崩壊した世界からの脱出 -ボクたちはセックスしか知らない-

空倉霰

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第十七章

Is not human.

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 その時だった。突然建物の外から、何かの音が聞こえてきた。ボクとメアは自然と息を殺して、壁に背をつく。
『ガシャン、ガシャン。ガッシャ』
 なんだろう。何かの足音にも聞こえるけど、それにしては金属みたいな音がしてる。多分普通の獣とかじゃない。ってことは、もしかして。
「クロ、ここを見て」
 メアが小声で、ボクを呼んだ。メアが指をさした壁には、小さな穴みたいなのが開いていて。ボクたちはそこから外の様子をうかがってみる。
「……何、あれ」
 そこに居たのは、人間みたいな形をした何かだった。でも、違う。あれはなぜか、全身が真っ黒で。マネキンみたいな感じだ。
「偵察用のロボットね。多分私達がここに居ると踏んで、投入したんだわ。実戦配備はもっと後だと思ってたけど……」
「ロボット……」
 マスターに聞いたことがある。ずっと昔の戦争では、それが使われていたって。でも今じゃ問題が多すぎたから、使ってないみたいだけど。
「なんか、怖い」
 そのロボットは、人間でいう顔に当たる部分に、大きな赤い瞳が一つだけついてる。それ以外はまるで、陶磁器で出来ているみたいに、表面がつるつるしてて。少し不気味だった。
「勝てない相手じゃないけど、あいつは強さより情報収集能力の方が高い。下手に動かず、じっとしてましょ。見つかったら連絡されるわ」
「……うん」
 ボクたちは穴から離れて、また座り込む。ロボットの足音が聞こえる中、ボクは少しだけ考え事をすることにした。
 どうして、メアはボクに固執するんだろう。最初は確か、外に出るため……だったと思うけど。でも最近は少し違うような気がする。まあそれは、もう外に居るからかもしれない。
「あれ……?」
 ふと、ボクは思い出した。それは確か、メアがレジスタンスの所に攻めてきた時のこと。あの時確かメアは、アラネアとアグネスの二人に腕を切られていた。
 でも今のメアには、腕がある。両腕ともちゃんと、人間の手がついているように見える。
「メア、その腕って……」
『ドギャアァァアンッッッ!!!!!』
「うわあ!?」
 その時だった。ロボットが突然、壁を突き破って腕を入れてきた。ロボットはボクたちを捕まえようとして、腕を動かしている。
「チッ、クソが!」
 メアは近くにあった鉄パイプを握って、ロボットの腕を叩く。でも当然壊せるはずがなくて、ただ虚しい金属音が響くだけで。それで怒ったメアが、むしろ逆に腕を掴んで、ロボットを家の中に引きずり込んだ。
「今よ、走って!」
 ロボットが体勢を崩しているうちに、ボクたちは家を脱出する。でも家を出てみると、そこには既に他のロボットがいっぱい居て。ボクたちを取り囲んでた。
「う、メア、止まっちゃ駄目!」
 ボクは両腕を目の前に伸ばして、何体かのロボットに的を絞った。そして思い切り力を籠めて……爆発させる。
「行って、早く!」
 ロボットの部品が、宙を舞う。メアがその間を縫って、走り抜けて。一足先にロボットたちの包囲網から抜けた。
 ボクはそれに続くために、前に居るロボットを必要な分だけ壊していく。人間とは違って血は出ないから、少しだけ気が楽だ。
「クロ、急いで! シロが危ないわ!」
「シロ……!」
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