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「ようこそユート。今日からここが君の家だよ」
成吾のペットとなったユートは、手を繋いだ成吾に連れられて、都心の超高層タワーマンションの最上階の、たった一つの部屋に招き入れられた。
「お、おじゃまします……」
恐る恐る中に入る。すぐに電子錠が自動で鍵をかけ、おかえりなさいませと滑らかに喋った。
「すごい……僕、こんなすごいおうち、初めて来ました……」
中は個人の部屋とは思えないほど広かった。高い天井に向けて観葉植物がのびのびと育ち、窓の外には、宝石が散らばったみたいな夜景が広がっている。同じ高さには何もなくてまるでこの部屋が空に浮かんでいるよう。
「良いところだろ。ペントハウスっていうんだよ。静かで解放感があって気に入ってる」
元は成吾の父親が住んでいた部屋で、再婚を機に一人息子の成吾が譲り受けたそうだ。つい最近住み始めたばかりで、白で統一された家具は父親の趣味。
他にも色々と説明を受けたが、ユートの頭の中は、この真っ白い部屋を汚さないようにしなければということだけだった。
「さあ奥に進んで」
成吾に背を押され、ユートは念のためにもう一度確認した。もしこれで全て自分の勘違いだったらいたたまれない。
「あの……本当にお世話になってもいいんですか? 今晩だけじゃなくて、ずっと……何日も……」
成吾が眉を上げる。
「さっきからしつこいな。最初からそう言ってるだろ。期限なんかない。これからは俺がユートの面倒を見てやる」
「あっ、ありがとうございます! 僕、精一杯頑張ります!」
これでもう野宿しなくていいしご飯も三食食べられる。ユートはお世話になりますと成吾に深々と頭を下げた。それはほんの数秒だった。
「さあユート。これでお前はもう逃げられないよ……」
次にユートが見上げた成吾は、それまでの穏やかな雰囲気をどこかに消し去っていた──
「ようこそユート。今日からここが君の家だよ」
成吾のペットとなったユートは、手を繋いだ成吾に連れられて、都心の超高層タワーマンションの最上階の、たった一つの部屋に招き入れられた。
「お、おじゃまします……」
恐る恐る中に入る。すぐに電子錠が自動で鍵をかけ、おかえりなさいませと滑らかに喋った。
「すごい……僕、こんなすごいおうち、初めて来ました……」
中は個人の部屋とは思えないほど広かった。高い天井に向けて観葉植物がのびのびと育ち、窓の外には、宝石が散らばったみたいな夜景が広がっている。同じ高さには何もなくてまるでこの部屋が空に浮かんでいるよう。
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「あっ、ありがとうございます! 僕、精一杯頑張ります!」
これでもう野宿しなくていいしご飯も三食食べられる。ユートはお世話になりますと成吾に深々と頭を下げた。それはほんの数秒だった。
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