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狂気は時に人を救う
15.崩壊
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23:35
報告から20分が経った
亜久里は全員の聴取を終え、各参加者の行動から推理していた
双子の妹と最上は報告があるまで同室にいて、双子の姉は詩音の部屋にいた
さらに、杉沢はカフェルームで原稿を書いていて、それを豊代が確認している よって、1階に行ってない
詩音も直前まで双子の姉といてちゃんと死亡の報告をしてるし薄いな…
残ったのは2名、豊代と遠藤だ
2人は長い時間、黒木と一緒に行動していた
つまり、殺せるタイミングや仕掛けをすることを図れるのも2人だけ、、
黒木は泡を吐いて死んでいる、、これについて医学に知識がある豊代に聞きたいところだが、容疑者としてあがっている豊代に聞くことは阻まれる
「ちっ とりあえず現場の状況と2人の部屋に何かあるか調査してからだな」
その2つの調査に関しては既に他メンバーが行っていた
遠藤と豊代はカフェルーム内に隔離し、そこから出られないよう小波姉妹がカフェルームの入口にたっている
亜久里が食堂の一角で思考していると最上と三鷹が1つのコップを持ってきた
「なんだそれは」
三鷹が答える
「おそらく、黒木さんが亡くなる直前まで飲んでいたものですわ」
中身は飲み干されており、なにか入っているわけでもないのだが、
「コップの底に何か白いものがついていませんか」
亜久里がコップの底を目を凝らしてみると確かに、なにか白い粉が固まったようなものがこびりついている
「砂糖か何かじゃないのか」
亜久里が当然の疑問をぶつけると違和感を感じている最上が応える
「砂糖なら紅茶かコーヒーを飲むと思うんですよ でも、それらを飲んだ後の色がないんです」
コーヒーや紅茶を飲んだ後のコップには茶色い液体が通った跡やそこの色が薄茶色に変色するものだ
だがそれがない
また、他の飲み物に砂糖を入れるイメージと湧かないことからこの白い粉は砂糖ではないという推測だ
「なるほどな…」
亜久里はこの白い粉の跡に既視感がある
この粉…どっかで…
亜久里が会議前のカフェルームでの詩音の発言を思い出す
"「亜久里さん その白い跡 真部さんの部屋でも見ませんでしたか」"
「……!そうか…!」
亜久里は食堂を出て駆け出した
「え、ちょ、亜久里さん!!?」
最上の止める声も聞かずに階段を上る
そのまま3階の8号室の目の前まで行き、立ち止まる
確か…死んだ奴らの鍵はその部屋のドアノブに刺さって、、
「ない!!?」
刺さっているはずの鍵がなかった
開いている可能性を考えてドアを開こうとドアノブを下におろして引いて見るが開かなかった
「まさか…誰かが部屋の鍵を持って隠れたか」
亜久里はすぐに遠藤と豊代を疑った
その2人はカフェルームに隔離しているためすぐに階段を下りて2階に向かおうとする
しかし、階段を下りる前に自分を追ってきた最上と遭遇する
「亜久里さん…!どうしたんですか」
「悪いな…気になることがある、まずは2人の話を聞きたい」
「な、なるほど…僕も着いていきます!」
一方、2人が向かおうとしているカフェルームの前で豊代と遠藤の見張りをしている小波姉妹には静かに冷たい空気が流れていた
いつも元気な千雛は何故か怪訝な目をして黙っており、千鶴は気まずそうに視線をおろしている
千鶴は死体発見の報告前、詩音の部屋で詩音と会話していた際、涙が止まってしまうほどの驚愕を受けた詩音の表情を思い出す
