【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(ーーだんだんフィリップの声真似が上達して来てんの、地味に腹立つな……)

 ペチペチと腕を叩かれながら、リアーヌは顔をひくつかせた。

「もうっフィリップ様ったら、情熱的すぎますわよねっ⁉︎ これじゃ私の心臓が持ちませんわ⁉︎」

 そう言いながら頬を押さえたレジアンナは、身体をくねくねさせながら訴る。
 その姿をチロリと見たリアーヌの視界の端に、引き攣った笑顔を浮かべた少女たちと、きゅっと唇を引き結んだビアンカの様子が見えた。

(ーー……待って? この子たちって暫定、私に用がある人たちでしょ? 例え私の勘違いだったとしても、今のレジアンナからは離れたいと思っているはず……ーーそしてここにはビアンカも同席しているわけだから……)

「ーーあビアンカ、私あっちでお話しして来るから、ここでレジアンナのお話聞いてあげて? 行きましょっか⁇」

 そう言いながら席を立つリアーヌ。

「ーーえっ⁉︎」

 驚きの表情を浮かべるビアンカを置き去りに、リアーヌは少女たちと少し離れた席へと移動した。

「ビアンカもお聞きになりたいの⁉︎」
「えっ、ぁ……ーーもちろんですわ?」
「まぁどうしましょう! ちょっと恥ずかしいわ……」
「それならーー」
「でもビアンカだったらよろしくってよっ!」
「…………ありがとうございます」

 立ち去るリアーヌたちの背中にそんな会話が聞こえてきたが、リアーヌは一切振り返ることなく、空いているスペースへと足を進めるのだった。

「……よろしかったのかしら?」

 少女の一人ーーマーリオンが、チラチラとレジアンナたちを振り返りながらたずねた。
 その様子に、リアーヌは肩をすくめながら口を開く。

「ーー私、ここ最近のフィリップ様の愛の囁き、そこそこ言えるぐらいにはたくさん聞いてきたんで、少しぐらいよろしいと思います」
「……でしょうね?」
「はい」

 曖昧に笑って答える少女たちに、リアーヌはスッキリとしたような笑顔を向けて答えていた。



「ーー実はね?」

 リアーヌたちは急遽用意してもらった席に座わったマーリオンは、自己紹介もそこそこに、声をひそめて本題を切り出した。

「私ーーいえ、私たちね? 私たちリアーヌ様にご相談したいことがありまして、レジアンナ様にお願いして本日参加させていただきましたの」

(ーーあ、ゼクスやゼクスのご家族まで喜んでた公爵家に近しいお客様って、この人たちのことだったんだ)

「そうだったんですね……ーーそれで相談とは……?」
「その……」

 リアーヌの言葉に二人はチラチラとお互い見つめ合いながら恥ずかしそうにモジモジと身をくねらせた。
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