【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(ーーそうだよね? この人たちの内の一人でも、外に連れ出した挙句、かすり傷でも付けようもんなら……ーー最悪うちボスハウト家が潰されちゃう……! ……ってことは絶対にこの学園から出しちゃダメだ。 ……ーー学園の中で楽しいところ……)

 そう考えたリアーヌの脳裏に、フッと先日の思い出が蘇った。

(確かに楽しかったけど……)

 それを口に出すべきか迷い……視線を走らせた友人たちの全ての瞳に期待の光を見たリアーヌは、観念したように息を漏らしながら言葉を紡いでいく。

「ーーこの間少々気分が悪くなりましてですね?」
「ああ……あの時のーー」

 その記憶に付随してあまり愉快ではないことも思い出してしまったのか、面白くなさそうに眉を吊り上げるレジアンナ。
 周りも唇を引き締めたり肩をすくめたりと、思いおもいの仕草で顔を顰めるのを堪えていた。
 そんな友人たちに少し苦笑いを浮かべたリアーヌだったが、構わず話し続ける。

「その時近くにあったカフェに入りまして、そこから見えたバラがすごく見事で……」
「……まぁ、見事ですわね?」
「そうですわね……?」

 カフェから見えるバラは見た記憶があるのか、友人たちはそう答えながらチラリとレジアンナの反応を待つ。

(――あれ? そこまで乗り気じゃない……?)

 本気で結構楽しかったけど……と考えながらリアーヌは不安そうに眉を下げながら言葉を続ける。

「えっと……ほとんど人もほとんどいなくて――まるで貸し切りみたいで! バラも独り占めで……――本当、楽しかったんだよ?」

 リアーヌはしょんぼりと肩を落としながら、みんなが見つめるレジアンナに語りかける。
 レジアンナは頬に手を当て、首を傾げたまま、悩むように何事かを考え込んでいる。

 ――レジアンナはレジアンナで、リアーヌに案を出せといってしまった手前「それはイヤだから他の案を出して欲しい」と言っていいものなのか――そして、この意見はリアーヌがなんらかの“ギフト”によって出した案なのか、だとするならば、自分はそれには乗ったほうがいいのでは……? と思い悩んでいた。

(……案を出せって言われて出したらここまで疎外感を受けるとか……聞いてない……)

「…………」
「…………」
「…………」

 無言で顔を見合わせ、レジアンナの出方を伺う友人たち。
 唯一ビアンカだけが、表情が読みにくい笑顔を浮かべた、リアーヌの様子を観察していた。

 ――ビアンカもまた、リアーヌのこの意見にその豪運が関わっているのかを見極めようとしているようだった。
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