詩音は不敵な笑みだった
千鶴はそれに驚き、恐ろしげに聞いた
「なんて顔をしているの…」
「あなたのお父さんだって…か」
直前に自身が言ったこんなゲームで人が死ぬことは「仕方ないこと」だという発言に対しての返答としてきた
「あなたのお父さんだって」
という千鶴の言葉を繰り返す
「私 お父さんのこと嫌いだったの」
「え、、」
「私の家ね 元々4人家族だったの」
自分語りをし始めた詩音に失礼がないようと千鶴が黙る
「私と両親と妹で当時はまだ、お父さん失明してなかったの」
詩音の笑みは変わらない
「私、妹よりも優秀じゃなかったから妹の方に両親がはやしちゃって、私はほっとかれてたの」
詩音の中に情景が思い出される
自分の目の前で妹とじゃれている母親の姿があった
「あら~琴音は絵が上手ね~」
「でしょ!あたし!ママとパパかくのがんばったの!!」
まだ小学2年生の妹 琴音 は絵を描くだけで親に持てはやされる
一方、小学5年生の詩音はテストで良い点を取ろうが賞を取ろうが、大会で1位になろうが褒められた試しは無い
隆明は仕事の都合で出張することが多く、ほとんど家にいない
お父さんは日本1周を何回してるんだろう…
私が小学生になってからまだ2、3回しか顔みてないな…
すると、家の受話器が元気に鳴った
母親は詩音に無言で命令するように妹から顔が見えない角度で睨む
「電話に出ろ」と言わんばかりだ
詩音は抵抗すれば何をされるか分からないという恐怖から立ち上がって受話器をとる
「もしもし 塩崎です」
『おぉその声は詩音か』
父親の声だった
詩音の声は張りあがった
「お父さん!どうしたの!」
『実はな次の出張まで3日休みがあるんだ 1回そっちに戻ろうと思うんだが、、』
「うん!待ってるね!」
『元気そうでよかった 明日の10時にそっちに着く飛行機に乗って帰るからな』
「はーい!!」
翌日、父親は帰ってきた
詩音はたくさん甘えようと考えていた
母親は妹に構ってばかりだったため幼気心で抱っこをせがんでやろうと
家族全員で空港にて父親を迎えた
琴音は縋るように父親に向かって走った
「パパーー!」
父親の足にその小さな体で抱きつくと父親は琴音を軽々と抱き上げた
「琴音~ 久しぶりだな!小学生になったんだって?」
「うん!あたしも!もうおねえさん!!」
誇らしげに言う妹に旦那に優しく「おかえりなさい」と頬にキスをする母親
私とやらなきゃ…!
と強く意気込んで恥ずかしがりながら口を開いた
「えっと、、お父さん、、」
詩音が手を大きく広げた
「私もぎゅーってして?」
お母さんは構ってくれないし、お父さんなら私を甘やかしてくれる…!
だが、返ってきたのは期待しない一言だった
「詩音はもう立派なお姉ちゃんだから我慢しなさい」
え……?
その時の父親の表情に母親のような冷たいものは感じなかった
おそらく、本当に心の底から詩音は妹がいるからそんなに甘やかさなくてもいいだろうと思っていたのだろう
それは分かっていた
だが、彼女はそんなことそっちのけに思った
私って存在してていいのかな?
誰にも好かれないし、見てくれないし、褒めてくれないし、甘やかしてくれないし、認めてくれないし、慰めてくれないし、我慢させられるし、称えてくれないし、もてはやしてくれないし、話聞いてくれないし、意味もなく叱ってくるし、怒鳴られるし!!
アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもう!!!
幼女の心が崩壊する
家族なんて死ねばいいのに…!
お母さんも!お父さんも!琴音も!!
全員死ね!!
