Infinity night

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双生の真実は末路を呼ぶ

21.娘

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8:05

「柿崎 茜 これが私の真名」

亜久里は明確な意味を持ってこう言う

「は?誰だよ」

それはそう

「あら、に忘れられるなんてね  まぁ、見た目も違うし仕方がないことかしら」

杉沢、もとい、柿崎はその黒髪を右手で撫でながら階段を上る

「いやいや待て待て待て」

その柿崎の肩を掴む

「意味わかんねぇこと起きすぎなんだ説明しろ」

短時間での殺人、死者2名、全裸の死体、処刑人オオカミの正体、杉沢の変化

亜久里の脳内はギリギリ正常を保っている状態にあり、これ以上の不明な情報を貰えば恐らくパンクする
その前に1つは整理しておきたい

「今はそんなことをしてる暇はないと思うんだけど」

柿崎の意見は亜久里をはっとさせた

「そうだな」

冷静になった亜久里は柿崎と3階に戻るため階段上り始めた


一方、死体の調査をしていた三鷹があることに気づく

最上の唇に少し紅いシミのようなものが見えた
三鷹がそれをティッシュで拭き取った

ティッシュに少し色が滲んだ紅色の跡がついた

「口紅…」

裸の男女の唇に口紅…

三鷹の脳内はそれがなんのことか一瞬、分からなかった
それは彼女がそういう教育を受けたのが遅かったからなのだろう
日本人は中学生になるとこういった知識は自然に着いていくものだと思うが、彼女はその思春期に路地裏で盗んだ物を食べていた時期であり、そういう考えに至るのに少々、時間がかかるのだ

しかし、彼女が三鷹家に拾われたのは後継者が生まれてこなかったことである
よって、後継を残すための知識は彼女が家族の一員となってからすぐに教えられていた
よって、時間はかかれど一般人が考え出すものと同じ結論に至る

「え、、、ヤッてたってこと…」

三鷹は首を振ってその考えが浮かばなかったことにしようとしたが、やはり不可能だった
一旦冷静になって千鶴の死体の唇を見た

「え、口紅塗ってない…」

しかし、千鶴の唇には紅い口紅は塗られているように見えなかった
そういう行為はしていなかったのだろうと勝手に頭の中で決めつけた
そして、同時に違う疑問が浮かんだ

「じゃあなんで最上くんの方に口紅が…?」

そう呟くと部屋に亜久里と柿崎が入ってきた

「これって営みの後なのかしら」

柿崎が三鷹の肩から覗き込むように死体を見て言った

「ぎゃー!!」

突然した声に驚いて身を後ろに下げた

「だ、誰!!」

壁に背をつけて腕を組む亜久里が応える

「杉沢だ」

「え!ど、どこが!!」

柿崎がごきげんようと言わんばかりにゆっくり手を振る

「この遺体、かなり新しい」

三鷹の疑問をほったらかしにして遺体について意見を申し始める

「首に着いた切り傷から流れている血がまだ少し液体っぽいわ」

「そんなことは分かっている 2人はさっき、遠藤の死体を見つけるときまで生きていた」

「なるほど、、となると30分前から報告までの間に2人とも殺られてしまったのね」

「そういうことだ で、今1番、怪しいのがお前なんだよ杉沢」

杉沢と呼ばれるのに違和感か嫌悪を感じたのか怪訝な目で亜久里を見た

「私は柿崎 杉沢はもういない同然なの そう呼んでくれないかしら」

「へいへい」

面倒くさそうに頷く

「確かに 私が報告があってすぐここに来なかったのはかなり怪しいけど、図書ルームにいたことはそこの三鷹さんが証明してくれるはず」

三鷹が図書ルームを出るとすれ違いに柿崎、いや、その時は杉沢が図書ルームに入ったことをみているはず

三鷹は激しく首を縦に振った
声が出るほど状況の整理ができていないのだろう

「そりゃいつの話だ」

「遠藤さんが亡くなったことを聞いた後、少ししてからだから、、40分くらいかしら」

妥当な数字と言ったところだ

三鷹お嬢様と私は報告の寸前20分は一緒に部屋にいた」

まだ唖然としている三鷹の頭を小突く

「こいつが私について色々聞いてきたからな」

三鷹は小突かれた部位を抑えながらも唖然はなくなった

報告が8時で三鷹が図書ルームを出たのが杉沢が入るのと同じタイミングなことを考えると7時40分、それから20分間、自身と一緒にいたことを考えると三鷹に最もアリバイがあると言える

