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第三部
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はじめこそ不満露わにテオドアを翻弄させた大佐だが、その日のうちに全ての必要な手筈が整えられていた。
夕食後、大佐の書斎に呼び出されたテオドアは、チケットと旅程を渡されて目を丸くする。
「あれ、同行者がいるんですか」
「君を一人で向かわせるわけにはいかないからな」
チケットは三枚、すべて一等車両だった。
「まさか、あんたついてくるんじゃ……」
「なんだその迷惑そうな顔は」
大佐クラスが出向くなれば、表向きの理由として西の国境の視察くらいしか思いつかない。新たに国境警備隊が配備され、強固な砦を再建中と聞くから、一応名目としては立つ。
しかし大佐が現在抱えている、南側の港に配備する護衛船の再調整と比べたら、今このタイミングで西側へ赴くのは不自然だ。
ロイシュベルタ帝国は、五年前の大戦後、軍縮の一環として軍艦の隻数を減らす一方、近年不安定になりつつある領海線の防衛に力を注いでいる。特に今年に入って、海域を超えてロイシュベルタ側に侵入した他国の偵察船を捕らえた一件を機に、海域防衛の本格整備に乗り出した。整備に際して対策本部が臨時で設けられ、そのメンバーに大佐の名前が連ねたのが先月のこと。
「僕が今、帝都を離れられないことは、君が一番良く分かっているはずだ」
「まあそうですね。ではどなたが?」
「クリフトンだ」
「大尉ですか!?」
クリフトン大尉とは、公私共にお世話になっている数少ない上官だ。お互い酒好きな為、プライベートで飲みに誘われることも多い。
「となると、もう一枚のチケットは、ご子息の分ですかね?」
「ああ、今年からカッレラの全寮制に入学するそうだ。親子連れなら、いいカモフラージュにもなる」
クリフトンは息子を学校へ送り届ける名目で、テオドアはそれに便乗して、有給消化を兼ねて観光目的で同行する、というシナリオらしい。
「カッレラには、アーミテイジの迎えが待ってるはずだ」
「では、その後大尉とは別行動ですか」
「残念か」
大佐が、クリフトンとテオドアの仲を快く思ってないことは知ってる。こちらこそ単なる上司と部下の関係で、やましいことなど一切ないのに、普通に懇意にしてるだけでも癪に触るらしい。
たしかにテオドアは、クリフトンには全幅の信頼を寄せている。一方、大佐についてはこの先何があっても、完全に信用できないだろう。大佐とは、はじめから特殊な関係で、そもそも信用とか信頼とか、そんなものを考える間柄ではないのだ。
「別に。せっかくの親子水入らずの時間を、現地に着いた後まで邪魔したくありませんので」
「西には有名な醸造所があるぞ」
「一杯やるなら、帝都に戻ってからにしますよ」
「帝都に戻った後なら、僕と飲めばいいだろう」
大佐はそうつぶやくと、テオドアの返事を待たずに書斎の扉を開けた。
「僕はもう少しやることがある。君は先に寝てろ」
「はいはい、分かりましたよ……俺、明日も早いんですから、絶対起こさないでくださいよ?」
大佐の屋敷にほぼ強引に転居させられて、早数ヶ月。個室こそ与えられているものの、寝室は大佐と一緒なのはいまだに不本意極まりない。
(今度の旅行こそ、一人でのんびりできそうだな)
テオドアは不謹慎ながら、そんなことを考えてた。しかし事態が一変したのは、翌早朝のことだった。
「ん……」
「起きたか」
髪を撫でる手が心地良いが、いつまでもこうしてるわけにはいかない。瞼に力を入れて、なんとか視界を広げると、すでに身支度を整え終えた大佐が、ベッドの端に座ってこちらを見下ろしてた。
「あ、れ……俺、寝過ごしましたか」
「いや、まだ明け方だ」
そう言われても、なんだか釈然としない。大佐からただならぬ様子を感じ、テオドアは何かが起きたと悟った。寝起きの体に鞭を打って、どうにか半身を起こすと、大佐が再び口を開いた。
「昨夜、アーミテイジの手紙を運んだ人間が何者かに襲われた」
「えっ」
大佐の説明によると、昨日の夜半過ぎに軍司令部の近くで、件の人物が銃に撃たれたという。幸い急所が外れた為、命に別状はないそうだが、よりによって軍の中枢である建物付近で起こった不祥事に、関係者は戸惑いを隠せなかったそうだ。
「……それで?」
「君の任務は、当初想定してたよりも危険を伴うことが分かった」
大佐はそこで背を向けた。カーテンの隙間から入り込んだ朝焼けが、金色の髪を仄暗く燃やす。
「あんた、何を考えてます?」
「……君を行かせたくない」
「理由は?」
大佐からの答えはなかった。テオドアは大きく肩で息をつくと、シーツを蹴飛ばして傷痕だらけの片足を立てた。
「相手の獲物は銃でしたか」
「ああ」
