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(あそこって、親同士が勝手に決めた完全なる政略結婚だから、レオンのほうは将来結婚する相手、程度の認識しか無くて、クラリーチェのほうも、仲良くなりたいけど、どうしたらいいか分からない……みたいな感じじゃなかったの? ……貴族のいううわべだけの関係って、座の空気に流されながら、ちょっと顔赤くしてアーンしあう関係も含むんです……? ーーでもアンタたち、あの場では他人同士だったような……ーーまぁ、それを指摘できる強者なんかいなかったし、それを言いふらしてフィリップやミストラル家を敵に回すヤツもいないんだけどさー。 ーーただ……これこの中の誰が主人公と恋愛関係になっちゃっても『あれ? アイツとんだクズ野郎じゃね?』としか思えない……ーーだとすると、やっぱり、だからこその悪役令嬢の失脚ですか……? 守護のギフト持ちを害そうとしたって罪で退場、からの主人公が新しい婚約者……ーー無いと言い切れないのがなぁ……貴族こわぁ……ーーてか、そうなったら私、本当に悪役令嬢押しつけられるんじゃ……? ーーえっと……決めたばっかりなんだけどさ? 私信じきれる⁇ ーーちょっと無理……いや、まだ接触らしい接触すらしてないし! うん‼︎ ーー……ヤバいわコレ。 信じてきれそうに無いんだけど……)
◇
「私あの方キライ!」
新しいクラスでの生活にも慣れ始めた頃、勉強会に誘われたリアーヌとビアンカはミストラル家にやってきていた。
レジアンナは最初から不機嫌なことを隠そうともしておらず、お茶の用意を整えたメイドたちが部屋を出て行くとすぐさま声を荒げたのだった。
「いきなりどうしたの……?」
リアーヌはそう声をかけながら、視界の端で今回初参加のクラリーチェが目を丸くし身体をこわばらせているのを気の毒に思っていた。
「リアーヌはなんとも思わないの⁉︎」
「……そもそもあの方って?」
「ーーあの方って言ったらあの方よ! ユリア・フォルステル‼︎」
リアーヌは急に出てきた主人公の名前に動揺しながらも、レジアンナからその名前が出たことに不安に感じていた。
「……なんでなのか、理由を聞いても?」
「なんでなのか⁉︎ リアーヌあの方がどんな方か知りませんの⁉︎」
「……守護のギフト持ってる?」
「……まぁ、そうね?」
リアーヌの答えに面白くなさそうに相槌を打つレジアンナ。
その様子で、いま答えたものがレジアンナの求める答えでは無かったのだと、理解したリアーヌは首を捻りながら再び答えを考える。
◇
「私あの方キライ!」
新しいクラスでの生活にも慣れ始めた頃、勉強会に誘われたリアーヌとビアンカはミストラル家にやってきていた。
レジアンナは最初から不機嫌なことを隠そうともしておらず、お茶の用意を整えたメイドたちが部屋を出て行くとすぐさま声を荒げたのだった。
「いきなりどうしたの……?」
リアーヌはそう声をかけながら、視界の端で今回初参加のクラリーチェが目を丸くし身体をこわばらせているのを気の毒に思っていた。
「リアーヌはなんとも思わないの⁉︎」
「……そもそもあの方って?」
「ーーあの方って言ったらあの方よ! ユリア・フォルステル‼︎」
リアーヌは急に出てきた主人公の名前に動揺しながらも、レジアンナからその名前が出たことに不安に感じていた。
「……なんでなのか、理由を聞いても?」
「なんでなのか⁉︎ リアーヌあの方がどんな方か知りませんの⁉︎」
「……守護のギフト持ってる?」
「……まぁ、そうね?」
リアーヌの答えに面白くなさそうに相槌を打つレジアンナ。
その様子で、いま答えたものがレジアンナの求める答えでは無かったのだと、理解したリアーヌは首を捻りながら再び答えを考える。
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