これは私の物語

笹乃笹世

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4章 街での日々とご近所さん

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 初めはうちから出てきた食器を使ってたんだけど、20人分ぐらいしかなくて、遅く来た兵士たちの食器が無くなっちゃって……しかも食べてすぐ帰るような兵士なんかほぼ居ないから、その時はお隣の酒場にお酒買いに行くついでにちょっと多めにお金払って食器を借りてきたりしてた。
 そこから、みんな自分の食器やフォークご持参でやってくる人が増え――今では全員が食器持参だ。 エルベルトさんやブルーノさんまで持ってきてるのはちょっとビックリしたけど、本人たちがいいならいい、のかな……? ただ……ちょっとは申し訳ない。
 そりゃ、気心が知れた職場の同僚たちと好きなだけ飲み食いは楽しいだろうけど……根本にあるのは、私たちにいいもの食べさせてやろうって善意だからさー。 食器まで用意させちゃうとねー。 「外食ばっかだったから、自分で食器買ったのなんか初めてだ」とか言う人もいて……その人が本当に楽しそうだったのだけが救い……――まぁ、甘える気は満々なんですけど。 ちょっと時間的に厳しいと思ってます。 ダリア10歳。 朝から家のことやって、お勉強。 それが終わったら晩御飯までずっと料理……
 ――分かってる。 この国、子供が働くのは本当に普通。 そもそも私以外の兄弟は、この生活になんの不満も持ってない。 なんなら、立派な家に住めて、毎日美味しいものたくさん食べられてるのに勉強までさせてもらえる、素晴らしい環境だと思ってる。 私だってとっても恵まれてるって理解はしてる。 理解はしてるんだけど……私が私の邪魔をしてる。 私の常識が『子供なのにずっと料理してるんですけど……?』『え、大人なのにずっと飲み食いですか? 私たちはまだなのに⁇』って……――分かってるんだけどどうしようもないので、食器分くらい楽しようと思ってる。

 でもなぁ……兵士たちにこんだけ食材持ち込んでもらってると……生活費の増額とか、切り出しにくいんだよなぁ……
 エルベルトさんから渡してもらった、当面の間のお金……わりとカツカツ。 足りないことは無いけど――それは私たちが森で薪を拾ってきたり、食費に殆ど使わなくなったから。 しかもこれから新しい服や鍋を買おうと思ったら、またどこかで切り詰めなきゃいけない。
 ……リュックの売上も使うかぁ。 本当は、ここを出なきゃいけなくなった時のために貯金しておこうと思ってたお金だけど――今の生活のが大切だよね。

 孤児に支給される予算って、もっとたくさんあるイメージだったけど……でもエルベルトさん相手に、中抜きして渡すヤツはいないと思うし――もしかしたら、私たちに教えてくれてる兵士たちに、その分振り分けられてたりするのかも……?。
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