【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ーーリアーヌちゃんと聞いてまして⁉︎」
「ちゃんと聞いてますー。 きゃーフィリップ様、格好良いー!」

 リアーヌは少々投げやりな態度をとりながら、棒読みで黄色い声を上げた。

「ーーだめ」

 短く答えるレジアンナ。
 その顔は辛そう歪んでいて、どこかリアーヌを責めているようにも見えた。

「……レジアンナ?」

 気に触るようなことを言ってしまっただろうかと焦るリアーヌに、レジアンナは、ぷぅっと頬を膨らませて文句を言い始める。

「ーーダメよダメ! リアーヌはフィリップ様を好きになってはいけないわ⁉︎」
「全然好きじゃありませんけど⁉︎」

 突然言われた特大の言いがかりに、リアーヌはレジアンナの婚約者が誰なのかも忘れて、勢いのままに答える。

「……それもなんだかイヤよ」
「ーー……それは、そう」

 顔をしかめて悲しそうに訴えるレジアンナに、リアーヌも言い過ぎだったな……とすぐさま反省した。

「ーー良いわ、許してあげる。 だから今度はちゃんと私の話を聞いていてね⁉︎」
「ちゃんと聞いてたってばー……ーー七回目が始まった、だと……⁉︎」
「黙って聞くの!」
「ふぁーい……」

 リアーヌの人生初の勉強会は、そんな会話のループで無事……ーー大した問題もなく無難に終了したのだったーー



 ボスハウト家、寝支度を整えたリアーヌは自室のベッドに寝転びながら、大きなため息をつく。

(……きっとね? 私の発言が原因であの二人ってあの状況になったわけだから、そんな私が言うのってちょっと間違ってると思うんだけどさ……それでもさ……⁇)

「ーーちょっとは周りの迷惑考えろ! このバカップルーッ‼︎」

 リアーヌが苛立ち混じりにそう叫んだすぐ後のことだった。

「……お気持ちは重々お察しいたしますが、もう夜も遅うございますゆえ……」

 苦笑混じりのヴァルムが苦言を呈しにやって来ていた。

「はい……すみません……」

 ベッドに寝転んだまま、少し首をあげながらリアーヌは謝る。

「……多少ご気分は良くなられましたか?」

 家に帰ってきたリアーヌが盛大にグチッたため、勉強会でなにが起こったのか理解していたヴァルムは、リアーヌを気づかうようにたずねた。

「ーー結構」

 どことなくスッキリした表情を浮かべるリアーヌの様子に、ヴァルムは困ったように微笑みながら、深々と頭を下げ「それでは、お休みなさいませ」と静かに告げると、ゆっくりとドアを閉める。

(ーーびっくりさせちゃって申し訳なかったけど……ーーでもスッキリした。 大声がストレス発散なるってのは本当だったんだな……)

 閉まったドアを見つめ、リアーヌはそんなことを考える。
 そして大きく伸びをしてからモゾモゾと動き、眠るのにちょうど良いポジションを見つけると、大きく息をつきながらゆっくりとその瞳を閉じたのだったーー
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