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第十四章
Nightmare
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マスターはそれ以上、多くを言わなかった。ただマスターの胸元から、とても暖かい気持ちなのが伝わってきて。自然とボクも同じ気持ちになっていった。
でもそれも長くは続かなかった。突然、どこからか大きな音がして。建物全体が大きく揺れた。その直後、またあの頭痛が襲ってきた。
「う……!」
「……本当にすまない。君にそんな、辛い思いをさせてしまって」
するとマスターは、ボクを思い切り抱きしめた。それでボクを床に座らせると、頭を撫でる。
「少し出かけてくる。その間、この家の中を見て回るといい。どこを見てもいいが、絶対に外には出ないようにね。守れるかい?」
「……うん。早く、帰ってきてね」
「ああ。約束だ」
そうしてマスターは、ゆっくりと消えていった。ボクは深呼吸をして心を落ち着けながら、もう一度部屋を見渡す。
そうか。マスターはここで過ごしてたんだ。ボクは何気なく、落ちていたオモチャのようなものを拾った。それでクルクルと回してみて、車のオモチャだということがわかって。ボクはそれを床に置き直す。
「……すてきな場所」
この錆びれた風景が、なぜか心地よかった。とても懐かしいような、初めてなような。上手く言えないけど、ここがボクの居場所って感じがした。
どこからか吹く隙間風が、ボクの身体に触れる。それで少し眠くなっちゃって。気が付けばボクは、うたた寝していた。
『ワンッ』
でもすぐに目を覚ました。それは、何かの声がしたからで。目を開けてみると、いつの間にかボクの目の前に、犬が居た。
「わあ……」
絵本で見たことがある。でも犬なんて初めて見た。犬は舌を出しながら、ボクを見つめていて。思わずボクは犬の頭に手を伸ばす。
ふわふわの毛並み。ボクが撫でるたびに、犬は嬉しそうで。ボクのほっぺをペロペロと舐めた。
「あ、あはは。くすぐったいよ」
犬は楽しそうに、ボクにじゃれてくる。その度に犬のもふもふした毛が、鼻にあたって。こそばゆかった。
でも何か変だった。犬は少し、興奮気味みたいで。息を荒くしてた。それでボクは、もしかして病気なのかと思って。犬を見てみた。……その時だった。
「……? 何、これ……」
ボクのスカートの部分に、白い汚れみたいなのがついてた。いつの間に、どこでついたんだろう。そう思っていたけど、すぐに原因はわかった。原因は、この犬だった。
犬はボクの身体に、アレを押し付けていた。それで何度も腰を動かして、ボクに白いのをかけていた。それに気が付いた途端、急にボクは犬が怖くなって。その場を離れようとする。
『ガルルルル……』
犬は低い唸り声を出した。その目はまるで、あの大人たちみたいだった。犬はアレをとても大きくさせて、ボクにのしかかってくる。
ボクは尻餅をついたまま、後ろに下がった。腰が抜けていた。まさかとは思うけど、そんな。もしかしてこの犬は……。ボクを、襲おうとしてる?
「や、やめてよ。どうして、そんな……」
とても興奮してた。もう周りのことなんて見えて無いって感じで。必死にボクの挿れる場所を探してた。
犬はボクの口に舌を入れてきた。生臭い匂いが、鼻にツンときて。すごく嫌だった。
ボクは犬を押しのけて、何とか立ち上がった。でもすぐに、犬はボクのお洋服を噛んで。ボクを転ばせる。だからボクは、犬に背中を見せてしまった。
「い、嫌だ! 嫌だ!!」
ボクはさっきのオモチャを拾って、犬の顔にぶつけた。それで犬がひるんだから、その隙にボクは逃げ出した。
でも家の中には隠れられそうな場所は無かった。どこに居ても、すぐに見つかっちゃう。……だからボクは、マスターとの約束を破って。外に逃げてしまった。
ボクは当てもなく逃げた。瓦礫の海を抜けて、隠れられそうな場所を探した。それで崩れたお家みたいなのを見つけたから、そこでしばらく息を潜めることにした。
「う……」
目の前を何かが通り過ぎた。きっとあれは、馬だと思う。でもすごく目が怖くて、全身の毛が逆立ってた。
気が付いた。辺りには色んな動物が居た。居ないのは人間だけで、動物たちの楽園みたいになってた。
それで、たくさん喧嘩してた。色んな動物たちが暴れ回ってて、好き放題してた。
「……」
歯がカタカタ言ってた。すごく怖くて、動けなかった。でもそれは殴られそうとか、蹴られそうとかそういうことじゃなくて。犯されそうだからだった。
馬が、ライオンを犯してた。犬が、猫を犯してた。なんというかこう、何かが異常で。変だった。まるで、誰でもいいみたいな感じで。
マスターの言うことを聞いておけばよかった。でもあのまま家に居たら、ボクまで襲われてた。今はきっと、ここで隠れてた方が……。
「ぐえッッ!!」
その時だった。突然、後ろから首を掴まれて。地面に押し付けられた。
「ヒヒ、女だ! 女が居るぞ!」
「ああ!? こいつ男じゃねえか! クソッもういい、やっちまえ!!」
誰かが居る。よく見えないけど、きっと人間だ。いきなりスカートをめくられて、破られた。
「こっち顔向けろ! おい! しゃぶれっつってんだよ!!」
何人かの大人だった。すごくボロボロだった。お洋服も、身体も。それで大人は、いきなりボクを犯してきた。
「おい急げって! 気づかれる前に終わらせちまえ!」