「俺なら撃たれるなんて、そんなヘマしません」
「そうかな」
テオドアは、もともと叩き上げの軍人だ。実践経験も多く、これまで何度も死線をかいくぐってきた。
「そうですよ。最新の小型銃だって、距離を詰めなきゃよっぽど腕利きじゃないと当たらない。射程内まで近づけば、火薬の臭いが嫌でも鼻につく」
「君の意見には一理ある」
「それに、安全装置を解除する音……あれ、けっこう響きません? 独特の金属音だから、雑踏の中でもまあ、俺なら聞き逃すってことはありませんね」
「僕もだ」
大佐の肩がわずかに揺れた。
「僕以外で、君以上の適任者はいない」
「ありがとうございます」
ようやくこちらを向いた大佐は、しかし逆光で表情がよく分からなかった。だからテオドアも、理解しないよう努めた。
「僕はこれから司令部へ行って、本件の処理をしてくる。まあ適当に、酔っ払いの喧嘩でもでっちあげて、関係者には箝口令を敷くつもりだ。上層部の連中だって、こんな不祥事広めたくないだろうから、そこに便乗させてもらう」
たしかに帝都の軍司令部近くで殺人未遂、しかも被害者が西側からの上級士官となれば、万が一外部に漏れたら、司令部の面目丸潰れだ。
「俺も、すぐ出かける用意をします」
「いや、今日は一日、君は外に出るな。君の身に万が一のことがあれば、他の代理を見つけるのが難しい」
たしかに、まだ犯人がつかまってない以上、外は安全とは言い難い。テオドアの任務は極秘で、おそらくクリフトンですら知らないはずだが、万が一ということもある。
「分かりました」
「よろしい。では僕は出かけてくる……いい子に待ってろよ」
大佐は再び背を向けると、ベッドにテオドアを残して部屋を出て行った。そしてその日は、夜遅くまで戻らなかった。
「……オ、テオ。聞いてるか?」
テオドアは、ハッとして顔を上げた。視界の端には、車窓を真横に駆け抜けていく夕暮れ時の田園風景が飛び込んでくる。
混み合いそうな夕食時を避けて早めにやってきた食堂車のテーブルは、気づいたらほぼ満席だった。
「ああ、と……すいません。なんでしたっけ」
「メインは肉と魚どちらにするか、と聞いたんだ。サウルは魚にするそうだが、俺は肉にしようと思う」
「じゃあ、俺も肉でお願いします」
テオドアが追従するように答えると、斜め前からサウルのあきれたような、冷ややかな視線を感じた。
「司令部にお勤めの方でも、これほど近くで呼ばれても気づかない程ぼんやりすることがあるんですね。そういうのって、休暇中でも許されるものなんですか」
夕食後、大佐の書斎に呼び出されたテオドアは、チケットと旅程を渡されて目を丸くする。
「あれ、同行者がいるんですか」
「君を一人で向かわせるわけにはいかないからな」
チケットは三枚、すべて一等車両だった。
「まさか、あんたついてくるんじゃ……」
「なんだその迷惑そうな顔は」
大佐クラスが出向くなれば、表向きの理由として西の国境の視察くらいしか思いつかない。新たに国境警備隊が配備され、強固な砦を再建中と聞くから、一応名目としては立つ。
しかし大佐が現在抱えている、南側の港に配備する護衛船の再調整と比べたら、今このタイミングで西側へ赴くのは不自然だ。
ロイシュベルタ帝国は、五年前の大戦後、軍縮の一環として軍艦の隻数を減らす一方、近年不安定になりつつある領海線の防衛に力を注いでいる。特に今年に入って、海域を超えてロイシュベルタ側に侵入した他国の偵察船を捕らえた一件を機に、海域防衛の本格整備に乗り出した。整備に際して対策本部が臨時で設けられ、そのメンバーに大佐の名前が連ねたのが先月のこと。
「僕が今、帝都を離れられないことは、君が一番良く分かっているはずだ」
「まあそうですね。ではどなたが?」
「クリフトンだ」
「大尉ですか!?」
クリフトン大尉とは、公私共にお世話になっている数少ない上官だ。お互い酒好きな為、プライベートで飲みに誘われることも多い。
「となると、もう一枚のチケットは、ご子息の分ですかね?」
「ああ、今年からカッレラの全寮制に入学するそうだ。親子連れなら、いいカモフラージュにもなる」
クリフトンは息子を学校へ送り届ける名目で、テオドアはそれに便乗して、有給消化を兼ねて観光目的で同行する、というシナリオらしい。
「カッレラには、アーミテイジの迎えが待ってるはずだ」
「では、その後大尉とは別行動ですか」
「残念か」
大佐が、クリフトンとテオドアの仲を快く思ってないことは知ってる。こちらこそ単なる上司と部下の関係で、やましいことなど一切ないのに、普通に懇意にしてるだけでも癪に触るらしい。
たしかにテオドアは、クリフトンには全幅の信頼を寄せている。一方、大佐についてはこの先何があっても、完全に信用できないだろう。大佐とは、はじめから特殊な関係で、そもそも信用とか信頼とか、そんなものを考える間柄ではないのだ。