次にアリバイがあるのは亜久里だ
最もアリバイのある三鷹と長時間いたことが根拠となる

その次点に柿崎だ
図書ルームに入ったところを三鷹が視認している上に、報告後、亜久里が図書ルーム方向から柿崎が現れたことを確認している

現状、怪しいのは詩音と千雛だが、千雛は報告してるため、殺人の可能性は少々、薄まる

三鷹お嬢様 そういや双子の妹と詩音はどこいった」

「詩音さんが呆然としてた千雛さんを連れて行って目を覚ませてくるって」

「じゃあどっちかの部屋にいるんだな 呼んでくる」

亜久里が部屋を出ると三鷹も便乗するように部屋を出る

「私、お手洗い行ってくるわ」

そう言って走って階段へ向かい、降りた


亜久里は千雛の部屋である3号室をノックする

「おーい推理がしたい出てこい」

中からの返答はなかった

詩音の部屋にいるのか…

と思い、詩音の部屋である10号室の戸を叩く

「何をしている とっとと出てこい」

またしても返答はなかった
ドアノブを回してみたが、鍵がかかっており中を確認することはできなかった

どこいったんだ…
なんか話すなら食堂かカフェルームか

亜久里は食堂へ向かうため階段から1階まで降りた

食堂に入る

中央にある大机には誰も座っていなかったが、念の為、調査しようと思い、食堂内を1周する

特に違和感もなかったが、亜久里の経験が勘として働く

絶対になんかあんだろ…

腰を曲げて視線を下に移して机の下を見回した
すると、そこに何か平たいものが乱雑に置かれていた

亜久里はそれを手を伸ばしたり、机の中に体をのめりこませたりして全て引きずり取った

「服…」

男もののズボン、上着、下着がそれぞれ1着
女ものの制服のワンセット、下着があった

この服にこの制服…死んだ2人のやつだな…でもなんでこんなとこに…確かに死体の近くにはなかったが、セックスしてるとこを襲われたとするのはもう野暮だな
殺されてから脱がされて…ベッドに置かれたと考えるべきだな…
だとして、脱がせる必要性って…

亜久里が腰を下ろして推理している
背後に何が輝いた

「……!」

その輝きに気づいた亜久里は体制をさらに下に落とす
頭の上で空気が切り裂かれる鋭い音が聞こえた

刃物か…!しかも結構、長ぇな…日本刀か…

その判断で手が切れることを想定し、背負い投げの選択肢を排除、両手を前に着いてから飛び上がるように脚を伸ばした

両足が襲った者の顎を捕らえる
相手が怯んでいる間に素早く後ろを向き
踏み込んで退がる

「お顔を拝見させてもらおって…」

まぁそんなチョロくないかw

かなり深めのフードの着いたグローブで顔を隠している

「殺そうとする順番 ミスってんじゃねぇよ」

かなりの煽り口調である

見たところグローブは日本刀ではなく、両刃ノコギリを右手に握っていた

距離詰めれれば殺せる…さっきの蹴り上げをまともに喰らう時点で私より格下でしょ

ノコギリを大きく構えてこちらに走ってくる
しかし、その大振りは亜久里に触れることはなく、本人は跳んで相手の背後をとり、片腕で相手の首をロックする
そして、館に来る前から仕込んでいた懐の刃物を相手の首に突き立てようとした瞬間だった

「ママはもうひとをきずつけちゃだめだよ?」

……!

