これは私の物語

笹乃笹世

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4章 街での日々とご近所さん

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「どうするって……――登録できねぇのかよ?」
「――出来なくは無い。 誰であろうとギルドに加入はできる……だが問題は経費として認められるか否かだろう?」
「……店員の加入は認められると思うか?」
「店員……としては難しいだろう? ――だが目的が、商人ギルドのシステムのほうならばどうだ?」

 エルベルトさんの言葉にブルーノさんの目がギラリと輝く。

「ああ……悪く無いな? あのシステムを利用するため――となれば、理解は得やすい。 納得させちまえばこっちのもんだ」

 ……悪巧みでもはじめていらっしゃいます? 
 ――どっかから余計に金引っ張ってやろうって話してるんだから悪巧みだったわ。

 商人ギルドのシルテム便利だからね。 しょうがないね。
 ――市民プレートへの送金システム。
 そして送金システムを持つプレート同士での送金も可能になるシステムも。 そのほかにも商人ギルドなので露天商が出せたり、さまざまな商品の売買が可能になったり、なんて権利も付いてくるけど、目玉はこれだろう。
 ……厳密には商人ギルドだけのシステムじゃなく兵士たちや、探索者の一部も使えたりするけど、私たちみたいな平民の子供がお手軽に利用できるのは商人ギルドだけだろう。
 お金のやり取りや管理がだいぶ楽になるから、弟たちも商人ギルドに入ってくれれば助かるけど……――やっぱり絵面が悪巧みのソレなんだよなぁ……?

 私は目の前で顔を突き合わせ、時折りニヤリ……と笑いあっているエルベルトさんたち、そしてそれをニヤニヤ笑って見ている兵士さんたちを前に、そっとため息を吐き出した――
 ……薬草の話したいんだけど、もう切り出しても大丈夫かなぁ?

 ◇

 それからまた少しの日々が過ぎ去り、私たちの生活はまた少し形を変えていた。
 薬草畑は「土地に生えた植物の権利を主張されれば明け渡すしかないぞ?」という言葉はもらったものの、だいぶその領土を侵食することに成功していた。 ついでに目隠し代わりも兼ねて粉イモも量産できたので一石二鳥だ。 
 草むしりだけはちょっと大変になっちゃったけど……ここには手を抜いても怒鳴り散らす大人はいないから、まだ楽しめる範囲でやれている。

 商人ギルドにも無事に登録することができて、弟たちのプレートにも、商人ギルドの一員であることを示す小さくて黄色い石がプレートの右上あたりでキラリと輝いている。 事後精算にはなったようだが、弟たちの分の登録費も無事にきっちり予算が降りたらしい。

 そして――石窯がある生活に慣れてきた私たちの食生活にも少しの変化があった。
 
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