【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ーーうちとしては、今後はあの子との接触と極力避けてほしい。 ……まぁこれはボスハウト家の意向に従うけど……」

 ゼクスはそう言いながら、伺うようにカチヤたちに視線を向ける。
 無言で視線を下げるカチヤたち。
 感情的にはゼクスと同意見だったが、彼女たちにはなんの決定権もなかったのだ。

「……今日みたいに向こうから話しかけられちゃったらどうしましょう?」

 首を傾げながらも、どこか希望を探すようにリアーヌはたずねた。
 悪意を向けられ腹が立ったのは事実だったが、それでもリアーヌとってベッティ・レーレンというは思い入れがあったようで、邪険な態度は取りたくないようだった。

「うちとしてはすぐに切り上げて欲しいけど……」

 ゼクスはそう言いながらカチヤたちの反応ををチラリと伺う。
 今回はその視線に釣られるようにリアーヌもカチヤたちを振り返った。

「ーーあくまでも個人の判断ですが、あのような暴言を吐く輩をお嬢様に近づけたくはございません」
「他人から聞かされたウワサ話を、そのまま鵜呑みにするような輩、お嬢様の今後には欠片も必要ありませんとも」

 淡々としながらも怒りを滲ませる二人の様子に、リアーヌは唇をキュッとすぼめながらそっと視線を外した。

(……完全なるヤカラ認定ーーまぁ、私にとっては良い子じゃ無いんだけど……ーーそれでもこれ以上嫌われたくはないなぁ……)

 いまだに内心でうだうだとしているリアーヌに気がついたのか、ゼクスは少しの間考えてから、ニヤリと悪い笑顔を一瞬浮かべたゼクスは、その顔を取り繕いながら神妙な面持ちで口を開いた。

「ーーリアーヌも気をつけるって約束してくれないと、アウセレでの美味しい食べ物が減っちゃうかも……?」
「ーー絶対に気をつけますけど⁉︎」

 まごうことなき脅しの言葉に、リアーヌはゼクスに縋り付くように答えていた。

(おにぎりにお味噌汁に卵焼き! ーーもうなんでもいいから日本食を食べさせて⁉︎ 無いなら我慢も出来るし諦めもつくけど、そこにあるって分かってるなら、もう我慢なんかしたくないっ!)

「ーー旅行、楽しみだね?」
「はい!」

 元気よく答えたリアーヌの頭の中からは、ベッティ・レーレンのことなどすっかり消え去っていたのだった……

「ーーちゃんと土産買ってこいよー」

 上機嫌な姉に向かい、ゼクスがどこか面白くなさそうに言い放つ。
 ーーどうやら姉だけが海外旅行に行くのが面白く無いようだった。

「ーー分かってる。 めっちゃ買ってくるから期待してて」
「……うまいもんだけ買ってこいよ?」
「任しとけ!」
「ソフィーナのもな」
「もちろん!」
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