14 / 1,038
14
しおりを挟む
(ここがゲームの世界だって分かってすぐの時はさぁ……ほんのちょっとだけ、心の片隅で(あれ……これ、キャラたちとワンチャン……?)と血迷ったこと考えたりもしたんだよねー……もちろん、すぐに(いやいや! 無理無理!)とも思ったもんだけど……その後ろにちっちゃい(もしかしたら……)が見え隠れしててさ……ーーまぁ、その気持ちも貴族になって目一杯オシャレして、ワクワクで鏡に映った自分を見た時に吹き飛んだわけですけれど……ーー私ってば圧倒的な平凡顔っ! 一目で悟ったよねぇ……(あ、こんなんと恋愛するキャラとか解釈違いです)ってさ……ーーやっぱり、キャラと恋愛するのは主人公かライバルキャラって決まってんだよねー……ーーだからさぁ……大人しく恋愛しててくんねぇかなぁっ⁉︎)
「あらあら、今日も素敵な飾りつけですこと」
呆然とゴミまみれ落書きだらけの自分の席を眺めていたリアーヌの背後から、クスクスと楽しそうな声がかけられた。
「そんないい笑顔で言うことですかねぇ……?」
うんざりした様子でその人物ーー同じクラスで隣の席のビアンカ・ジェネラーレーーを振り返るリアーヌ。
ビアンカは少し肩をすくめるとクスクス笑いながらリアーヌの横を通り抜け、自分の席へ優雅に腰掛けた。
リアーヌはそんな友人を恨めしそうに見つめ、自分の席に向き直り、肩を落としながらため息をついた。
(ーーつうかさぁ……あんたらとの恋愛とか、最早どうでもいいんですけど……ーーちょっと男子ぃー? 主人公以外はシカトですかぁー⁇ 幼気な少女が、悪意の言葉に胸を痛めておりますけれどもー⁇ 「なんだよ、お前いじめられてんのか?」は? 「誰がこんなことを……」とかさっ! 「こんなことをする生徒がこの学院にいるなんて……」ってのもありましたっけ⁉︎ 主人公ちゃんなんて、専門家に特別入学する子だから、教室の場所も大分離れてるし、しかも年下! その子は助けられて私はスルーってどういうカラクリになってるんですかね⁉︎ なに? この一年で急激に紳士力が爆上がりすんのか⁇)
リアーヌは心がささくれ立っているのを自覚しながら、自分の席の周りに散らばるゴミをテキパキと回収すると、ゴミ箱へと捨てに行った。
(ーー多分、お嬢様方が自分で用意してるゴミだからだと思うけど……ーーめっちゃ綺麗なんだよねー……使ってないノートをビリビリに裂いたやつとか、誰のものか分からないハンカチや筆記用具が壊されてばら撒かれていたりとか……ーー生粋のお嬢様はゴミらしいゴミに触れないんだろうな……ーー犯人とっ捕まえてそいつの顔面にバッタとか押し付けてやろうか……ーーそんなんやったら確実に私が極悪非道の悪役令嬢になっちゃうけどー)
戻ってきたリアーヌは、落書きだらけの机を見つめ小さくため息をつくと、スッと手をかざして周りの机の木目を転写する。
すっかり綺麗になった机を眺め、フンッとため息のような息を吐くと、席に着いて頬杖をついた。
「あらあら、今日も素敵な飾りつけですこと」
呆然とゴミまみれ落書きだらけの自分の席を眺めていたリアーヌの背後から、クスクスと楽しそうな声がかけられた。
「そんないい笑顔で言うことですかねぇ……?」
うんざりした様子でその人物ーー同じクラスで隣の席のビアンカ・ジェネラーレーーを振り返るリアーヌ。
ビアンカは少し肩をすくめるとクスクス笑いながらリアーヌの横を通り抜け、自分の席へ優雅に腰掛けた。
リアーヌはそんな友人を恨めしそうに見つめ、自分の席に向き直り、肩を落としながらため息をついた。
(ーーつうかさぁ……あんたらとの恋愛とか、最早どうでもいいんですけど……ーーちょっと男子ぃー? 主人公以外はシカトですかぁー⁇ 幼気な少女が、悪意の言葉に胸を痛めておりますけれどもー⁇ 「なんだよ、お前いじめられてんのか?」は? 「誰がこんなことを……」とかさっ! 「こんなことをする生徒がこの学院にいるなんて……」ってのもありましたっけ⁉︎ 主人公ちゃんなんて、専門家に特別入学する子だから、教室の場所も大分離れてるし、しかも年下! その子は助けられて私はスルーってどういうカラクリになってるんですかね⁉︎ なに? この一年で急激に紳士力が爆上がりすんのか⁇)
リアーヌは心がささくれ立っているのを自覚しながら、自分の席の周りに散らばるゴミをテキパキと回収すると、ゴミ箱へと捨てに行った。
(ーー多分、お嬢様方が自分で用意してるゴミだからだと思うけど……ーーめっちゃ綺麗なんだよねー……使ってないノートをビリビリに裂いたやつとか、誰のものか分からないハンカチや筆記用具が壊されてばら撒かれていたりとか……ーー生粋のお嬢様はゴミらしいゴミに触れないんだろうな……ーー犯人とっ捕まえてそいつの顔面にバッタとか押し付けてやろうか……ーーそんなんやったら確実に私が極悪非道の悪役令嬢になっちゃうけどー)
戻ってきたリアーヌは、落書きだらけの机を見つめ小さくため息をつくと、スッと手をかざして周りの机の木目を転写する。
すっかり綺麗になった机を眺め、フンッとため息のような息を吐くと、席に着いて頬杖をついた。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
315
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる