これは私の物語

笹乃笹世

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3章 ダンジョンの街 オルディンシティ

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 シャボンの木、根付いてくれるといいんだけどなー。 葉っぱもないし、植え替えは今なタイミングな気がするけど……どうなんだろう?
 粉イモはたぶん芋自体が種芋になってくれから育てるのは1番簡単そう……かな?
 ココヤシと蜜マメは今回は移植できないけど……まぁ、成果は上々だろう。
 ――いくら他人様の土地だからって、なんでここまで目立つ植物、ご近所さんたち、今までよくスルーできてたよ……
 しかも粉イモ以外は普通に食べて美味しいんだよ? 買えないほどじゃないけど、この世界の砂糖は高い。 だから煮るだけで甘いものが食べられる蜜マメなんかほっとかれるはずないのに。
 ……マリアがこれを見つけて、それきっかけで成り上がってくって話だったから、マリアが見つけるまでは見つからない仕様だったり?
 ――嫌だな。 そんなの、この世界の元がますますあいつの話みたいじゃん……そんな考えに至ってしまい、暗い気持ちになりかけるが、気分を変えるようにシャボンの木を持ち直す。

 ――そう決まったわけじゃないし、結果だけ見たら最高じゃない? タダでこんなにたくさんの美味しいものゲット。 しかも石鹸や甘いものまで。
 なにより、ポーション! 宝珠と作り方が手に入ったのは幸運以外の何物でもないよ。
 ……案外? 神様に今からでもご都合主義満載の世界にして! って願ったのが、こういう形で帰ってきただけななのかも⁉︎
 ――あ、いいかも。 なんかちょっと納得できた。 そうってことにしとこ!
 
 脳内会議がまとまったところでようやくガサヤブを出る。
 こんな草だらけの土地とはいえ、植物抱えてるとこは見られたらマズイかな? と、あたりを見まわしたところ――
 バッチリと目があってしまう2人の人物が我が家の前に立っていた。
 次からは出ていく前に、道に人がいるかどうかの確認をすべき……

 我が家の前に立っていたのは西門の分隊長であるエルベルトさんと副分隊長であるブルーノさん。
 おそらく私が立てた物音に警戒したんだろう、腰を低くしながら腰につけたけんに手を伸ばしつつ――驚いたような顔でこちらを見ている。
 本人的には不審者ではないつもりです……

「……ダリア?」
「なにして……」
「――あっ分隊長にブルーノさん! 見てください、こんなにたくさん取れたんですよ! イモも食べ切れないくらい採れたんで庭で育てようと思うんです!」

 ――必殺! 森から出てきたばかりのガキンチョなんで、街のルールとか法律とかよく知らないんですアピールッ!
 その作戦が功を奏したのかどうかは知らないが、2人は困ったように顔を見合わせ、肩をすくめ合いながらため息を漏らすだけで、お叱りの言葉は飛んでこなかった。
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