【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「……まるでいつも私がやらかしてるみたいに言うじゃん……」

 唇を尖らせて不本意そうに言うリアーヌに、ビアンカはこれ見よがしに大袈裟なため息をついて見せた。

「ーー実際、やらかしたって話なんでしょう?」
「……まぁそうなんですけど……」

 リアーヌはモゴモゴと、言葉を口の中で転がすように喋ると、再び面白くなさそうに唇を尖らせた。
 しかしすぐさまキュッと口を引き結ぶと、斜め上あたりを見つめながら肩をすくめた。

「……弟に「コピーさせてくれたら明日のデザート半分あげる」って言っちゃって……ーーそしたらスルッと……」

 そこまで言ったリアーヌは、我がことながらあまりの気まずさにそこで不自然に言葉を切った。

「スルッと……?」
「ーーまぁ……スルッと……」

 続きを促すビアンカに、手を忙しなく動かして続きを紡ごうとするリアーヌだったが、その続きがスルッと出てくることはなかった。

「……スルッと出来てしまいましたのね?」

 リアーヌが言葉にして説明しなくとも、話の流れから結果が分かっていたビアンカは、呆れたように続きを語った。

「……はい」

 観念したように小さく答えるリアーヌ。

「なにやってますの?」 
「両親にも言われた……ーーで急遽執事にお願いしまして……結果無理、と……」

 そこまで言ったリアーヌは、ヘラリ……と笑いながら言った。
 そんなリアーヌに首を振りながら大きく息をついたビアンカは、少し遠い目をしながら「ーーデザートって……」と、ボソリと呟いた。

「うちの弟、食いしん坊だから……」

 そう答えたリアーヌの声は震えていた。

「ーー嫡男、ですわよね……?」

 念を押すようなビアンカの質問に、リアーヌは口を窄めながら「んんー……」となんとも言えないうめき声を上げた。
 ビアンカの発言の意図がハッキリと分かってしまったが故だ。

 子爵家嫡男ともなれば、たとえ学生といえどもその発言にはかなりの責任を持たなくてはいけない場面が多々見られるようになる。
 そんな立場であると言うのに、たかだかデザートの、しかも半分というエサに釣られてホイホイ相手の術中にハマってしまうことがどれほど愚かな行為かーー
 目の前でザームがお説教をされていた現場を見ていたリアーヌには、その危険系が手に取るように理解できた。

(ーーま、目の前で全部説明されたからなんですけどー。 ……次の日はザームの機嫌が悪くて大変だったなぁ……イタズラ仕掛けたのは私だけど、ザームの対応だって悪かったんだから喧嘩両成敗みたいなもんなのに……)

「……今、うちの使用人さんたちが一丸いちがんとなって教育しているから……」
「そう……ーー無事に終わるといいわね……?」

 リアーヌの答えに、ビアンカは雲一つない青空を眺めながら答えるのだったーー
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