吐き気がした。何日もお風呂に入ってない感じがする。ザラザラする手で身体を触られて、舐められてきた。
結局こうなるんだ。大人を信用しようとしても、全部駄目になる。無駄になる。……とても、悔しい。
でもそれも長くは続かなかった。突然、どこからか大きな音がして。建物全体が大きく揺れた。その直後、またあの頭痛が襲ってきた。
「う……!」
「……本当にすまない。君にそんな、辛い思いをさせてしまって」
するとマスターは、ボクを思い切り抱きしめた。それでボクを床に座らせると、頭を撫でる。
「少し出かけてくる。その間、この家の中を見て回るといい。どこを見てもいいが、絶対に外には出ないようにね。守れるかい?」
「……うん。早く、帰ってきてね」
「ああ。約束だ」
そうしてマスターは、ゆっくりと消えていった。ボクは深呼吸をして心を落ち着けながら、もう一度部屋を見渡す。
そうか。マスターはここで過ごしてたんだ。ボクは何気なく、落ちていたオモチャのようなものを拾った。それでクルクルと回してみて、車のオモチャだということがわかって。ボクはそれを床に置き直す。
「……すてきな場所」
この錆びれた風景が、なぜか心地よかった。とても懐かしいような、初めてなような。上手く言えないけど、ここがボクの居場所って感じがした。
どこからか吹く隙間風が、ボクの身体に触れる。それで少し眠くなっちゃって。気が付けばボクは、うたた寝していた。
『ワンッ』
でもすぐに目を覚ました。それは、何かの声がしたからで。目を開けてみると、いつの間にかボクの目の前に、犬が居た。
「わあ……」
絵本で見たことがある。でも犬なんて初めて見た。犬は舌を出しながら、ボクを見つめていて。思わずボクは犬の頭に手を伸ばす。
ふわふわの毛並み。ボクが撫でるたびに、犬は嬉しそうで。ボクのほっぺをペロペロと舐めた。
「あ、あはは。くすぐったいよ」
犬は楽しそうに、ボクにじゃれてくる。その度に犬のもふもふした毛が、鼻にあたって。こそばゆかった。
でも何か変だった。犬は少し、興奮気味みたいで。息を荒くしてた。それでボクは、もしかして病気なのかと思って。犬を見てみた。……その時だった。
「……? 何、これ……」
ボクのスカートの部分に、白い汚れみたいなのがついてた。いつの間に、どこでついたんだろう。そう思っていたけど、すぐに原因はわかった。原因は、この犬だった。
犬はボクの身体に、アレを押し付けていた。それで何度も腰を動かして、ボクに白いのをかけていた。それに気が付いた途端、急にボクは犬が怖くなって。その場を離れようとする。
『ガルルルル……』
犬は低い唸り声を出した。その目はまるで、あの大人たちみたいだった。犬はアレをとても大きくさせて、ボクにのしかかってくる。
ボクは尻餅をついたまま、後ろに下がった。腰が抜けていた。まさかとは思うけど、そんな。もしかしてこの犬は……。ボクを、襲おうとしてる?
「や、やめてよ。どうして、そんな……」
とても興奮してた。もう周りのことなんて見えて無いって感じで。必死にボクの挿れる場所を探してた。
犬はボクの口に舌を入れてきた。生臭い匂いが、鼻にツンときて。すごく嫌だった。
ボクは犬を押しのけて、何とか立ち上がった。でもすぐに、犬はボクのお洋服を噛んで。ボクを転ばせる。だからボクは、犬に背中を見せてしまった。
「い、嫌だ! 嫌だ!!」
ボクはさっきのオモチャを拾って、犬の顔にぶつけた。それで犬がひるんだから、その隙にボクは逃げ出した。
でも家の中には隠れられそうな場所は無かった。どこに居ても、すぐに見つかっちゃう。……だからボクは、マスターとの約束を破って。外に逃げてしまった。
ボクは当てもなく逃げた。瓦礫の海を抜けて、隠れられそうな場所を探した。それで崩れたお家みたいなのを見つけたから、そこでしばらく息を潜めることにした。
「う……」
目の前を何かが通り過ぎた。きっとあれは、馬だと思う。でもすごく目が怖くて、全身の毛が逆立ってた。
気が付いた。辺りには色んな動物が居た。居ないのは人間だけで、動物たちの楽園みたいになってた。
それで、たくさん喧嘩してた。色んな動物たちが暴れ回ってて、好き放題してた。
「……」
歯がカタカタ言ってた。すごく怖くて、動けなかった。でもそれは殴られそうとか、蹴られそうとかそういうことじゃなくて。犯されそうだからだった。
馬が、ライオンを犯してた。犬が、猫を犯してた。なんというかこう、何かが異常で。変だった。まるで、誰でもいいみたいな感じで。
マスターの言うことを聞いておけばよかった。でもあのまま家に居たら、ボクまで襲われてた。今はきっと、ここで隠れてた方が……。
「ぐえッッ!!」
その時だった。突然、後ろから首を掴まれて。地面に押し付けられた。
「ヒヒ、女だ! 女が居るぞ!」
「ああ!? こいつ男じゃねえか! クソッもういい、やっちまえ!!」
誰かが居る。よく見えないけど、きっと人間だ。いきなりスカートをめくられて、破られた。
「こっち顔向けろ! おい! しゃぶれっつってんだよ!!」
何人かの大人だった。すごくボロボロだった。お洋服も、身体も。それで大人は、いきなりボクを犯してきた。
「おい急げって! 気づかれる前に終わらせちまえ!」
吐き気がした。何日もお風呂に入ってない感じがする。ザラザラする手で身体を触られて、舐められてきた。
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