愛しの娘の言葉がそれを拒んだ

その隙と少し緩んだ腕の力からグローブは拘束を解いて抜け出した

「しまっ…!」

両刃ノコギリが亜久里の眼前に迫る
そのまさに刹那、、彼女の脳に娘が蘇る


「ママってわるいひとなの?」

仮の娘から一言が私に突き刺さった

10年前の当時、私は裏社会の人間として法律で裁かれない愚者たちに絶命という粛清をしていた
特に、幼児、児童に関して市島連合は敏感に反応して子供の命を狙うもの、子供の生活を脅かすものを排除してきた

そんな殺人鬼の私に みう は悪い人なのかもしれないと勘づいてきたのだ

私はこういう時の誤魔化し方を知らない
仲介人や一時的に拾った子供たちを育んでいる親衛班の奴らは慣れているのだろうから子供の面倒を見るのは苦手だった

そう戸惑っている私の後ろからある男が みう に話しかけた

「みゆちゃーん ママは悪い人を懲らしめるかっこいい人なんだよ~」

それは親衛班の副班長 基山 麗奈きやま れなで保護した子供からとても懐かれている感じのいい女だ

「そうなの!!」

みう が麗奈に嬉しそうな声で返す

「うん!ママは みゆちゃん を守るためにいっぱいがんばってるんだよー!」

彼女の子供への対応の慣れは本当に助かる

「ママはね~強いんだよ?悪い人をえいっ!やー!って倒してくれるの!」

麗奈が空に拳を着いたり、蹴ったりして分かりやすく みう に伝えた

「ふーん…」

そこで少し不満げそうにしている みゆ を私は見逃さなかった

「どうした?」

私が首を傾げて聞いてみると みゆ は下を見て話した

「ママがひときずつけるのはやだ…」

その一言に私と麗奈は固まった
私の頭には今まで殺してきた人たちの顔がたて続けに浮かんできた

刺殺、銃殺、爆殺、毒殺、惨殺

覚えているに決まっている
私は殺して後悔しなかったことはない
そいつらにも家族はあったし、無くしたくない思い出があったことを私は知っているから
でも、その殺した奴らが社会に蔓延っているのも腑に落ちない

法で裁かれない奴らは刃物でく他ない

でも、それが みゆ にとって苦痛なんだな


みゆ を預かってから5年が経ったある日、

「お母さん!!助けて!!」

みゆ が連合の仲介人である片桐と特攻班の林道に人質に盗られた

娘の解放の条件として片桐が提案してきたのはまさかのものだった

「総長の座を盗る」

連合のリーダーである市島(師匠)の地位をもぎ取りたいようだった
そのためにも、まずはリーダーを慕う者たちを一斉に排除したいらしい
密閉された空間にリーダーの信者を集合させ、そこに毒物を撒くことで一斉に殺す

これが以前、片桐が豊代に話していたである
亜久里のむすめである みゆ を人質にすることによって亜久里に指示に従うよう支配し、連合の副長である亜久里の権限で市島を慕う者達を集める
そこに豊代の作った毒物を撒いて一斉に殺す
そういう正義の欠片もない方法

