これは私の物語

笹乃笹世

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7章 大騒動の冬支度

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「それ、は……」

 私の言葉にブルーノさんは周りの兵士たちの反応を伺うようにあたりを見回し、私の声が聞こえたであろう子供達がチラチラとこちらを伺っている。

「あー……なにが目当てだ? 5階より下に行きたいってなら……武器と防具を買うのが先だと思うぞ……?」

 困り顔でやんわり嗜めるように言うブルーノさんに小さく肩をすくめて答える。

「別に5階に行くのが目的ではないです。 ただ……今ダンジョンに厄介な集団が来てるらしくって……その日のたちにお前らが喧嘩売ったガキにだってこんな強そうな見方がいるんだぞーって見せつけおきたいな、と」

 私の言葉に意図早く反応したのはマチルダだった。

「――食い扶持は確保した。 ……あたしたちのためだろうが――あんまり大人とやり合いたくねぇんだ」

 と、私のそばで声をひそめて抗議するように言う。
 でも……そもそもマチルダたちのためじゃ無いので、こちらも簡単には引けない。

「ゴメンだけど、自分たちのため。 今年やっとかないと、来年の私たちも水場から締め出されることになる」
「来年……」

 マチルダはそう呟きながら視線を揺らす。
 来年のことまでは考えてなかったっぽいな。
 その奥で兵士たちもチラチラと視線を交わし合っているので、おそらく昨日のマチルダに絡んできた連中の話は兵士たちの中でかなり共有されているようだ。

「そう。 私たちにだって多少の計画性はあるから、来年は絶対にこんなおおわらわな冬支度にはしないよ? そしたら森やダンジョンに行く時間だってあって、私たちこそ水場で捌くでしょ。 うちのウィリム、捌くのめちゃくちゃ早いんだから」
「まぁて手際はいいよな……?」

 マチルダが同意してくれて嬉しくて胸を張ると、視界の端でウィリムも同じように誇らしげに胸を張っていた。

「……ちょっと自覚あるから言っちゃうけど、私そこそこケチなのよ。 多分、人が多くなって周回できなくなってきて、お肉まで高くなり始めたら、コウモリやヘビまで捌くと思うのね? だってミンチにして豚や牛と混ぜたら分かんないでしょ?」

 私の言葉に兵士たちが一斉に顔をしかめるが、それには気がつかないふりをして話を続けた。

「――絶対目ぇ付けられるでしょ。 コウモリまで捌く人そうそういないもん。 絶対『水場を汚すな!』って怒鳴られる。 それは避けたいから今のうちに牽制。 こっちにだって後ろに強い人居んだぞ!って……――ダメですかね?」

 懇願するようにブルーノさんを見つめた。
 ブルーノさんは唸るように息を漏らすと、同じテールについていた兵士たちに顔を向ける。
 
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