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6章 ヘソ曲がりとチョコレート
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味に関する設定なんか付けた覚えはないけど、あの宝珠は星蒼族の魔力の結晶で、その魔力はチートもので……
――もしかしたら旨み成分だって入ってることがあるのかもしれない……?
「……どうですか?」
「――そう言われるとうちのよりスッキリしてるような……?」
「――いや! 俺には分かるね! うちのよりうまい水だ!」
自信満々な笑顔で言い放つガラス職人だが――多分水に違いは無いかも……
そっちのお水飲んで無いからなんとも言えないけどさ。
……だけど、違うと言ってくれるなら好都合! こっちも全力でその話に乗っからせていただきます!
「お水だったんだぁ……! ねぇ、うちのお水美味しいんだって!」
私は嬉しそうに驚いて見せながら、私たちの会話に聞き耳を立てていた弟たちに声をかける。
ここぞとばかりにわらわらと集まって来る弟たちと井戸水を飲んでいると、視界の端で「そこまで違うかねぇ……?」と大きく首を傾げる奥さんが見えた。
……もう水ってことにしときましょ? 宝珠のおかげって可能性が高くなってしまった以上、私絶対に誤魔化すんで!
下手にバレて「……で、この宝珠はどこから?」なんて質問受けたく無いんで!
――そりゃ私だって、いくら星蒼族だって魔力に旨み成分が入ってるとかは全然信じてないんですけど、星蒼族の魔力はチート級ってふわっと設定は付けちゃったんで――……正直、なにがどう作用するのか私にだって理解出来てません!
だから……もう、ここは水ってことで決めてしまいましょう!
◇
「――これだよこれこれー!」
「……そうだねぇ、こっちだよねぇ?」
朝ご飯の準備が終わり、大工さんたちと一緒に食べ始めると、ガラス職人がスープを啜って嬉しそうに声を上げ、おかみさんが悔しそうに顔をしかめる。
「――そんなに違うか?」
そのやりとりに大工の親方が声をかけ、チーズウインナー細長パン、別名チーズホットドッグにかぶりつく。
「違う! ハッキリした違いじゃねぇが、家のとはちげぇんだ」
「そう、なんだよねぇ……? でも絶対ここの方が美味しいんだよ」
2人の会話に相槌をつくおかみさんだったが、その視線はずっとスープに注がれていたので、大きな独り言だったのかもしれない。
「……まぁ、ここのはうめぇよな」
そんなおかみさんの様子に戸惑ったのか、大工の親方は困ったように短く返すとまた大口でチーズウインナー細長パンにかぶりつく。
「違いねぇ」
「晩飯も楽しみだ」
大工のお弟子さんや息子さんも、似たような食べっぷりで頬張り――……なんとか水ってことになったみたいで一安心です……!
――もしかしたら旨み成分だって入ってることがあるのかもしれない……?
「……どうですか?」
「――そう言われるとうちのよりスッキリしてるような……?」
「――いや! 俺には分かるね! うちのよりうまい水だ!」
自信満々な笑顔で言い放つガラス職人だが――多分水に違いは無いかも……
そっちのお水飲んで無いからなんとも言えないけどさ。
……だけど、違うと言ってくれるなら好都合! こっちも全力でその話に乗っからせていただきます!
「お水だったんだぁ……! ねぇ、うちのお水美味しいんだって!」
私は嬉しそうに驚いて見せながら、私たちの会話に聞き耳を立てていた弟たちに声をかける。
ここぞとばかりにわらわらと集まって来る弟たちと井戸水を飲んでいると、視界の端で「そこまで違うかねぇ……?」と大きく首を傾げる奥さんが見えた。
……もう水ってことにしときましょ? 宝珠のおかげって可能性が高くなってしまった以上、私絶対に誤魔化すんで!
下手にバレて「……で、この宝珠はどこから?」なんて質問受けたく無いんで!
――そりゃ私だって、いくら星蒼族だって魔力に旨み成分が入ってるとかは全然信じてないんですけど、星蒼族の魔力はチート級ってふわっと設定は付けちゃったんで――……正直、なにがどう作用するのか私にだって理解出来てません!
だから……もう、ここは水ってことで決めてしまいましょう!
◇
「――これだよこれこれー!」
「……そうだねぇ、こっちだよねぇ?」
朝ご飯の準備が終わり、大工さんたちと一緒に食べ始めると、ガラス職人がスープを啜って嬉しそうに声を上げ、おかみさんが悔しそうに顔をしかめる。
「――そんなに違うか?」
そのやりとりに大工の親方が声をかけ、チーズウインナー細長パン、別名チーズホットドッグにかぶりつく。
「違う! ハッキリした違いじゃねぇが、家のとはちげぇんだ」
「そう、なんだよねぇ……? でも絶対ここの方が美味しいんだよ」
2人の会話に相槌をつくおかみさんだったが、その視線はずっとスープに注がれていたので、大きな独り言だったのかもしれない。
「……まぁ、ここのはうめぇよな」
そんなおかみさんの様子に戸惑ったのか、大工の親方は困ったように短く返すとまた大口でチーズウインナー細長パンにかぶりつく。
「違いねぇ」
「晩飯も楽しみだ」
大工のお弟子さんや息子さんも、似たような食べっぷりで頬張り――……なんとか水ってことになったみたいで一安心です……!
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