ。水が出なくなって空っぽの池だったけど、車がその周りをグルッと回れるようになっていて、真ん中に大きなソテツが植えられていた。
 百番地の子どもたちにはこのソテツの葉っぱが人気だった。細長い葉っぱでシュリケンをつくったのだ。ユーイチも玄関前には何度も行った。ここには、時々守衛の赤木さんが自転車で回ってくる。たまたま子どもたちを見かけたって何も言わない。
 だけど、そこから奥はまったく別世界だ。
 立入禁止!絶対入ることができない。建物と裏庭の周りの有刺鉄線は特別にがんじょうだ。玄関前と中庭の境は、高くて分厚い鉄格子で仕切られている。なんでこんながんじょうな鉄格子があるんだろう。建物の窓という窓は、すべてベニヤ板でふさがれていた。鉄格子の間から見える中庭の奥なんてうわさ通りに不気味だ。雑草は伸びほうだいだし、うっそうとしたドングリの木が大きく枝を張って、日光だって全然あたっていない。
 ここだけは絶対近寄りたくない場所だ。ユーイチはずっとそう思っていた。だから、裏庭をのぞこうなんて考えたこともない。ましてや、屋敷の中なんて百番地の子どもたちはだれも入ったことがないのだ。ユーイチだけじゃない。みんなここにはユーレイがいると信じている。
 どんなユーレイか?
 だれも知らない。みんながそれぞれ違ったことを言う。想像して勝手なことばかり言うんだ。本当はだれも見たことがないのだ。ここのユーレイはだれにも正体を見せたことがない。姿を見せられないほど、それくらい恐ろしいユーレイなのだ。
 百番地の子どもたちの間には、こんな言い伝えもある。
「大きい広間があって、その部屋はクモの巣だらけなんじゃ。その部屋の奥の方の暗いところに大きい暖炉がある。その暖炉のえんとつから垂れ下がって、真っ赤な火の玉のようなものが二つ、よーく見るとそれがジローリとにらんでるような、でっかい目ん玉じゃ。上の方から太いクモの糸がたれて、その先に首をつった兵隊さんがぶらーりぶらーり、ぶら下がって、その目ん玉が二つ、ビュンと飛び出して・・・。それを見たら、その人は次の日には死ぬことに決まっとるんじゃ」
 そういう話を聞いてから、ユーイチは絶対その屋敷には近づかないことに決めていた。

 ユーイチはある日、ケイコちゃんたちの兄で中学生のジョージに誘われて、そのユーレイ屋敷に行った。ジョージの父親は進駐軍の兵隊で、ケイコちゃんたちとは父親が違う。背が高くて西洋人のような男前だが、悪いことばかりするやつでみんなから嫌われている。ユーイチも母親から、
「絶対に遊んじゃだめ!」
といわれている。だから、ふだんあまり遊ぶことはないのだが、ケイコちゃんたちと仲が良いからかジョージはユーイチにはとてもやさしい。
 ユーイチも、ジョージのことを嫌いではない。みんなから、
「あいつとは遊ばんほうがええぞ」
と言われている。でも、ジョージってそんなに悪い奴じゃない。ユーイチはそう思っている。

 あるとき、
「おい、ユーイチ。あのでかいクスノキの枝に大きなハチの巣を見つけたから、ハチの子を取りに行こうや」と誘われた。
「ハチは刺すからいやだ」と言ったけど、
「ハチの子のミツはすごくあまくてうまいんだぞ!」
というジョージのあまーい言葉に誘われて、つい、ついていった。