これを聞いた千鶴の涙で潤んでいたはずの目は恐怖と驚愕に翻弄された目に変わった
そんな千鶴を置いて、詩音は語りを続ける
その怪しげな笑みを含ませたまま
「でもね 最高な事件があったの お父さんが帰ってきた次の日、そう今から5年前の…」
「……!」
心当たりのある千鶴はさらに目を見開く
「千鶴ちゃんも知ってるでしょ?」
「う、うん」
身震いしながら頷く
「その事件についての千鶴ちゃんが皆さんに隠してる秘密 私知ってるんだ」
「え、」
思わず声が漏れた
「その秘密を皆さんに知られたくなかったら今から私がお願いすることを聴いてね」
「お願いって…?」
詩音が立ち上がり、千鶴の耳元に口をおく
「私は"ーーーーーーーーーー"」
「……!」
千鶴はその真実に引いて一旦、頭を詩音の口から離す
「まだお願いをしてないよ?」
また、恐る恐る耳を貸す
「"ーーーーーーーーーー"して」
「そ、そんなの!無理!!」
と椅子を倒して立ち上がると詩音は千鶴の口を手で塞いだ
何か言いたそうな千鶴の発言を止めさせて詩音は千鶴の核心を突く
「お願いね 林道さんっ」
そう言い残して詩音は部屋を出た
残された千鶴は自分の顔を両手で覆って誰も見ていない中、表情を隠した
そして、現在
千鶴は隣に妹がいる状態で詩音との話をぶり返してしまった
千雛には言っても大丈夫かな…
いつもはヘラヘラとした妹で世話が焼けると思っているが、2人の中に確かにある絆が千鶴の口を開かせる
「あの千ひn…」
「おい双子」
それを背丈の高い女が遮った
「ふぇっ!」
亜久里と最上がカフェルーム前に到着していた
「なんだそのアホみたいな声」
亜久里がそういうのと同時に千雛が「ミナミーン!!」と横にいる最上を抱き倒す
「あ、アホみたいな声とは失礼です!!」
「ま、そんなことはどーでもいい 中に入らせろ 用事だ」
「はーい」
と返事すると亜久里がカフェルームのドアを引いて容疑者2人がいる部屋に入った
しかし、豊代しかいない
「は?」
「おっと、何か御用ですか」
「おい医者!あのじじぃどこだ」
「お手洗いですけど」
亜久里が見張りの2人に視線を移す
「お前ら…」
「いや!えっと!あの!確かに遠藤さんはトイレに行きましたけど!まだ出ていないですし!トイレなんて目の前ですよ!」
「だとしても警戒して然るべきなんだよ!」
カフェルームの目の前にある便所の男子トイレに乗り込もうとするが自分が女性であることを思い出したかのように入る前に止まる
「おい最上!!」
押し倒されている最上が千雛を押しのけて「はい!」と返事して立ち上がる
「こん中調べろ!」
「は、はい!!」
最上はドア男子トイレに入ると手洗い場と小便器が1列に並んでおり、その向かい側に大便器用の部屋が並ぶ
パッと見て遠藤はいなかったため、最上は大便器の部屋を奥から1つずつ開けては閉めてを繰り返す
すると1番、出入口の手前にある大便器の部屋に彼はいた
「え、、」
だが、最上は何も言わず放心する
「どうした!なんかあったか!」
亜久里が手洗いの外から声を上げる
「いえ、遠藤さんが、、」
最上の目の前の光景はまさかのものだった
「遠藤さんが気を失って倒れています」
「は!?」
報告から20分が経った
亜久里は全員の聴取を終え、各参加者の行動から推理していた
双子の妹と最上は報告があるまで同室にいて、双子の姉は詩音の部屋にいた
さらに、杉沢はカフェルームで原稿を書いていて、それを豊代が確認している よって、1階に行ってない
詩音も直前まで双子の姉といてちゃんと死亡の報告をしてるし薄いな…
残ったのは2名、豊代と遠藤だ
2人は長い時間、黒木と一緒に行動していた
つまり、殺せるタイミングや仕掛けをすることを図れるのも2人だけ、、
黒木は泡を吐いて死んでいる、、これについて医学に知識がある豊代に聞きたいところだが、容疑者としてあがっている豊代に聞くことは阻まれる
「ちっ とりあえず現場の状況と2人の部屋に何かあるか調査してからだな」
その2つの調査に関しては既に他メンバーが行っていた
遠藤と豊代はカフェルーム内に隔離し、そこから出られないよう小波姉妹がカフェルームの入口にたっている
亜久里が食堂の一角で思考していると最上と三鷹が1つのコップを持ってきた
「なんだそれは」
三鷹が答える
「おそらく、黒木さんが亡くなる直前まで飲んでいたものですわ」
中身は飲み干されており、なにか入っているわけでもないのだが、
「コップの底に何か白いものがついていませんか」
亜久里がコップの底を目を凝らしてみると確かに、なにか白い粉が固まったようなものがこびりついている
