塔の上の番つがい~天性の苛められっ子がエリート外科医に拾われて。タワーマンションの最上階で溺愛され支配されていく~

nuka

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「すごいな。泣いて苦しんでるくせに、後ろはしっかりと棒を咥えこんで、全然抜けない。ユートの身体は男に弄ばれるためにあるみたい。……いや。きっと神様がわざとそういうふうに作ったんだね。それならすべて納得がいくよ」

 神様。その言葉は、気が遠くなりかけていたユートの耳にも入った。

(どうして成吾さんが知っているんだろう。神様が僕を生んでくれたって──)

 生まれたときから両親がいないユートは、自分を生んだのは神様だと、そう信じている。

 なぜ成吾がそれを知っているのか不思議に思ったが、喋ればさらに機嫌を損ねると思うと聞けない。

「フェロモンで男達を誘い込んで……貧弱な身体や頭が悪いことを見せつけて嗜虐心を強めているんだ。誰にでも容易に捕まったほうが、効率よく主人からの庇護を受け取れるからな」

 ユートはわけのわからないまま首を横に振った。

 確かに自分は非力で、意思が弱くて、何をしてものろまだ。

 でも凶暴な人に支配されたいなんて思ったことはない。他人から暴力を振るわれたり奴隷のように命令されるのは、当たり前に辛い。

「そうか。じゃあ面倒だけどユートにも分かるように、やさしく簡単に説明してあげる」

 しっかり聞けよ。深呼吸して成吾が話し始める。喉の奥から響いていた唸り声が消えていた。

「この世界には男と女に加えて、特別な存在だけが持つ第2、第3の性があるんだ。それは希少かつ無数の組み合わせが存在していて、俺とユートは唯一無二の運命の番だ。俺はこの世でたった一人、ユートを探し求めてきた。ユートに群がる男は大勢いるが、俺以外は本能をコントロールできずにいつかユートを殺す。今まで運が良かったね。これからは俺がユートを守るよ。だからユートはこれまで他の男にしてきた以上に、俺に奉仕しろ」

「分かりました」その途端、成吾のデコピンが飛んできた。

「あう」

「嘘言え。ユートにも分かるように、なんて言ったけど、いきなり第2,第3性なんて教えられても理解できる奴なんていないよ。俺は医学を学んだけど、今も自分の性をもて余している」

 成吾は自嘲して、ベッドサイドにあった瓶から真っ黒な錠剤を2,3手のひらに出し、勢いよく飲み下した。その後はユートがいくら呼んでも、振り向いてくれない。無性に不安になってきて、その背中に抱きついた。

「あの……たしかに僕は理解できてないかもしれません。でも僕の支配される性というのが、僕が成吾さんの傍にいられる理由なら、心から信じます」

「ユートは本当に健気だね……」

「だって」

 うつむいている成吾の腕の中に無理やり割って入る。

「こんな僕ですけど、これからずっと成吾さんと…………ああああっ!!??」

「なっ、どうした!?」

 ユートの悲鳴に驚いた成吾と、「黙っていなければいけなかった!!」と、口を手で覆っているユートの目が合った。成吾があっけにとられている。それからふぅっと息をついた。

「……もう喋っていいよ。お仕置きはおわりだ」

「そうですか、良かった……」

 ほっとして、成吾の膝に崩れ落ちたユートを支える成吾は、眉を下げて笑っていた。

「辛かっただろ。よく最後まで耐えたね」

 成吾はユートの頭を優しく撫で、「もうこれでユートの過去は忘れるよ」と約束した。それでユートの痛みと悲しみは、涙と一緒に全部どこかへ流れ去ってしまった。
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