ジュエリー戦士Shining Guardians

岩下穂乃香

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第40話 戦いの終わり、新生ジュエリー王国誕生

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 ドンケル王国との戦いがついに終わった。愛華たちが地球へと戻ると、心の輝きを奪われて倒れている人は1人もおらず、平和な日常がどこまでも続いているように見える。平和が戻った世界で、プリンセスは愛華たちにジュエリー王国内を案内することを提案した。
「戦士の皆さんが、これから地球の住人として生きていくのか、ジュエリー王国の住人として生きていくのかは、それぞれに任せます。ただ平和が戻った世界で、これから復興していくジュエリー王国を見てもらいたいという気持ちで提案しました」
プリンセスが愛華たちに言う。愛華は
「行ってみたい!」
とプリンセスの提案に笑顔で返す。希実も
「今まで、クォーツに出会ってジュエリー王国の戦士の生まれ変わりだって言われて戦ってきたけど、肝心のジュエリー王国の事少ししか知らなかった。案内してもらえるんだったら、いい機会になると思う」
と言って、賛成する。
「今のところは地球で暮らすつもりだけど、いつかジュエリー王国で暮らす日が来るかもしれない。その時のためにジュエリー王国を見ておきたい」
夢ちゃんも賛成みたいだ。早速、プリンセスに連れられて愛華たちはジュエリー王国へと向かう。前に一度、見たことのあるタブレット端末のような機械から眩しい光が出て、愛華たちはプリンセスと共に吸い込まれた。

 光のトンネルのようなものを抜け、愛華たちはジュエリー王国へと放り出される。愛華はしりもちをつき、
「痛っ!」
と思わず叫ぶ。その様子に希実と夢ちゃんが手を差し伸べてくれる。愛華は
「希実、夢ちゃん、ありがとう」
と言って、2人の手を掴んで立ち上がる。
「さあ、まずはお城の中へどうぞ」
プリンセスの先導で、愛華は希実と夢ちゃんとお城の中へ入る。ドンケル王国との戦いのせいか一部壊れていたが、壁や廊下すべてがダイヤモンドでできたお城は輝きをまとい、愛華たちは思わず見とれる。
「これからジュエリー王国のクイーンとして、再びジュエリー王国を復興させてみせます。そして、いつかお母様のようにダイヤモンドの力を完璧に操れるように練習も頑張りたいと思います」
お城の中で、プリンセスは強く意気込みを語っていた。その後、クイーンは愛華たちを木が育ち始めた場所へと案内する。若木が育っているこの場所は、お城の付近とはまた違う輝きを見せている。
「ここにあるのは何の木なんだろう?」
愛華の呟きにプリンセスは
「これは命の木です」
と答える。
「命の木?」
初めて聞く名前に愛華は聞き返す。プリンセスは、
「命の木はジュエリー王国の人々の命の源です。ダイヤモンドの宝石の実から生まれれば、クイーンの後継者、ルビー・トパーズ・サファイア・アメジストの宝石の実から生まれれば戦士の後継者となります。それ以外の宝石の実から生まれた人々も、宝石の種類ごとに様々な役割を持っています。私もクォーツも、命の木から生まれました。命の木が枯れていた期間に生まれた戦士の後継者である地球生まれのあなたたちは特殊な例ですけど。この木が育てば、きっとまたジュエリー王国は輝き溢れる国になるでしょう」
と、説明する。
「優美さんも、もし再びサファイアの戦士としての運命を背負って生まれてくるなら、この木が育った時になるのかな?」
プリンセスの説明を聞いて、希実が呟く。
「サファイアの戦士として生まれてくるなら、この命の木からである可能性が高いでしょう。サファイアの力を彼女が持って生まれてくるか否かがすべてを決めます」
プリンセスの言葉に希実が納得したように
「そうだよね。私たちもクォーツに出会うまでジュエリー王国の戦士の生まれ変わりだなんて知らなかったんだし、もちろん前世の記憶もないから生まれ変わったとき姿はそっくりでも、その人は優美さんとは違う存在。そう思った方がいいのかな」
と言う。希実の言葉に夢ちゃんが頷きながら、
「そうかもね。でも、私はアメジストの戦士として覚醒してから4人で過ごした日々が辛いこともあったけど、とても大切な思い出だって思える。記憶がなかったとしても、4人で再び会えることを期待したい」
と言う。
「そうだよ。私たちはジュエリー王国の戦士。記憶はなくても、どこかで引き寄せられる気がする」
愛華は明るい声で言うと、希実と夢ちゃんの肩に手をまわした。愛華の笑顔につられるように希実と夢ちゃんも笑顔になる。自然と和んだ雰囲気になったのを愛華は感じた。

 プリンセスに見送られ、愛華たちはジュエリー王国を後にする。地球の人々は1人1人が心の輝きを持っている。それは愛華たちが持つ宝石の輝きと同じくらい光り輝く存在だ。これがもう二度悪い方向へと利用されず、平和な世界が続きますように。愛華たちはそう祈りをささげると、それぞれの家へと帰る。愛華と希実は今度中学2年生。夢ちゃんは中学3年生になる。
「夢をかなえるためにも頑張らないとね」
愛華たちはそれぞれが明るい未来に希望を抱き、笑顔だった。
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