「砂糖か何かじゃないのか」
亜久里が当然の疑問をぶつけると違和感を感じている最上が応える
「砂糖なら紅茶かコーヒーを飲むと思うんですよ でも、それらを飲んだ後の色がないんです」
コーヒーや紅茶を飲んだ後のコップには茶色い液体が通った跡やそこの色が薄茶色に変色するものだ
だがそれがない
また、他の飲み物に砂糖を入れるイメージと湧かないことからこの白い粉は砂糖ではないという推測だ
「なるほどな…」
亜久里はこの白い粉の跡に既視感がある
この粉…どっかで…
亜久里が会議前のカフェルームでの詩音の発言を思い出す
"「亜久里さん その白い跡 真部さんの部屋でも見ませんでしたか」"
「……!そうか…!」
亜久里は食堂を出て駆け出した
「え、ちょ、亜久里さん!!?」
最上の止める声も聞かずに階段を上る
そのまま3階の8号室の目の前まで行き、立ち止まる
確か…死んだ奴らの鍵はその部屋のドアノブに刺さって、、
「ない!!?」
刺さっているはずの鍵がなかった
開いている可能性を考えてドアを開こうとドアノブを下におろして引いて見るが開かなかった
「まさか…誰かが部屋の鍵を持って隠れたか」
亜久里はすぐに遠藤と豊代を疑った
その2人はカフェルームに隔離しているためすぐに階段を下りて2階に向かおうとする
しかし、階段を下りる前に自分を追ってきた最上と遭遇する
「亜久里さん…!どうしたんですか」
「悪いな…気になることがある、まずは2人の話を聞きたい」
「な、なるほど…僕も着いていきます!」
一方、2人が向かおうとしているカフェルームの前で豊代と遠藤の見張りをしている小波姉妹には静かに冷たい空気が流れていた
いつも元気な千雛は何故か怪訝な目をして黙っており、千鶴は気まずそうに視線をおろしている
千鶴は死体発見の報告前、詩音の部屋で詩音と会話していた際、涙が止まってしまうほどの驚愕を受けた詩音の表情を思い出す
詩音は不敵な笑みだった
千鶴はそれに驚き、恐ろしげに聞いた
「なんて顔をしているの…」
「あなたのお父さんだって…か」
直前に自身が言ったこんなゲームで人が死ぬことは「仕方ないこと」だという発言に対しての返答としてきた
「あなたのお父さんだって」
という千鶴の言葉を繰り返す
「私 お父さんのこと嫌いだったの」
「え、、」
「私の家ね 元々4人家族だったの」
自分語りをし始めた詩音に失礼がないようと千鶴が黙る
「私と両親と妹で当時はまだ、お父さん失明してなかったの」
詩音の笑みは変わらない
「私、妹よりも優秀じゃなかったから妹の方に両親がはやしちゃって、私はほっとかれてたの」
詩音の中に情景が思い出される
自分の目の前で妹とじゃれている母親の姿があった
「あら~琴音は絵が上手ね~」
「でしょ!あたし!ママとパパかくのがんばったの!!」
まだ小学2年生の妹 琴音 は絵を描くだけで親に持てはやされる
一方、小学5年生の詩音はテストで良い点を取ろうが賞を取ろうが、大会で1位になろうが褒められた試しは無い
隆明は仕事の都合で出張することが多く、ほとんど家にいない
お父さんは日本1周を何回してるんだろう…
私が小学生になってからまだ2、3回しか顔みてないな…
すると、家の受話器が元気に鳴った
母親は詩音に無言で命令するように妹から顔が見えない角度で睨む
「電話に出ろ」と言わんばかりだ
詩音は抵抗すれば何をされるか分からないという恐怖から立ち上がって受話器をとる
「もしもし 塩崎です」
『おぉその声は詩音か』
父親の声だった
詩音の声は張りあがった
「お父さん!どうしたの!」
『実はな次の出張まで3日休みがあるんだ 1回そっちに戻ろうと思うんだが、、』
「うん!待ってるね!」
『元気そうでよかった 明日の10時にそっちに着く飛行機に乗って帰るからな』
「はーい!!」
翌日、父親は帰ってきた
詩音はたくさん甘えようと考えていた
母親は妹に構ってばかりだったため幼気心で抱っこをせがんでやろうと
家族全員で空港にて父親を迎えた
琴音は縋るように父親に向かって走った
「パパーー!」
父親の足にその小さな体で抱きつくと父親は琴音を軽々と抱き上げた
「琴音~ 久しぶりだな!小学生になったんだって?」
「うん!あたしも!もうおねえさん!!」
誇らしげに言う妹に旦那に優しく「おかえりなさい」と頬にキスをする母親
私とやらなきゃ…!
と強く意気込んで恥ずかしがりながら口を開いた
「えっと、、お父さん、、」
詩音が手を大きく広げた
「私もぎゅーってして?」
お母さんは構ってくれないし、お父さんなら私を甘やかしてくれる…!