集合させる方法、それは私という連合の副長の権限でその密閉空間にメンバーを集めさせるのだ

「そんなことやれるか!」

反対した
仲間たちを殺せと言っているようなものだ
そんなものは許されない
師匠の掲げる信念に反している

「やれないなら娘を殺すまでだ」

気絶させられた みゆ に向けられた銃口、それは自分に向けられるよりも恐ろしかった

人を傷つけることを躊躇うことのできる優しい子を私は失いたくなかった
だから、だから私は仲間たちの死を選んだ

いつも集会を行う空間に仲間たちを呼び込んでそこに片桐によって科学班が作った毒物が撒かれる

私はその始終を連合基地内に設置している防犯カメラの映像からリアルタイムで見ていた

一緒に戦ってきた何十人という仲間たちが手をクビで抑えてもがき苦しんでいた
血反吐を床に吐き散らし、皮が爛れ、ひとつ、またひとつと死を迎える

地獄絵図だった
あの時のもがき声は忘れるわけがないだろう

「だ…!だじでぐれ……!」

「な…な…なんでっぇぇ」

その惨状を私は眺めることしかできず、胸が苦しくなった

異変に気づいた師匠が私の胸ぐらを掴んで言った

「刹那!!お前が何をしたのか分かっているのか!!仲間殺しだぞ!!」

「す、すみません、、」

「謝ってどうにかなるもんじゃ…!!」

師匠の拳が私の顔面に接する直前、銃声が鳴り響いた

私の背後から放たれた弾丸は天井から落下し、それを追うように師匠が視線を下ろすと片桐が銃口を上に向けている姿があった

「なぁ総長」

前座が整っている片桐は何も恐れることなく、師匠に向かって生意気な態度で喋る

「あんたの信者はみんな死んだ 本当はお前も殺したいところだが、無力になったお前を殺すのは哀れだ」

腕を口に当てて、口元を隠しているが、目元のつり具合で笑っているのがわかる

「精々、死んだ仲間を憂いながら俺が起こす革命を指咥えて見てろ!老いぼれ!!」

その後、師匠は片桐たちに落印を押され、裏社会を牛耳っていた連合のリーダーは表社会へ姿を消した

私は みゆ の開放を片桐に求めた

「指示には従った それにお前の作りたい世界も道は開けたはずだ みゆ を返せ」

「あぁいいぜ そこの部屋にいる」

扉を開いた先で気を失って拘束されている みゆ がいた
私はそれを優しく抱き抱えてすぐに部屋を出た
部屋の前で立っていた片桐に去り際、最後の言葉をかける

「忠告する」

「あ?」

「狂気に従うのはこの世界では必要なことかもしれないけど 狂気に支配されるなよ」

「どういう意味だ」

「さぁな その狂った脳を汁ドバドバにして考えろ」

そう言うと片桐は「ふっ」と鼻で笑った

私はそれから みゆ を連れて裏社会から身を引いた

こうして市島連合は解体され、片桐と片桐を慕う者による裏社会の統括が始まると思った
だが、それは未遂に終わる

連合が解体されてから日も浅い頃、師匠から着信がきた
家の中で みゆ と戯れていた時だった

私はその着信に応答してスマホに耳を当てる

「師匠 どうしたんすか」

「片桐が今、商店街で一般人を殺し回っている」

「……!」

「止めてやってくれないか」

私はもう裏社会とは関係ない
だから、その件ももういい、そう思ったんだ
そう思ったはずなのに私は

「わかったよ師匠 仲間を守り、悪人を裁く これが私たちの信念だから」

私は みゆ に留守番を頼んで家を飛び出した

ここら周辺にある商店街なんてひとつしかない
私はそこにバイクで直行した

商店街の門から見る景色はまさに地獄でなんの罪もない一般人が何人も死んでいた

怒りが湧いた
悪人が善人を殺していることにも、その悪人に私が加担していた頃があったことも

 私は拳銃とナイフを手に悪人どもに立ち向かった

「な…!あれは副… グチャッ!!

