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探し回る主人公だったが見つからず、次の日、スクラップブックを探すために朝早く投稿した主人公の机の中には、主人公のスクラップブックと共に一輪のスノードロップが置かれていた。
喜んだ主人公はその花を押し花にすると、感謝の言葉と共にスクラップブックに貼り付けた。
ーーそしてそんなことが二度三度と重なってーー……
(……うん。 「主人公迂闊すぎん?」は禁句だよ。 きっといじめっ子が有能だっただけだから‼︎ 「家に置いてこい」もやめたげてっ‼︎)
いつものようにスクラップブックを探していた主人公は、王子がそれを持って歩いているところを目撃、あいつが犯人なのね⁉︎ と勘違いしてしまい口論に……それがきっかけで少しずつ距離が近づいていく二人。
好感度が高くなっていくと、王子は主人公のスクラップブックに勝手に押し花を貼り付けるというイタズラを始める。
そしてそれはいつしか当たり前の行為になっていってーー
物語も終盤になってくると、その押し花の花言葉が主人公へのメッセージになっていることに気がつき、主人公は王子の元へ走るのであったーー
しかし王子の元にたどり着いた主人公が目にした光景はーー……
(……一般的には王子ルートって、激甘キュンキュン! って大人気なんだけどねー……ーーネットじゃ「キュンキュンしすぎて気持ち悪い」とかいう迷言まで出てたし……ーー私は好きになれなかったけどー。 でもそっか……書いたとしても短い単語程度しか書いてなかったから王子側もずっとちょっかいかけられてたってことなのか。 花言葉なんか、知らなかった、美しく咲いていたから適当にーーって言い訳も効くしねー)
「……なにか無いかしら?」
エミーリエが眉を八の字に下げ、しょんぼりと肩を落としながらたずねる。
リアーヌはその姿を見て、同じように眉を下げながら、視線を彷徨わせる。
(そんな顔しないでぇー……ーーそりゃ、誰だって婚約者とは仲良くなりたいよねぇ……? だって結婚するんだもん……ーー言っても良いかなぁ? ……別にスクラップブックが主人公だけのものってわけじゃ無いし……ーーこの人たちがスクラップブックで婚約者と仲良くなったって主人公にはなんの影響もないもんねー)
リアーヌはチラリとレジアンナとビアンカが座る席に視線を送りながら心を決める。
(……あれに比べれば、そよ風程度の影響も出ないって確信があるわ……)
フィリップやフィリップと、フィリップなんかの話が、とどまる所を知らないレジアンナから、そっと視線を外しながらリアーヌは二人に微笑みかけた。
喜んだ主人公はその花を押し花にすると、感謝の言葉と共にスクラップブックに貼り付けた。
ーーそしてそんなことが二度三度と重なってーー……
(……うん。 「主人公迂闊すぎん?」は禁句だよ。 きっといじめっ子が有能だっただけだから‼︎ 「家に置いてこい」もやめたげてっ‼︎)
いつものようにスクラップブックを探していた主人公は、王子がそれを持って歩いているところを目撃、あいつが犯人なのね⁉︎ と勘違いしてしまい口論に……それがきっかけで少しずつ距離が近づいていく二人。
好感度が高くなっていくと、王子は主人公のスクラップブックに勝手に押し花を貼り付けるというイタズラを始める。
そしてそれはいつしか当たり前の行為になっていってーー
物語も終盤になってくると、その押し花の花言葉が主人公へのメッセージになっていることに気がつき、主人公は王子の元へ走るのであったーー
しかし王子の元にたどり着いた主人公が目にした光景はーー……
(……一般的には王子ルートって、激甘キュンキュン! って大人気なんだけどねー……ーーネットじゃ「キュンキュンしすぎて気持ち悪い」とかいう迷言まで出てたし……ーー私は好きになれなかったけどー。 でもそっか……書いたとしても短い単語程度しか書いてなかったから王子側もずっとちょっかいかけられてたってことなのか。 花言葉なんか、知らなかった、美しく咲いていたから適当にーーって言い訳も効くしねー)
「……なにか無いかしら?」
エミーリエが眉を八の字に下げ、しょんぼりと肩を落としながらたずねる。
リアーヌはその姿を見て、同じように眉を下げながら、視線を彷徨わせる。
(そんな顔しないでぇー……ーーそりゃ、誰だって婚約者とは仲良くなりたいよねぇ……? だって結婚するんだもん……ーー言っても良いかなぁ? ……別にスクラップブックが主人公だけのものってわけじゃ無いし……ーーこの人たちがスクラップブックで婚約者と仲良くなったって主人公にはなんの影響もないもんねー)
リアーヌはチラリとレジアンナとビアンカが座る席に視線を送りながら心を決める。
(……あれに比べれば、そよ風程度の影響も出ないって確信があるわ……)
フィリップやフィリップと、フィリップなんかの話が、とどまる所を知らないレジアンナから、そっと視線を外しながらリアーヌは二人に微笑みかけた。
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