【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 そんなリアーヌの姿にビアンカは目を大きく、そして丸く見開くと「貴女……」と小さく呟いた。

「ーー愛想つかされないように気をつけなきゃね?」

 流石に、まだ何も起こっていない現状で「婚約破棄されるかも……」などと言う根拠のない相談を持ちかけるわけにはいかないと思い直したリアーヌは、ごまかすように無理やり笑顔を貼り付けると、冗談めかしてそう言った。
 そんなリアーヌの様子に“なにか”があったのだろうこと、そしてリアーヌがそのことについて詳しく話すつもりがないということを察したビアンカは、困ったように肩をすくめながら口を開く。

「そうね、私も気をつけなきゃ。 ーーでも貴女のところも私のところも、家同士のつながりは決して薄くはないわ? だから今さら婚約を破棄するなんて、そう簡単には出来ないわよ」
「……そう、かな?」

 ビアンカの諭すような優しい言葉に、リアーヌはすがるような眼差しを向け、念を押すようにたずねた。

「ーーええ」
「……そっか」

 頷くビアンカに、ホッとしたようにエヘヘ……と笑うリアーヌ。
 ビアンカはそんなリアーヌの顔を見つめ、少し言いにくそうに、しかしグッとお腹に力をこめてはっきりとした口調で語りかける。

 これまでの会話で、ビアンカはリアーヌの抱える問題がゼクス関係であると確信していた。
 そして、それならば自分は目の前の友人にかけなければいけない言葉があるということもーー
 
「ーーでも、心を許しすぎてはダメよ」
「……え?」
「……私たちの結婚はね、続けることに意味があるの……誰だって良好な関係のまま続くことを願うけれど……ーーそうならない場合も、まぁ……あるわ。 ーーそうなった時、貴女は貴女の心を自分で守らなきゃいけない。 だからーー心を許しすぎてはダメ」
「……ーーそう、なんだ」

 ビアンカの真剣なーーそして悲しそうな顔を見つめながら、リアーヌはその瞳を大きく揺らす。

「……歩み寄りは大切。 尊敬することや思いやることも。 ……けれど心を寄せすぎるのは良くないわ」
「ーーそっか」

 そうポソリと呟いたリアーヌはなにかを考え込むかのようにうつむき、パッと顔を上げた時にはすでに気持ちを切り替えていたのか、ヘラリ……と笑顔をビアンカに向け口を開いた。

「ーーうん。 大丈夫! だって一番最初は従業員として雇ってもらうって話だったんだから、そう思ってれば問題ないよ!」

 そのリアーヌの発言にビアンカはギョッと目を丸くしながら、恐る恐る質問を口にする。
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