だが、返ってきたのは期待しない一言だった
「詩音はもう立派なお姉ちゃんだから我慢しなさい」
え……?
その時の父親の表情に母親のような冷たいものは感じなかった
おそらく、本当に心の底から詩音は妹がいるからそんなに甘やかさなくてもいいだろうと思っていたのだろう
それは分かっていた
だが、彼女はそんなことそっちのけに思った
私って存在してていいのかな?
誰にも好かれないし、見てくれないし、褒めてくれないし、甘やかしてくれないし、認めてくれないし、慰めてくれないし、我慢させられるし、称えてくれないし、もてはやしてくれないし、話聞いてくれないし、意味もなく叱ってくるし、怒鳴られるし!!
アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーもう!!!
幼女の心が崩壊する
家族なんて死ねばいいのに…!
お母さんも!お父さんも!琴音も!!
全員死ね!!
これを聞いた千鶴の涙で潤んでいたはずの目は恐怖と驚愕に翻弄された目に変わった
そんな千鶴を置いて、詩音は語りを続ける
その怪しげな笑みを含ませたまま
「でもね 最高な事件があったの お父さんが帰ってきた次の日、そう今から5年前の…」
「……!」
心当たりのある千鶴はさらに目を見開く
「千鶴ちゃんも知ってるでしょ?」
「う、うん」
身震いしながら頷く
「その事件についての千鶴ちゃんが皆さんに隠してる秘密 私知ってるんだ」
「え、」
思わず声が漏れた
「その秘密を皆さんに知られたくなかったら今から私がお願いすることを聴いてね」
「お願いって…?」
詩音が立ち上がり、千鶴の耳元に口をおく
「私は"ーーーーーーーーーー"」
「……!」
千鶴はその真実に引いて一旦、頭を詩音の口から離す
「まだお願いをしてないよ?」
また、恐る恐る耳を貸す
「"ーーーーーーーーーー"して」
「そ、そんなの!無理!!」
と椅子を倒して立ち上がると詩音は千鶴の口を手で塞いだ
何か言いたそうな千鶴の発言を止めさせて詩音は千鶴の核心を突く
「お願いね 林道さんっ」
そう言い残して詩音は部屋を出た
残された千鶴は自分の顔を両手で覆って誰も見ていない中、表情を隠した
そして、現在
千鶴は隣に妹がいる状態で詩音との話をぶり返してしまった
千雛には言っても大丈夫かな…
いつもはヘラヘラとした妹で世話が焼けると思っているが、2人の中に確かにある絆が千鶴の口を開かせる
「あの千ひn…」
「おい双子」
それを背丈の高い女が遮った
「ふぇっ!」
亜久里と最上がカフェルーム前に到着していた
「なんだそのアホみたいな声」
亜久里がそういうのと同時に千雛が「ミナミーン!!」と横にいる最上を抱き倒す
「あ、アホみたいな声とは失礼です!!」
「ま、そんなことはどーでもいい 中に入らせろ 用事だ」
「はーい」
と返事すると亜久里がカフェルームのドアを引いて容疑者2人がいる部屋に入った
しかし、豊代しかいない
「は?」
「おっと、何か御用ですか」
「おい医者!あのじじぃどこだ」
「お手洗いですけど」
亜久里が見張りの2人に視線を移す
「お前ら…」
「いや!えっと!あの!確かに遠藤さんはトイレに行きましたけど!まだ出ていないですし!トイレなんて目の前ですよ!」
「だとしても警戒して然るべきなんだよ!」
カフェルームの目の前にある便所の男子トイレに乗り込もうとするが自分が女性であることを思い出したかのように入る前に止まる
「おい最上!!」
押し倒されている最上が千雛を押しのけて「はい!」と返事して立ち上がる
「こん中調べろ!」
「は、はい!!」
最上はドア男子トイレに入ると手洗い場と小便器が1列に並んでおり、その向かい側に大便器用の部屋が並ぶ
パッと見て遠藤はいなかったため、最上は大便器の部屋を奥から1つずつ開けては閉めてを繰り返す
すると1番、出入口の手前にある大便器の部屋に彼はいた
「え、、」
だが、最上は何も言わず放心する
「どうした!なんかあったか!」
亜久里が手洗いの外から声を上げる
「いえ、遠藤さんが、、」
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