 大クスノキの枝の下は、学校の教室よりも広い。だから、暑い時はちょうど良い木陰になる。一番下の枝は少したれ下がっていて、ユーイチの背たけでも、背伸びをすれば葉っぱに手が届く位だった。
 ハチの巣は、手を上げたそのすぐ先っぽの茂みの中にあった。そんなに大きな巣ではなかったが、巣のまわりをたくさんのハチがはいまわっている。
「ええか、今から煙を立ててハチを追い出すから、ユーイチはそのときこの棒で巣をたたき落とせ」
「えっ、ぼくにハチの巣をたたき落とせるわけないじゃないか!」
 そうだ、ユーイチにそんな勇気があるわけないのだ。でもジョージはそういうとすぐに行動した。
 どこで拾ったのか、ポケットからライターと古新聞紙を取り出して、巣に近づいて行った。
「よーし、つけるぞ。用意はええか?」
そう言ってライターをカシャッとこする。ところが火が出ない。
「ありゃっ、もう一回!」
といって、カシャカシャ、カシャカシャ。何度もこすっていた。けれど、ちっとも火は着かなかった。
「ありゃあ、ガス切れか?」
ジョージは頭をかしげた。
 そのうち、人の気配に気づいたハチが数匹、ジョージに向かって飛んできた。
「わあっ!逃げろお」
ジョージのその声で、ユーイチは必死で家まで飛んで帰った。あとは知らない。
 次の日、コウちゃんにそのことを話すと
「ハチは危ないぞ。刺されたら死ぬことがあると、兄ちゃんが言うとった」
と教えてくれた。
 それ以来、ユーイチはハチの巣には近寄らないことにしている。そんなとばっちりにあうことばかりだから、ジョージにはあまり誘われたくなかったのだ。それなのに、今度はあのユーレイ屋敷に付き合わされることになってしまった。


 ジョージはいばったように言う。
「ユーレイ屋敷は宝の山なんじゃ!」
「ぼく、ユーレイ屋敷の中には入りとうないんよ。屋敷の中には大グモが住んでるって言うじゃろ?」
ユーイチは必死に抵抗する。だってあの中に入るなんて、そんなとんでもないことできるもんか!
 こればかりはお断りだ。ユーイチは絶対にいやだったのだ。
「大グモかあ。自分の姿がはずかしい言うて、人に見られんようにかくれて住んどった、気が小さいやつじゃろ。そんなやつが、明るい真っ昼間から人前に出てくるわけなかろうが」
『だから、ぼくはそいつ以上に気が小さいんだって!』
本当にユーレイ屋敷に入るって聞いただけで、ユーイチは体中がブルブルふるえてくるのだ。
「分かった分かった。それならオレ一人が中へ入る。だから、庭の中で待ってろ!あとで屋敷の中の様子をくわしく教えてやるからな」
「そんなこと全然聞きとうはない!」
 それなのに、なぜだっ!
 とうとうついて行くことになってしまったのだ。
「いいか。オレが調べたところ、玄関側には入るすきなんかない。けれどな、このあいだ来たとき、裏門の草むらをくぐったら、板べいのはがれかけた所が一カ所あったんじゃ。オレはそこから中庭を抜けて、暖炉の掃きだし口に行く。そこにもぐって屋敷の中に入るんじゃ。ひょっとしてあやしいやつが来るかもわからん。ユーイチはそこで見張っとれ」
ジョージよりあやしいやつが来るわけがないんだ。でもまあ、中に入るよりはましか。
 百番地は黒い板べいに囲まれた家が多い。特に、ここはひときわ高い立派な黒べいにおおわれている。裏門は背丈より高い雑草だらけで、その閉じた門さえよく見えない。その前に何重にも巻き付けられた鉄条網だ。ジョージは慣れた動きですき間をうまいことかいくぐる。雑草の森をかき分けて進むと、ジョージが言っていたように中庭への抜け道があった。
