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季節は冬を巡り、その寒さが身に染みる頃ーー
もうすぐクリスマスという頃になったにも関わらず、リアーヌはビアンカやレジアンナ、そしてフィリップとそのご友人方、ゼクスと共に食堂近くに併設されたテラス席に座って、昼食を食べながらクリスマスに開かれる学園主催のパーティのことなどについて話し合っていた。
ーーのだが……どことなく挙動のおかしかったフィリップが、レジアンナに相談事を持ちかけた頃からその雲行きは怪しくなっていた。
「ーーフィリップ様なんて大っ嫌いっ‼︎」
「レジアンナ⁉︎」
大きく叫び、立ち上がったレジアンナは涙をその瞳にためながらその場から走り去る。
そんなレジアンナに手を伸ばし呆然と立ち尽くすフィリップ。
一瞬の後、レジアンナの護衛が静かにその後に続き、フィリップは糸の切れた人形のようにドサリと音を立てながら椅子に座り込んだ。
「…………」
「…………」
「……メシウマー」
皆が口を閉ざしながら、視線でこの状況をどうするのかを探りあっているのを横目に、リアーヌはごくごく小さいささやき声で、いつも振り回されっぱなしのバカップルに少しの不幸が訪れたことに仄暗い喜びを感じる、それとは分からないように喜びの言葉を口にする。
「お黙り……!」
しかしすぐさまビアンカにより、つま先への教育的指導と共にお叱りの言葉をもらう羽目になった。
「ーー失言、ダメ絶対」
その様子からリアーヌがなにかをやらかしたことを察知したゼクスは圧が強めの笑顔をリアーヌに向けながら釘を刺す。
「はい……」
神妙に頷きながらも、リアーヌは心の中で(メシウマ分かるんですね……? え、これもどこぞの島国の影響ですか……?)としきりに首を傾げていた。
ーー残念ながらビアンカは“メシウマ”という言葉の存在すら知らなかった。
しかしリアーヌの様子と言い方から、その言葉は決していい意味合いではないことぐらいはすぐに理解できた。
そして、そんな迂闊な友人が、誰かに見咎められ指摘されても、上手い言い訳の一つも言えないであろうこともーー
幸いリアーヌの言葉は誰の耳にも入らなかったようで、フィリップの友人たちは未だにアイコンタクトで誰が一番に話しかけるのかを牽制しあっている。
「レジアンナ……」
テーブルに肘をつき頭を抱え込んだフィリップが弱々しく呟く。
(……とりあえずコイツは聞こえてないみたいだから今回はセーフだな。 にしても……よりにもよって、もういくつ寝るとクリスマス! のこの時期に「領地で問題が起こって……帰らなくては……」なんて事態になってしまったのかと……)
リアーヌは落ち込むフィリップのつむじを眺めながら、こっそりとため息をついた。
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