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しおりを挟むビアンカの言葉に愛想笑いを浮かべたリアーヌが内心では首を捻っていると、テーブルの上で頬杖をつき、興味深そうにキラキラと瞳を輝かせたゼクスが話しかけてきた。
「もしかして爵位とかに興味ない感じ? だとしたら俺たち……なんか上手くやれそうじゃない⁇」
そう言いながら蠱惑的な微笑みをリアーヌ向ける。
しかしリアーヌはゼクスの女性に対する手口をきちんと理解していたので、ヘラリ……と困ったように笑いながら答えた。
「あー……どうなんでしょうかね……?」
(コイツ……絶対にこっちが勘違いするような言葉をわざと選んでるよね⁉︎ なのに利用価値がなくなったらバッサリ切って「ソンナツモリジャ ナカッタノニナー」って呪文を使うつもりまんまんじゃん!)
「あーもう本当に……」
ゼクスと上部だけの会話を交わしていたリアーヌの目の前で、ビアンカがガックリと項垂れ、髪が乱れるのも気にせず両手でしっかりと頭を抱えていた。
(……私がやらかしてるんだろうなぁ……ーー心当たりすら無いけどー……)
「んー……つまり君ってば正真正銘の成り上がりちゃんってことかな?」
困ったような呆れたような仕草でゼクスが言い、リアーヌは少し考えてからコクコクと小刻みに頷きながら口を開いた。
「まぁ、そうなるんだと……成り上がったのは父ですけど」
「ーー君は自分の将来を一体どうしたいんだ……?」
リアーヌたちの会話を聞いていたフィリップは、不可解な生物を見ているかのような表情で、眉間に皺を寄せながらたずねた。
「……将来、ですか?」
リアーヌはなぜそんな顔で見つめられているのか不思議に思いながらも、フィリップからの質問に首を傾げる。
「これからどのような人生を歩みたいと考えている?」
「どのようなって……ーー普通に就職して、普通に結婚して……そんな普通な人生が送りたい……です?」
「ーーその未来にパラディールの力は必要ない、と?」
そこまで聞いたリアーヌはある可能性にようやく気がついて大きく目を見開いた。
(これ派閥に入る云々の話になってない⁉︎ ーーえっ、いつから⁉︎)
ギョッと目を剥いたリアーヌだったが、フィリップが自分の答えを待っていることに気づき、必死に頭を回転させる。
「ーーえっと……力を貸してもらう代わりに差し出せるのは【コピー】の能力だけなのですが……ーー本当にずっと力を貸し続けていただけるんでしょうか……?」
(ある日突然「思ったより使えなかったなー……ーー今日でクビで☆」とか言い出したりしない⁉︎ そもそもコイツ、ちっちゃい頃から妹のように可愛がってきた婚約者、主人公といい感じになったからってポイポイした男だぜ⁉︎)
「む……」
リアーヌの質問に少し言い淀むフィリップ。
流石にこのタイミングで「最後まで面倒を見る」と言い切ることは難しかった。
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