 中に入ると急に視界が開けた。ユーレイ屋敷の中庭は端から端まで芝生におおわれた広い原っぱだ。
「へえ、こんな広い原っぱだったんだ!」
周りに板べいよりも高いグリーンのネットがあって、広い芝生の庭を囲んでいる。
 監視塔からも玄関前の方はよく見えていた。でも、建物と大きな庭木がじゃまになって、中庭の様子まではよく見えなかった。周りの道路からも、高い板べいに沿ってドングリの木が生い茂っているため、ユーレイ屋敷の中までは全然わからないのだ。外から見えていたのは、長い大きな屋根と、その屋根の上の小さな出窓。その赤い三角屋根の小さなひさしだけが目立っていた。
 芝生の上に、白い球がいくつか転がっている。ピンポン球より少しだけ大きくてとてもかたい。
「ジョージ、この球なんじゃろうか?」
「ああ、それはゴルフちゅうものじゃ。ここはあいつらのゴルフ場じゃ。戦利品として一個くらいもろうておけ」
ユーイチは一個拾ってポケットに入れた。
 ジョージはそんなものには興味がないようだ。屋敷の周りの雑草を払いのけながら、まるでいつも来ているようにさっさと歩いて行く。そして、玄関側との境にある鉄格子の前に出た。そこにはレンガ造りの暖炉のえんとつがある。その横に、むりやりこじ開けられたようにめくれあがった小さな鉄のとびらが口を開けていた。暖炉の灰の掃き出し口だ。子どもなら、やっと腹ばいでくぐれそうな狭い穴だ。
「これじゃ、これ!オレが見つけた秘密の入口じゃ。ここからなら入れる。ユーイチ、一緒に入らんか?」
「いやじゃ、ぜったい入らん!」
「そうかあ、どうしても入らんか。しょうがないのお。じゃあ、オレが中をのぞいてくるから、ここで見張っとれよ。だれか来たら、口笛を吹いて知らせるんじゃ」
そういってジョージは穴をくぐっていった。
 おかげで、ユーイチは一人ぼっちでこのユーレイ屋敷の見張りをする羽目になった。それはそれで怖い。周りは高く伸びた雑草だらけだ。黒べい沿いに茂っているどんぐりの木がうっそうとしていて、まるで密林のように薄暗い。大グモの住み家にはもってこいの場所だ。
 この暖炉の中には大グモの巣があるんだぞ。そこに首をつった兵隊さんがぶら下がっているんだ!
 周りに生きた物の気配は全然ない。静かすぎる。ここにいるだけで怖かった。時折り、建物の中から「カーン、カーン」と、不気味にひびく金属音がする。
 こんな所、なんでついてきたんだ!
 ユーイチは後悔した。ひとりぼっちでのんびりできるような所じゃない。一緒に中に入ったほうが良かったのかもしれない。今からでもジョージを追いかけて穴に入ろうか、それとも今通った中庭を、ひとりで走って外に逃げ出そうか。でも、どっちにしたって怖い。
 結局一歩も動くことができなかった。おまけに、ジョージは言っていた。
「だれか来たら口笛で知らせろ」
 そうだ、ジョージに言うのを忘れていた!ユーイチは口笛が吹けない。
 大変だ!ジョージはどうなったっていいんだ。でも、自分の危険さえ知らせることができないじゃないか!
 草の茂みの下に座り込んで、「ジョージ、たのむ。一人はいやじゃ。早よう出てきてくれえ!」とさけびたくなった。
 痛っ!
