崩壊した世界からの脱出 -ボクたちはセックスしか知らない-

空倉霰

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第五章

過ち

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 ……ビックリした。まるで、銃で撃ち抜かれたように。あまりの出来事に、思わず俺のモノが、急反応してしまう。
「……ボク、知ってるんだよ。気持ちよく、出来る方法」
「え? え?」
 黒は、ベッドを降りて。俺の前で、しゃがみこんだ。……そして黒自ら、俺のズボンのベルトを外していく。
「ちょ、ちょっと待つんだ! どうしてそんな、いきなり」
「……ボクとするの、嫌い?」
「え、いや、そうじゃなくて! 嫌いじゃないけど、その……」
 人が変わったようだった。昨日は、無邪気な子供のようだったのに。今ではこんなに、積極的な。アレ、だろうか。人の意外な一面、ってやつだろうか。
 俺が混乱しているうちに、黒は、俺の下着までもを下ろした。……そして、昨日以上に硬くなったそれが、黒の目の前で露わになってしまう。
「……おっきい、ね」
「や、その。これは……」
 黒が、俺のそれの匂いを嗅いだ。……その際に、小さな鼻がちょんっと当たって。それで俺は、感じてしまう。
 黒の幼くて素敵な顔の前に、硬くそびえ立つ、俺のそれ。俺の脈拍が早くなる度に、それが小刻みに揺れて。黒の顔に、当たっていく。まるで、見せつけるかのように。
「……こう、かな」
 すると黒が、両手で俺のそれを握った。……とても、弱々しい力で。黒の体温が、小さな手のひらを介して、伝わってくる。
 そして黒は、俺が感じたのを悟ったらしく。クスリと笑顔を浮かべて、ゆっくりと手を動かした。……上下に、ゆっくりと。
「くっ……う……」
 暖かい。とても、すべすべで。こそばゆいような、心地よいような。複雑な、快感。ぎこちない手つきなのが、また俺を興奮させていく。
「……ね。こんなの、どうかな」
 ふと、黒が唾液を垂らした。そしてそれが、俺のモノに当たって。冷たい感覚が、俺を包み込んだけれど。……黒が自分の唾液を、手のひらにつけて。それで、俺のを刺激した。
「んっ……! そ、それ……やばい……」
 さっきとは、また違う。ぬるぬるしたのが、潤滑油みたいになってるらしくて。それが俺に、ダイレクトに快感を伝えてくる。
 リズムよく、上下に。的確に動いていく指先が、俺の奥底から引き出そうとしている。早く、出してって言うみたいに。言葉ではなく、動きで伝わってくるのが。どうにも、我慢ならなくて。
 そしてそれと同時に、この黒の、淡い微笑みが。どうしようもなく、恋しかった。今黒は、俺を見ている。俺だけを、見ている……。……? ……、本当に? 本当に、そうなのか?
 黒の目は、確かに俺を見ていた。瞳には、俺が映っていたし。何より、目が合っていた。目が合っている、はずなんだけど。……なぜだろう。黒は、俺を見ていない気がする。もっと俺の、向こう側を見てるような……?
「うっ……出るっ!」
 だがそれはそれとして、俺は出してしまった。自分の疑問に抗うこともせず、ただ快感に身を任せた。
 また黒の顔に、かかっていく。白い肌と、黒いワンピースを。俺のそれが、汚していく。……黒はそれを、受け止めてくれていた。
「……あった、かいね」
「す、すまない……。……でも、とても……うっ!?」
 突然だった。突然黒は、……俺のそれを、咥えた。まだ、出たばかりなのに。どちらかと言えば、まだ出てるのに。
「く、黒っ……! これ、駄目だっ……! やばすぎる……!」
「んっ……んっ……」
 黒の中に、出している。黒の口の中が、膨らんでいくのがわかる。黒が、それを必死に飲んでいて。飲み込んでいく音が、ここまで聞こえてきていた。
「ん……ぷあっ……。……え、へへ」
 そして俺が、ようやく出し終わると。黒は口を離して、俺に向かって口を開けた。……中には、まだ白いのが残っていて。黒は残っているそれを、俺の目の前で、飲み干した。
「っ……!」
 とても、興奮する。なんというか、悪い事をしているという感覚。俗に背徳感というヤツが、俺を襲っていた。
「……きれいに、しなくちゃね」
 すると黒は、もう一度俺のを咥えて。……今度は、俺のモノに残っているのを、舌で舐めとっていく。
 舌の先が、とてもこそばゆくて。それでも確かに、どうしようもないくらい、気持ちよくて。それで、黒が突然、俺のを吸うように刺激して。俺はまた、次のを出そうとしていた。
 黒が、必死に顔を動かしている。喉の奥に、当たっているのがわかる。こつん、こつんと。ぐちょっ、ぐちょっと。黒の奥を、ノックしている。……。
「……く……黒ッ……!」
 俺は思わず、黒の頭を抑え込んだ。というよりは、しがみついたという方が正しいと思う。
 何かにすがっていないと、耐えられなくて。それで、黒の奥に、出したいと思ってる自分も居て。
「いくっ!」
 そうして俺は、また出してしまった。喉の奥に、直接流し込んでいて。脈打つ度に、黒の口の中を犯していって。……黒を、俺で染めたくて。
「ぷはっ! ……はあ、はあ。……いっぱい、出たね」
