これは私の物語

笹乃笹世

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6章 ヘソ曲がりとチョコレート

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 行きも帰りも相当なゆったり加減だったため、家にたどり着いた時にはすでにお昼は過ぎていた。
 
 お昼は朝のパンと残り物のスープ、それにりんごを丸ごと焼いたデザートも付けた。
 ……本当はバニラアイスと一緒に食べるのが美味しいんだけど、無いものは出せないのでココヤシとバターで許してもらおう。
 ……さらに美味しくなったらいいなってことで、朝からうちのお水に付けといたんだけど……味、変わってると良いなー。


「――うま⁉︎」
「トロトロしてる!」
「あったかいね?」
「――こんな食べ方が……」

 みんな目を丸くして食べ続けてくれたので、気に入って貰えたんだろう。
 ちょっとだけ薪をケチっちゃってるから、あったかいものはよけいに美味しく感じるよねー。

「お好みで砂糖も使ってくださいね」
「いや、私はこれで充分だ」
「オレも」

 私の言葉にエルベルトさんとウィリムが首を横に降り、ロランとプリムが身を乗り出した。

「俺かける!」
「プリムも!」
「はいはい。 これが終わったら夕飯の準備だからね? しっかり手伝ってよ?」
「チョコレート⁉︎」
「どれ食べるの⁉︎」
「――……ものすごい頑張ってくれたら……2種類食べちゃう?」

 私の言葉にロランとプリムは目をキラキラと輝かせながら顔を見合わせ「頑張る!」と声を合わせた。

「……オレも頑張る、よ?」

 あまり甘いものに興味を示さないウィリムだったが、やはり新しいお菓子には興味があるようで、少し恥ずかしそうに主張する。
 可愛い過ぎかよ……!

「――頼りにしてる。 ……チョコ楽しみだね?」
「――うん」

 にやけそうになる顔を、焼きリンゴを頬張ることでごまかす。
 ……うーん、やっぱり砂糖よりハチミツだなぁ――でもハチミツは高いしなぁ……

「――私はなにもしなくても良いのかな?」

 弟たちとの会話が終わるのを見計らったようなタイミングで、ニヤっと笑ったエルベルトさんが首を傾げた。

 むしろなにかさせたら、それこそ帳尻が合わなくなりますが……?

 今日1日のご飯がエルベルトさんに対する本日の報酬扱いだ。
 だから当然なにもしなくたってご飯は食べられるんだけど……改まってそう聞かれちゃうと、なにか言いたくなってしまうわけで……

「――いえいえ、重要な任務がありますよ?」
「ほほう……? どんな任務かな?」
「……晩御飯までにちゃんとお腹を減らしておくこと――飲むお酒は自分で買って来てくださいね」

 私の言葉を聞いたエルベルトさんは「それは重要な任務だね?」と、クスクスと上機嫌に笑う。

 いくら寄親とはいえ、買い物に付き合わせて、せっかくのお休みを1日潰しちゃって申し訳ないけど――晩御飯は手間暇かけて作らせていただくので、次があるようなら、その時も力を貸して欲しい……
 
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