 お尻をチクッと刺す物がある。尻を上げてみると、古めかしいキーホルダーだ。小さな夜叉のお面がついている。その夜叉のツノがとがっていて、チクリとお尻をさしたのだ。夜叉のお面は、目がダイヤモンドのようにピカピカ光ってきれいだった。
 キーホルダーに使うくらいだ。これは進駐軍の兵隊さんが持っていたお守りだったんだ。そうにちがいない。怖い顔をした夜叉のお面だけど、きっとだれかのお守りだ。
「ほら、目がピカッと光ったぞ」
 空にかざしてみると、その先に見張り台の屋根がみえる。夜叉の目から、見張り台に向けてピカッと光の筋が走った。
『ぼくのことを見張ってるのかな?見張り台の神様、ぼくはついてきただけなんです。決して悪いことなんかしません。バチなんて当てないでください。どうかユーレイが出ませんように!』
 どれくらいハラハラしながら待っただろう。ジョージがやっと穴からもどってきた。ユーイチはあわててキーホルダーをポケットにしまいこんだ。
 ジョージはススで全身真っ黒になりながら、手に持った紙ぶくろを自慢げに広げて見せた。
「やっぱりここは宝の山じゃった。ほれ見てみい」  
ふくろの中は銅線や、でっかい鉄クギでいっぱいだった。
『そうか、ジョージのねらいはこれだったんだ!』
 学校で土山先生が言っていた。くず鉄が高く売れるといって、空き家から盗んできてはこづかいかせぎをする連中がいることを。
 特に銅線は高く売れるんだそうだ。
「最近、空き家に入ってイタズラをする人がいるようです。いいですか。空き家に勝手に入ることも、そこから物を持ち出すことも犯罪なんです。とても悪いことなんですよ。絶対にやってはいけません。そんな人は警察につかまるんですよ」
土山先生は何度も言っていた。そうか、ジョージのことを言っていたんだ。
「それって、悪いことなんじゃない?見つかったらジョージもぼくも警察につかまるよ」
「バカ言え。ここに住んどったやつらがどんだけ悪いことをしたんか。進駐軍だってその前の海軍だって、みんな悪いことをしたやつらじゃ。そいつらから取り返したんじゃから、これは正義なんじゃ。だから、オレもユーイチも正義の味方なんじゃ」
「それに・・・、売れたカネは母ちゃんに会った時、渡してやるんじゃ」
そうか、ジョージは貧しい母ちゃんを助けてあげるんだ。
『それなら、これは正義なんじゃ』
そう思った。
 あとからトモコちゃんに聞いたら、離れて暮らしている母ちゃんとは全然会っていなかったらしい。トモコちゃんはちょっと困った顔をして、
「今の話は、人に絶対言わんでね。園長さんに知られたら、アイジエンに居られなくなる。お兄ちゃんには私からしっかり注意しておくから。だから、お願い」
悲しそうな顔でそう言っていた。
 ユーイチはこっそり家に帰った。でも、母親にすぐ見つかって、やっぱりさんざん怒られた。服も体もほこりまみれのうえ、鉄条網でひっかき傷だらけだったのだ。そりゃあ怒られるはずだ。でも、工事中の資材置き場で遊んでいたことにして、ユーレイ屋敷にしのび込んだことはいっさい言わなかった。

 その夜、ユーイチは怖い夢を見た。
 ユーレイ屋敷の中だ。ジョージはいない。なぜかユーイチが一人でユーレイ屋敷の中を歩いているのだ。
 真っ暗なのに自分の足もとだけがボーッと明るい。でも、ひとつも迷わずに、まっすぐ屋敷の中を歩いていく。すると、やがて前の方に小さな赤い光が見えてきた。その光にまるで吸いよせられるように真っすぐ歩いていくのだ。そして、どんどんどんどん歩き方が早くなった。
「近づいた!」
そう思ったら、突然周りが昼間のように明るくなって、そうして、そこには暖炉があった。
「うわさの暖炉だ!」
何かがダラリッとぶら下がっていた。
「わっ、兵隊さんの死がいだ!」
そしてその上に真っ赤な目を光らせた大グモが・・・
「おいっ、おまえ動いてるんか?こっち来るなよ、来るなって!」
 アッ!大グモがなんか水みたいなものを飛ばしてきたッ!攻撃してきたぞ。
「ぐしょぐしょに引っかけられてしまった。ああぁ、これで終わりじゃ!ぼくはもう死ぬんかァ」
 目が覚めた。
ふとんがびっしょりぬれていた。
わあ、やってしまったあ!
「五年生にもなって失敗するかねえ!困った子だわ」
母親の顔が夢よりずっとこわかった。
    
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