 黒が咳き込んでいた。それで俺は、申し訳なくなって。謝ろうとしたのだけど。……俺がその言葉を口にする前に、黒が、俺を押し倒した。
「……ね。もっと、しよう? ……もっと、気持ちいいこと、しちゃお?」
 気が付くと、黒がワンピースをめくっていた。それで、俺の腰の上に、座っていて。……黒の下着越しに、俺と、黒のそれが。触れているのが、わかった。
「ボク、のも。こんなに、なっちゃったんだ。……ね、一緒に、気持ちよくなろう? 一緒に、しよう?」
 黒が、言っていた。……首を、少しだけ傾げて。おねだりするように、虚ろな瞳で。
 もう、我慢出来ない。というか、我慢出来るわきゃない。ここで引き下がったら、男じゃないんじゃないか。
 だから俺は、逆に黒を押し倒した。黒が、ベッドで仰向けになって。……それを覆うように、俺は、黒の上になった。
「っ……」
 黒の顔が、赤くなっていた。ちょっとだけ、目を逸らして。……吐息が、途切れ途切れになっていた。
 心臓がバクバクする。これから俺は、黒と繋がるのか。この、小さくて、細い身体に。俺のが、入るのか。
「うっ……。い、いいんだな!? 本当に、いいんだな!?」
 そして俺は、最後に理性を頼りに問いかけた。今なら、まだ引き返せる。今なら、まだ戻れる。……今なら、まだ……。
「……ここまで来て、そんなこと……。言わないで?」
 ――黒が、キスをした。……一瞬だったけど、小さくて、ぷにっとした唇が。俺に、触れた。
 その瞬間、俺の中で何かが切れた。理性か、自我か。どちらにせよ俺は、もう止まれなかった。もう我慢なんて、出来なかった。
「黒ッ!!」
 俺は黒に、キスをした。今度は、一瞬じゃなくて。黒の身体を、抱きしめながら。思い切り、キスをした。
 そしてそのまま、下着を無理矢理脱がせて。そして、手探りで探して。……俺は、黒の中に、”入れた”。
「うあっ……! あっ……!」
「うっ……ぐっ……!」
 ……せまい。とても、きつくて。俺のが黒の中を、押し広げていく。それを感じた瞬間、味わったことのない快感が、俺の全身を襲った。
 思わず俺は、腰砕けになって。黒に、のしかかってしまって。……お互いの息が、かじかんだようになっているのが、わかった。
「……う……動く、ぞっ……!」
 俺は、なんとか腰を動かした。どんな訓練よりも辛くて、きつくて。……必死になって、黒の中を、犯していく。
「あっ……! ひあっ……!!」
 黒が、喘いでいた。俺が動く度に、黒の甘い叫び声が、俺だけに聞こえていた。……このまま、一緒に。このまま、二人だけで……。
 ……。いや、わかっていた。なんとなく。俺は、初めてだったけど。きっと黒は、初めてじゃない。今までにも、何度か経験があるのだろう。
 今でも、ほら。俺はもうとっくに、出てしまいそうなのに。黒はまだ、どこか余裕があるような。……もっと激しいのを、味わったことが、あるような。
 でもそんなの、知らない。知ったことじゃない。そんなの、全部忘れてほしい。忘れさせたい。俺だけを、俺のことだけを、思っていてほしい。全部、全部。俺で、塗り替えてしまいたい。
「黒ッ……! 黒ッ!」
「あっ……!?」
 だから、耐えた。もう、出てしまいそうだったけど。黒をいかせるまで、耐えると決めた。……黒が、俺を求めてくれるまで。必死に、黒を犯し続けた。
「誰にも……渡さないっ……! 誰にも、誰にも!」
「あっ……うあっ……! うっ……! いっ……!」
 抱きしめていた。ずっと、抱きしめて。離さなかった。……少しでも離してしまえば、黒は、すぐに俺の元から去っていってしまいそうだったから。
 黒は、俺を見ていない。黒は、他の誰かを見ている。……そんな、そんなのって。せっかく、会えたのに。せっかく、出会えたのに。
「……シロ……シロ……!」
「ッ……!」
「い……いっちゃう……。シロ……シロっ……!」
 ……。限界だった。俺も、黒も。……俺は最後の力を振り絞って、思い切り、動いて。……そして……。
「――黒ッ! 出すぞ!」
「……シロ……!」
 ……。中で、出した。今までとは比べ物にならない快感が、俺の全身を襲っていて。……それは、思わず息が止まってしまうほどで。
 黒も、いっていた。俺と比べれば小ぶりなそれが、暴れていて。溢れた白いのが、そこらに飛び散っていく。
 そして俺は、もう一度キスをした。お互いに、快楽の逃げ場を探すように。必死に、キスをした。
 ……黒の目が、だんだんと溶けていって。俺も頭が、真っ白になっていって……。ふと、一足先に。黒が、意識を失った。
 俺は眠ってしまった黒を抱きしめながら、しばらく快感に耐え続けていた。そして、ある程度して。ようやく、引き抜けそうになっていくると……。その瞬間に、敗北感が襲ってきて。……気が付くと、俺は。涙を流していた。
 ……勝てなかった。俺は、勝てなかった。黒の、好きな奴に。……俺は、黒の好きな奴に、なれなかった。
 この日、俺は生まれて初めて。部屋の隅で、心の底から、泣いた。どうしようもなく、悔しくて。どうしようもなく、悲しくて。みっともなく声を上げながら、……泣いた。
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