私は1番近くにいた片桐の仲間を刺し殺し、その死体を踏んだ

「片桐ーーーー!!!!」

悪人どもの視線が副長であった私の声に視線を向ける

「刹那さんだ…!何しに来たんだ…」

「味方なのか…!」

「んなわけあるか!!殺せ!!」

そうやって襲いかかってくる奴らを全員弾丸と刃物で殺した

殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺した

そんな中でも私は片桐を呼び続けた
1人殺しては「片桐は!」、「片桐はどこにいる!」と声を上げた
しかし、それでも奴は姿を現さなかった

返り血で服が汚れ、ナイフに幾人もの血液が付着し、地面に悪人どもの死体が転がっていた

弾丸の替え弾も無くなった時、ついに奴が来た
目の前に現れたその男は疲れきった私に余裕に銃口を向けた

「よう 副長」

「はぁ…はぁ…私の疲労を待っていたのか」

「ご名答 あんだけの数を無傷で殺すあんたに俺が正面から掛かるとでも?」

明らかに詰んだ状態だった
自分は疲れきって、銃弾もない
対して相手は疲労なしでこちらに銃口を向けている

「結局、狂気に支配されちまったんだな」

「は?」

「ちっちぇなお前」

私が唇をつり上がられせると片桐は顔を顰めた

「遺言はそれだけか」

銃声が鳴った

その瞬間、片桐の眼は潰れた
私の投げたナイフが片桐の右目を突き刺さっている
相手の銃弾を私は寸前でかわし、同時にナイフを投げた

「ア"ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

片桐の悲鳴が商店街に響く

私はもがき苦しむ片桐に一歩、また一歩と徐々に近づく、そのナイフを引き抜こうと手を伸ばした時、

「刹那!!」

声がした方に視線を向けるとそこに銃口を向けた林道がいた

「片桐から離れろ」

気づけば私は生き残っている片桐の仲間たち6人に囲まれていた

しかし、そんなことそっちのけの警報が私たちの耳に響いた
何度も聞いたことのある音だ

警察サツか…!」

それも大量だ
大事にすればこうなることは想定できたはずだった
私たちはそこに片桐を置いて逃げた

片桐はその日にすぐ掴まった
さらに近日中、私と林道、基山 聡 以外の生き残った実行犯は捕まった

私は家に帰ることを躊躇った
みゆ に会わせる顔がない…ニュースで私の顔は取り上げられている
だから師匠を頼った
あの事件からその商店街にいた貧相な少女を拾ってある家の執事として働いているらしい

「もういっそのこと苗字もそこの家に変えちゃってもいいんでお願いできませんか」

「それはできない」

師匠ならそう言うと思っていた

「うちで扱うには主の許可が必要だ それに」

息を吸った

「あの子はお前の娘だ」

私はその言葉に胸を揺らされて、家に戻ることにした
帰ったら謝ろう
そう意志を持って私は家に帰った

しかし、娘は悲惨な姿だった

首を吊っていた

私はそれを見た瞬間、吐瀉物を床に吐き散らした
胃の中の食物が無くなっても胃液だけを吐き続けた

そんな中、私の頭には みゆ の言葉が浮かんでいた

「ママがひときずつけるのはやだ」

あぁ、そうか、、私は娘の嫌がることを続けてしまったんだ…
裏社会の人間として人を殺し、仲間を死に追い込んで、表立って大事件の容疑者になってしまった
そりゃ失望もするよな……

全てを理解した私は最愛な娘を亡くした


仲間を殺し、娘を失った
人間として最低な人生を脳内に浮かばせながら床と自分の大量の血液の冷たさに浸る

両刃ノコギリの刃は亜久里の左肩から右腰を引き裂いていた

グローブは亜久里の血の着いたノコギリを振り上げる
最後の一切りを振り下ろす瞬間、

「副長!!」

柿崎の声がそれを止めた

グローブはマズイと考えたのかノコギリをそこにほおり投げて走って柿崎が入ってきたのと反対の出入口から逃げた

柿崎はそれを止めることはせず、横たわる亜久里に寄り添う

「副長!」

「お前、なんでそれを…」

「そんなこと今はどうでもいいわ!!」

「たしかにな…」

「早く止血を…!」

自分の服を脱いで傷口を抑えようとするが、

「いい…もう無理だ…」

亜久里には諦めがあった しかしそれよりも、、

「それに娘のとこに逝かせてくれ」

娘に会って謝りたい
その気持ちが勝っていた

その言葉を最後に家族を殺したことから始まった美川 未夢
いや、不器用にも娘を愛していた亜久里 刹那の物語は幕を閉じた

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