【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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 ニヤリと笑い合う二人の姿は、仲睦まじい恋人同士と言うよりも、悪巧みをしている仲間同士といったほうがしっくりくるものだったが……ーー実際にしているのが金儲けの話だったので、全くの見当違いでも無いようだった。

「ーーまぁ、帰ったらかなー。 親父と交渉しないと。 ……寮……来年は無理かもなぁ」
「……そうなんですか? カフェの従業員だって十人もいないですよね?」
「この村から行っているのは六人だね」
「だったら学校通う人が数名出たとしても、多くて十人程度……ーーちょっと広めのお屋敷にとかだったら広い寝室があって応接室があって子供部屋に使用人の部屋ーー仕切りを足せば普通に十人ぐらい暮らせそうじゃ無いですか?」
「ーー言われてみれば……希望者が少ないならその規模でいいのか……ーーなにはともあれ、ギフト持ちの入学資格がどうなってるかのかの確認が先かなぁ? 資格が無くなっちゃってたらぬか喜びさせることになるし」
「確かに。 それに今の村に必要なのはこの村の学校ですもんねー」

 そんな会話を交わし、リアーヌを見送ったゼクスは、ギフト持ちの扱いや、学校の原型となる施設の設立、そしてリアーヌからの相談事でもある斡旋所について話し合うため、各店の代表者を呼ぶことにしたのだった。



「斡旋所ですか……」

 ゼクスからの説明を聞き終わったディーターは、少し考え込むように呟きながら、周りの反応をうかがうように、視線を巡らせた。
 各代表者たちの反応もディーターと大して変わらず、不満遠隠すように表情を取り繕いつつ、周りの出方をうかがってているように見えた。

 ゼクスが領主になってから生活は楽になった。
 収入は増え、豊かになり、ようやく家族が戻ってこられた家も増えたーーしかし、だ。
 欲しい人手は肉体労働も出来る人材でありーー少なくとも、子育てを優先する者たちを雇いたいという気持ちは皆無だった。

「あんまり乗り気じゃ無いみたいですねぇ?」

 代表者たちの顔を見回し、肩をすくめながらゼクスが言う。

「ーーこう言っちゃなんだが、雇うなら女より男だし、同じ女でも子育てしてるのよりしてねぇのを雇いてぇ」

 薪屋の親方は言いにくそうにしながらも、ぶっきらぼうに言い放つ。
 その言葉に曖昧な態度を取りつつも、同意するように頷く者が多い。
 ーー親方の言葉は、この場にいるほとんどの者たちの本音だったようだ。

「ーーあたしは依頼しますよ」

 そんな者たちを見回しながらそう口にしたのは、仕立て屋の女主人だった。

「……どんな仕事頼むんだ?」

 近くに座っていた男性が小声でたずねるが、みんなが女主人に注目している中だったので、その言葉を聞き漏らした者はいないようだった。
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