「別に。せっかくの親子水入らずの時間を、現地に着いた後まで邪魔したくありませんので」
「西には有名な醸造所があるぞ」
「一杯やるなら、帝都に戻ってからにしますよ」
「帝都に戻った後なら、僕と飲めばいいだろう」
大佐はそうつぶやくと、テオドアの返事を待たずに書斎の扉を開けた。
「僕はもう少しやることがある。君は先に寝てろ」
「はいはい、分かりましたよ……俺、明日も早いんですから、絶対起こさないでくださいよ?」
大佐の屋敷にほぼ強引に転居させられて、早数ヶ月。個室こそ与えられているものの、寝室は大佐と一緒なのはいまだに不本意極まりない。
(今度の旅行こそ、一人でのんびりできそうだな)
テオドアは不謹慎ながら、そんなことを考えてた。しかし事態が一変したのは、翌早朝のことだった。
「ん……」
「起きたか」
髪を撫でる手が心地良いが、いつまでもこうしてるわけにはいかない。瞼に力を入れて、なんとか視界を広げると、すでに身支度を整え終えた大佐が、ベッドの端に座ってこちらを見下ろしてた。
「あ、れ……俺、寝過ごしましたか」
「いや、まだ明け方だ」
そう言われても、なんだか釈然としない。大佐からただならぬ様子を感じ、テオドアは何かが起きたと悟った。寝起きの体に鞭を打って、どうにか半身を起こすと、大佐が再び口を開いた。
「昨夜、アーミテイジの手紙を運んだ人間が何者かに襲われた」
「えっ」
大佐の説明によると、昨日の夜半過ぎに軍司令部の近くで、件の人物が銃に撃たれたという。幸い急所が外れた為、命に別状はないそうだが、よりによって軍の中枢である建物付近で起こった不祥事に、関係者は戸惑いを隠せなかったそうだ。
「……それで?」
「君の任務は、当初想定してたよりも危険を伴うことが分かった」
大佐はそこで背を向けた。カーテンの隙間から入り込んだ朝焼けが、金色の髪を仄暗く燃やす。
「あんた、何を考えてます?」
「……君を行かせたくない」
「理由は?」
大佐からの答えはなかった。テオドアは大きく肩で息をつくと、シーツを蹴飛ばして傷痕だらけの片足を立てた。
「相手の獲物は銃でしたか」
「ああ」
「俺なら撃たれるなんて、そんなヘマしません」
「そうかな」
テオドアは、もともと叩き上げの軍人だ。実践経験も多く、これまで何度も死線をかいくぐってきた。
「そうですよ。最新の小型銃だって、距離を詰めなきゃよっぽど腕利きじゃないと当たらない。射程内まで近づけば、火薬の臭いが嫌でも鼻につく」
「君の意見には一理ある」
「それに、安全装置を解除する音……あれ、けっこう響きません? 独特の金属音だから、雑踏の中でもまあ、俺なら聞き逃すってことはありませんね」
「僕もだ」
大佐の肩がわずかに揺れた。
「僕以外で、君以上の適任者はいない」
「ありがとうございます」
ようやくこちらを向いた大佐は、しかし逆光で表情がよく分からなかった。だからテオドアも、理解しないよう努めた。
「僕はこれから司令部へ行って、本件の処理をしてくる。まあ適当に、酔っ払いの喧嘩でもでっちあげて、関係者には箝口令を敷くつもりだ。上層部の連中だって、こんな不祥事広めたくないだろうから、そこに便乗させてもらう」
たしかに帝都の軍司令部近くで殺人未遂、しかも被害者が西側からの上級士官となれば、万が一外部に漏れたら、司令部の面目丸潰れだ。
「俺も、すぐ出かける用意をします」
「いや、今日は一日、君は外に出るな。君の身に万が一のことがあれば、他の代理を見つけるのが難しい」
たしかに、まだ犯人がつかまってない以上、外は安全とは言い難い。テオドアの任務は極秘で、おそらくクリフトンですら知らないはずだが、万が一ということもある。
「分かりました」
「よろしい。では僕は出かけてくる……いい子に待ってろよ」
大佐は再び背を向けると、ベッドにテオドアを残して部屋を出て行った。そしてその日は、夜遅くまで戻らなかった。
「……オ、テオ。聞いてるか?」
テオドアは、ハッとして顔を上げた。視界の端には、車窓を真横に駆け抜けていく夕暮れ時の田園風景が飛び込んでくる。
混み合いそうな夕食時を避けて早めにやってきた食堂車のテーブルは、気づいたらほぼ満席だった。
「ああ、と……すいません。なんでしたっけ」
「メインは肉と魚どちらにするか、と聞いたんだ。サウルは魚にするそうだが、俺は肉にしようと思う」
「じゃあ、俺も肉でお願いします」
テオドアが追従するように答えると、斜め前からサウルのあきれたような、冷ややかな視線を感じた。
「司令部にお勤めの方でも、これほど近くで呼ばれても気づかない程ぼんやりすることがあるんですね。そういうのって、休暇中でも許されるものなんですか」
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