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「……イヤだって、学園の外には出ちゃマズいだろうし、そもそも楽しく遊べるほどのお金、持ってないでしょ?」
そんなリアーヌの説得のような言葉にキュッと眉を寄せるレジアンナ。
そんなレジアンナを見て、友人たちの一人がおずおずと意見を口にする。
「……けれどカフェなどではすぐに見つかってしまって面白くありませんでしょう?」
「それは……」
その意見に口ごもるリアーヌ。
確かに、前回はあまりにはしゃぎすぎた結果、次の授業が始まる前には教師たちに見つかり、事情を尋ねられ――しっかりと釘を刺されていたのだ――
『おや? 今は授業中だけれど……どうしたのかな?』
『婚約者の気分が急に悪くなってしまったので少し休憩を……』
『それは……大丈夫かい?』
『えっ……』
『ーーええもうすっかり。 ね?』
『――はい!』
『それはよかった……――次の授業には遅れないようにね?』
『ええ。 もちろん』
(……もはやあれは『今回は騙されてやるけど、次の授業もサボるなら容赦しねぇからな?』って脅しに他ならなかったけど……でもそうか。 このお嬢様方は見つかりたくないのか……まぁ、お嬢様的にサボりがバレるのはよろしくないか……――でも、そうなると……)
「……――じゃあ直接バラ園に行ってみたり……?」
(あそこのバラ、結構背が高くて大きめの庭だったから、人影が見えてもしゃがんじゃえば、それなりには隠れられるんじゃないかな……?)
「……言われてみればあのバラ園を近くで鑑賞したことはございませんわね?」
「ーーあのバラ園にはどうやって入りますの?」
「……近くの通路からでしょうか?」
「通路はありますのよね? 庭師の方がたまに歩いてらっしゃるもの……」
みんなは、思いおもいにバラ園についての情報を話し合いながら、顔を見合わせクスリと笑い合う。
「……ーーなんだか楽しくなって来ましたわ?」
そんなレジアンナの発言が決定打となり、授業をサボってのバラ園散策が決まった。
「授業をサボるだなんて初めてですわ?」
「ーークラリーチェ様にもお声掛けしてみては……?」
「いい考えねっ⁉︎」
友人からの提案にレジアンナは瞳を輝かせて大きく同意する。
「ーーレジアンナ、お声が少々……」
「あら失礼……」
ビアンカの指摘に、レジアンナは自分の口元にそっと手を添えた。
「ーーどうやってお声をかけましょうか?」
「それはーー……」
そう言い合いながらレジアンナたちは、どうやってクラリーチェを外へと連れ出すのかを相談し始めた。
そんな姿を見つめ、リアーヌはビアンカのほうに頭を傾けながらこっそりと話しかける。
そんなリアーヌの説得のような言葉にキュッと眉を寄せるレジアンナ。
そんなレジアンナを見て、友人たちの一人がおずおずと意見を口にする。
「……けれどカフェなどではすぐに見つかってしまって面白くありませんでしょう?」
「それは……」
その意見に口ごもるリアーヌ。
確かに、前回はあまりにはしゃぎすぎた結果、次の授業が始まる前には教師たちに見つかり、事情を尋ねられ――しっかりと釘を刺されていたのだ――
『おや? 今は授業中だけれど……どうしたのかな?』
『婚約者の気分が急に悪くなってしまったので少し休憩を……』
『それは……大丈夫かい?』
『えっ……』
『ーーええもうすっかり。 ね?』
『――はい!』
『それはよかった……――次の授業には遅れないようにね?』
『ええ。 もちろん』
(……もはやあれは『今回は騙されてやるけど、次の授業もサボるなら容赦しねぇからな?』って脅しに他ならなかったけど……でもそうか。 このお嬢様方は見つかりたくないのか……まぁ、お嬢様的にサボりがバレるのはよろしくないか……――でも、そうなると……)
「……――じゃあ直接バラ園に行ってみたり……?」
(あそこのバラ、結構背が高くて大きめの庭だったから、人影が見えてもしゃがんじゃえば、それなりには隠れられるんじゃないかな……?)
「……言われてみればあのバラ園を近くで鑑賞したことはございませんわね?」
「ーーあのバラ園にはどうやって入りますの?」
「……近くの通路からでしょうか?」
「通路はありますのよね? 庭師の方がたまに歩いてらっしゃるもの……」
みんなは、思いおもいにバラ園についての情報を話し合いながら、顔を見合わせクスリと笑い合う。
「……ーーなんだか楽しくなって来ましたわ?」
そんなレジアンナの発言が決定打となり、授業をサボってのバラ園散策が決まった。
「授業をサボるだなんて初めてですわ?」
「ーークラリーチェ様にもお声掛けしてみては……?」
「いい考えねっ⁉︎」
友人からの提案にレジアンナは瞳を輝かせて大きく同意する。
「ーーレジアンナ、お声が少々……」
「あら失礼……」
ビアンカの指摘に、レジアンナは自分の口元にそっと手を添えた。
「ーーどうやってお声をかけましょうか?」
「それはーー……」
そう言い合いながらレジアンナたちは、どうやってクラリーチェを外へと連れ出すのかを相談し始めた。
そんな姿を見つめ、リアーヌはビアンカのほうに頭を傾けながらこっそりと話しかける。
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