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第2話:反転ロボット【短編】
栗拾い
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佐渡島に秋がやって来た。赤、黄色、オレンジと、自然が織りなす色柄で、島はとっても美しい。
島の人に植えられた柿や栗の木が、今では立派に大きくなって,おいしい実をつけている。
ロビンと弟のノアはひみつ基地で栗拾いをしていた。もちろん、いぶきとゆうじも一緒。ロビン、ゆうじ、いぶきの三人は、仲良し三人組だ。でも、だんご三兄弟のように似てなくて、ロビンだけは、栗色の髪の毛と、青い目をしていた。
ノアといぶきは、落ちているイガイガのついた実を、思い切り靴で踏んずけて割る係り。ロビンとゆうじは、割れたイガから、つるりとした実を取り出して、袋に詰める係りと要領がいい。
「もう、入りきらないよ」
ロビンは、栗が詰まった三つの袋の紐を結んだ。
「あっという間に、取れちゃったね」とゆうじ。
いぶきは、ターザンロープをつかんで、巨木に登り始めた。
「わぁーー。へんなキノコがあるぞ!」
いぶきは、木の幹から巨大なキノコを採って降りて来た。
「上のほうにまだ、たくさんあった。めずらしいだろう?」と赤い大きなキノコを、みんなの前に差し出した。
そして
「ついに見つけたぞ。これは、魔法のキノコだ。食べると願いがかなう」
「すげぇ!」
ゆうじが驚いて、キノコをじっと見た。真っ赤な笠に白い斑点があり、どこか現実離れしたキノコだ。🍄
「魔法?!」と目を輝かせるゆうじ。
いぶきは、キノコを踏みつけてぐしゃぐしゃに潰した
「ハハハ。冗談だよ。絶対食うな!毒キノコなら死んじまう」そして「ゆうじ、塾に遅れるぞ。もう帰ろう」と歩き出す。
「六年生にもなってさ……魔法を信じてる。ゆうじは、まだガキガキ」
いぶきは、ロビンに笑いかけた。
ロビンはあわてて、顔を伏せる。……ここは、魔法のない国だ。
ロビンとノアは魔法の国で、グリーン十六世の王子として生まれたが、今は、佐渡島のばあちゃんの家で暮らしている。ばあちゃんは、タライ船の船頭さん。タライ船に乗って海岸に流れ着いた幼いロビンとノアを、ずっと育ててくれた。でも、魔法国の事は知らない。
魔法のない国では魔法がある国グリーン国の事は秘密にしなければならない。
「へんなキノコは、食べないほうがいいね」とつぶやくだけにした。
みんなは、栗の袋を持って一本の道を歩き出す。この道は、山で掘った金を海まで運んだ道で海辺まで続いている。両脇には水田が広がっていた。
金色に光る稲穂の上を、鷹の形をした凧がスイスイと、飛んでいた。ビニール製の凧は、風に乗って羽をひろげ、本物鷹のように飛び、お米を食べに来る鳥達を追っ払っていた。
ゆうじが
「この辺は、金が流れてきてピカピカ光っていたんだって。田んぼも、川も、山も、金で光っていたって、じいちゃんが言ってた」
ゆうじのおじいさんのおじいさんは、金で作った小判を管理するお役人さんだった。だから、昔の佐渡をよく知っている。
「じゃぁ、川の水は飲めないね……ああ、腹へった。柿も採ってくればよかったな」とノア。
いぶきは、
「俺も、腹へったぁー。ゆうじ、帰るとちゅうのコンビニで、なんか買って食おう」そして、「やべえ、塾に遅れちゃう」と走り出す。
ロビンとノアはふたりの後ろ姿を見送った。
「ぼくたちも、帰ろう……」
と、カサコソと、落ち葉を踏みしめる足音が聞えた。
島の人に植えられた柿や栗の木が、今では立派に大きくなって,おいしい実をつけている。
ロビンと弟のノアはひみつ基地で栗拾いをしていた。もちろん、いぶきとゆうじも一緒。ロビン、ゆうじ、いぶきの三人は、仲良し三人組だ。でも、だんご三兄弟のように似てなくて、ロビンだけは、栗色の髪の毛と、青い目をしていた。
ノアといぶきは、落ちているイガイガのついた実を、思い切り靴で踏んずけて割る係り。ロビンとゆうじは、割れたイガから、つるりとした実を取り出して、袋に詰める係りと要領がいい。
「もう、入りきらないよ」
ロビンは、栗が詰まった三つの袋の紐を結んだ。
「あっという間に、取れちゃったね」とゆうじ。
いぶきは、ターザンロープをつかんで、巨木に登り始めた。
「わぁーー。へんなキノコがあるぞ!」
いぶきは、木の幹から巨大なキノコを採って降りて来た。
「上のほうにまだ、たくさんあった。めずらしいだろう?」と赤い大きなキノコを、みんなの前に差し出した。
そして
「ついに見つけたぞ。これは、魔法のキノコだ。食べると願いがかなう」
「すげぇ!」
ゆうじが驚いて、キノコをじっと見た。真っ赤な笠に白い斑点があり、どこか現実離れしたキノコだ。🍄
「魔法?!」と目を輝かせるゆうじ。
いぶきは、キノコを踏みつけてぐしゃぐしゃに潰した
「ハハハ。冗談だよ。絶対食うな!毒キノコなら死んじまう」そして「ゆうじ、塾に遅れるぞ。もう帰ろう」と歩き出す。
「六年生にもなってさ……魔法を信じてる。ゆうじは、まだガキガキ」
いぶきは、ロビンに笑いかけた。
ロビンはあわてて、顔を伏せる。……ここは、魔法のない国だ。
ロビンとノアは魔法の国で、グリーン十六世の王子として生まれたが、今は、佐渡島のばあちゃんの家で暮らしている。ばあちゃんは、タライ船の船頭さん。タライ船に乗って海岸に流れ着いた幼いロビンとノアを、ずっと育ててくれた。でも、魔法国の事は知らない。
魔法のない国では魔法がある国グリーン国の事は秘密にしなければならない。
「へんなキノコは、食べないほうがいいね」とつぶやくだけにした。
みんなは、栗の袋を持って一本の道を歩き出す。この道は、山で掘った金を海まで運んだ道で海辺まで続いている。両脇には水田が広がっていた。
金色に光る稲穂の上を、鷹の形をした凧がスイスイと、飛んでいた。ビニール製の凧は、風に乗って羽をひろげ、本物鷹のように飛び、お米を食べに来る鳥達を追っ払っていた。
ゆうじが
「この辺は、金が流れてきてピカピカ光っていたんだって。田んぼも、川も、山も、金で光っていたって、じいちゃんが言ってた」
ゆうじのおじいさんのおじいさんは、金で作った小判を管理するお役人さんだった。だから、昔の佐渡をよく知っている。
「じゃぁ、川の水は飲めないね……ああ、腹へった。柿も採ってくればよかったな」とノア。
いぶきは、
「俺も、腹へったぁー。ゆうじ、帰るとちゅうのコンビニで、なんか買って食おう」そして、「やべえ、塾に遅れちゃう」と走り出す。
ロビンとノアはふたりの後ろ姿を見送った。
「ぼくたちも、帰ろう……」
と、カサコソと、落ち葉を踏みしめる足音が聞えた。
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