これは私の物語

笹乃笹世

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4章 街での日々とご近所さん

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「海外は昨日少しやったから――今日はシャルマン卿のことはどうだ?」
「悪くないな。 ダリアたちだったら馴染みもあるだろうし」

 ブルーノさんの言葉に、エルベルトさんが少し不思議そうな顔つきでこちらをみる。

「毎年、服や靴やカバンなんかをいただきます」
「ああ、新年の」

 思い出したようにエルベルトさんが相槌を打つが――こちらは新年にはあまりピンと来ません……

「……多分?」

 首を傾げながら曖昧に肯定する。
 そんなやりとりにブルーノさんが声をあげて笑い、説明を始めた。

「そりゃこの街でなら新年に渡してもらえるんだろうが、ダリアたちの住んでた村は端も端だろう? 新年には届かなかったんだよな?」
「夏になったらもらえるものでした」

 ブルーノさんの言葉に大きく頷きながら答える。

 この国の新年は4月だ。 厳しい冬が終わって春を迎え、一年が終わって新しい一年が始まる。
 年末と新年はどちらもお祭りで、仕事はお休み。
 ……まぁ、お祭りの手伝いには駆り出されてたけどー。 仕事と手伝いは違うからね……日銭が稼げるだけ仕事の方がマシ――お祭りは楽しかったけど。
 新年のお祭りは花まつりと呼ばれ、花冠で髪を飾り、レイをかけてご馳走を食べるのが一般的だ。
 その日だけは仕事も免除で、村長がご馳走を振舞ってくれ――ダリアなんか、一年分の贅沢は、そこでするものだと思って生きていた。
 ――この街にやってきてみたら、贅沢でもなんでもない日常になってしまっていますけれどもね! これ花まつりどうしよう? これ以上の贅沢なんか無いんだけど⁉︎ あ、贅沢する必要は無いのか。 ご馳走を食べる日なんだったわ。

「そんなに日にちがズレるものか?」
「この街の中のことならともかく、外まではなぁ? 正直、この街の中のことだって商人ギルドに丸投げしてると思うぞ?」
「楽な仕事だな?」
「それに加えて懐もあっためてんだろ」

 えっ、年に一回の孤児の楽しみを奪う悪魔が役人してるって? あの村の村長レベルじゃん……

「――シェルマン卿のご好意だぞ?」
「国王陛下のお慈悲ですら懐に入れる連中だぞ?」

 それな! そいつらがいなかったら私たちだってもっといい暮らしが――出来てないかもなぁー。 村長で止まりそう……

「嘆かわしい話だ……――ダリア、しっかり学んで、己の権利をしっかり確保するように」
「――はい」

 ちゃんと知識つけて、悪徳役人に好き勝手させんじゃねぇぞってことですよね? そういうの頑張るのは得意です!
 
「うむ。 ではまず……このオルディン領の成り立ちについて説明しよう――」
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