これは私の物語

笹乃笹世

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7章 大騒動の冬支度

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「小さい魚だからフライドチキンみたいにそのまま揚げてみようかなって……骨も軟そうだし、スパイス効かせたらお酒にも合うかも」

 あ、スパイスが合わなかったらワインビネガーかけてみようかな? 南蛮風になってくれるかも。

「……お前がそう思うならそうなんだろうが……」
「――あの量だぞ?」

 エルベルトさんに言われ、釣られるように小魚が入っているだろう木箱たちを眺める。 ……六箱かな? 1日1箱使えたとしても一週間かぁ……――煮干し作りめっちゃ頑張ろ……

「……そのまま天日干しか無理だったら小魚メニューが続くかもでーす……」

 キビナゴだったらいけると思うんだけど……それにムリでも、そのまま焼いても食べられた気がする。 そのままスープでも食べられる魚だと思うんだよなぁ。

「……俺はダリアの料理なら食うが――本当に良いんだな?」
「本来の冬支度だって終わってないだろうに……」

 2人はまだ心配してくれているが……――煮干しができたら、お吸い物的なスープが出来るかもしれない……――ダリア、ものすごく和食に飢えています!

「いままでも訳あり品で料理してきたんで、今回もなんとかなりますよ」

 そう言って笑うと、2人はようやく「そういうなら……」と、引き下がってくれ、私は迷惑料がわりに大量のキビナゴを貰い受けることになったのだった。

 ――その後改めて、残りの肉や魚は必ず納品してくれることを約束し、それで今回の一件は、とりあえずの片が付いたと思っていたら……――私にキビナゴを押し付けた張本人たちでもあるギルド職員たちがキビナゴ料理を食べたいとダダをコネ始めた。
 いや、言い方としては「もしよければ……」「今後の参考に……」「是非とも……」なんて言い方をしてたけど――目のギラつき具合と、全員ででにじり寄ってくるあの圧の強さよ……
 物腰は柔らかかったのに、私は何故か店の中で大声でダダを捏ね始めた子供の姿が脳裏に浮かんだよ……
 ――どう宥めても言うことを聞いてくれず、諦め切った顔つきになる親を何人見てきたことか……

 今できる料理だけなら……と断って、フライドチキンに使った粉をまぶしたものと、粉イモだけで揚げたもの、そして塩を振って石窯で焼いただけのものをお出ししてお茶を濁した。
 ……当然のようにエルベルトさんたちも味見する気だったので、ちょっとの休憩も兼ねて私たちも仲良く味見した。

 ――やっぱり焼いただけのは骨が邪魔だし頭や尻尾は食べずらかった。
 意外だったのはスパイスがたくさん入ったフライドチキンの粉より、粉イモだけのほうがサクサクで美味しかったこと。
 やっぱり揚げちゃうと、骨も頭も気にならなかった。
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