【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

文字の大きさ
456 / 1,038

456

しおりを挟む
「ーーどうなんでしょうねぇ……?」

 リアーヌはここ最近で増えた単語の一つをくり出しながら、すがるような視線をビアンカに向けるが、そのビアンカはスッとリアーヌから顔を背けたまま決して視線を合わせようとはしなかった。

(そんな露骨にムシする⁉︎)

「リアーヌ嬢教えてくれないか?」

 目を丸めてビアンカを見つめるリアーヌにフィリップが再び声をかけ、再び自分に注意を向けさせた。

「ーーそのようなこと……」
「頼む!」

 ガバリと勢いよく頭を下げながら言うフィリップ。
 12月のテラス席とはいえ、今日は快晴でレジアンナがテラス席を選ぶほどには気持ちの良い一日でーー
 そんな日であるからこそ、テラス席にも庭にも通路にも、決して少なくない生徒たちが出てきていてーーリアーヌに向かって頭を下げるフィリップの姿にギョッとした顔つきを向けていた。

「……うふふふふ」
 
 そんな状況に引きつった顔を必死に笑顔で取り繕いながら、助けを求めるようにゼクスを見つめるリアーヌ。

「ーー流石にごまかせないよ?」
「うふ……」
「……最初からそうしてくれてたらごまかせたんだけどね……?」
「まぁ……」

 見つめあいながら小声でヒソヒソと会話する二人。
 しかしゼクスだけはリアーヌに気が付かれないよう細心の注意を払いながら、頭を下げ続けるフィリップに意地の悪い笑みを向けていた。

「ーーたわむれていないで、さっさと説明しなさい?」
「ーーはいっ」

 見かねたビアンカがピシャリと言い放つと、条件反射のように背筋を伸ばしたリアーヌがすぐさま返事を返す。
 ゼクスはそんな二人のやりとりを眺めながら(……この条件反射こそ、どうにかしなきゃいけないんじゃ……?)とこれからの未来を少しだけ不安に感じた。

「ーーえっとですね?」

 真っ直ぐに自分を見つめるフィリップを少し気まずく感じながらも、リアーヌはおずおずと説明を始めた。

「おそらくパーティに合わせて帰って来られるなら、デートに合わせて帰って来られたんじゃないの⁉︎ ……とかいう憤りは感じていると」
「だが……パーティに一人で出席するのも婚約者意外をパートナーにするのも嫌がると……ーー私は少しでもレジアンナを安心させたいと思って……」
「お気持ちは分かるんですけど……その……ーーほんのちょっとの違いなんですけど「必ずパーティには間に合わせてみせる。 決して一人にはしないと誓うから安心しておくれ」とかだったら、かなり印象は良くなったんじゃ無いのかなって……」

 リアーヌは自信なさげに意見を披露する。
 自分は間違いなくこっちの言い方のほうがいいと思っているが、レジアンナがどう感じるのかまでは分からなかった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~

浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。 「これってゲームの強制力?!」 周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。 ※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。

元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ
恋愛
 侯爵令嬢のアンネマリーは流行り病で生死を彷徨った際に、前世の記憶を思い出す。前世では地球の日本という国で、婚活に勤しむアラサー女子の杏奈であった自分を。  病から回復し、今まで家や家族の為に我慢し、貴族令嬢らしく過ごしてきたことがバカらしくなる。  また、自分を蔑ろにする婚約者の存在を疑問に感じる。 「あんな奴と結婚なんて無理だわー。」  無事に婚約を解消し、自分らしく生きていこうとしたところであったが、不慮の事故で亡くなってしまう。  そして、死んだはずのアンネマリーは、また違う人物にまた生まれ変わる。アンネマリーの記憶は殆ど無く、杏奈の記憶が強く残った状態で。  生まれ変わったのは、アンネマリーが亡くなってすぐ、アンネマリーの従姉妹のマリーベルとしてだった。  マリーベルはアンネマリーの記憶がほぼ無いので気付かないが、見た目だけでなく言動や所作がアンネマリーにとても似ていることで、かつての家族や親族、友人が興味を持つようになる。 「従姉妹だし、多少は似ていたっておかしくないじゃない。」  三度目の人生はどうなる⁈  まずはアンネマリー編から。 誤字脱字、お許しください。 素人のご都合主義の小説です。申し訳ありません。

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな
恋愛
 前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。 なんていうのが、一般的だと思うのだけど。  気がついたら、神様の前に立っていました。 神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。  初めて聞きました、そんなこと。 で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?

処理中です...