成り上がり令嬢暴走日記！

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　ゼクスが離れていくと、レジアンナたちはその場に留まり、そこで自分たちの憶測を話し始めた。

「ーー皆様、心当たりはございまして？」

　率直なレジアンナの言葉に、友人たちだけではなくビアンカやリアーヌも首を傾げる。

「そもそも……ほとんどの家はまだ立場を明確にしていませんので……」

　ビアンカはそう言いながら言葉を濁す。

「ーーつまり、家などの意向を無視して、ということかしら？」
「もしくは、発表していないだけでては繋がないと明確に決めた家……ーーあまり想像は付きませんが……」

　レジアンナの質問に頷きながら、ビアンカは可能性を話すが、自分でもその可能性は低いと考えているようだった。
　うーん……と首を捻りあっていると、レジアンナの友人の一人が、眉をひそめながら口を開いた。

「……そもそも、かの方が大袈裟に騒ぎ立てているだけなのでは？」
「その可能性は高そうだけれど……少なくとも“なにか”はされているんでしょう？」
「そうでしたわね……」

　他の友人に言われ、すぐに意見を撤回したが、その意見を聞いていた者たちの心の中には（絶対に大袈裟に言いふらしているんだろうな……）という思いが広がっていた。

「ーーなんにせよ、情報が少な過ぎますわね」

　肩をすくめながらレジアンナがそういうと、その言葉に同意しつつ、昼休憩もあと少しということで、各々が自分の席に戻り始めた。
　その後ろ姿を見つめながら、リアーヌも次の授業の用意を始める。
　ーー用意しながらリアーヌは、本当にユリアが誰に嫌がらせを受けているのか？　と考えていた。

（ーーえ、レジアンナたちがやってないなら……誰？　……もしかしてゲームのシナリオとは全然関係ない嫌がらせ説……？　イヤ、それは無いよね？　だって守護のギフト持ちだよ？　王族とかそれに近しい大貴族に縁付くって分かりきってるのに、なんの実害もない人がなんか気に入らない……とかいう理由でちょっかいかけたりしないでしょー…… となるとーー犯人になり得るのはクラリーチェ様を筆頭にレジアンナと私ーー）

　そこまで考えてリアーヌは下を向きながらそっと息をついた。

（まぁ、多分誰も手なんか出して無いと思うし……ーー万が一にもゲームのシナリオとしてレジアンナたちがちょっかい出してだとして……誰との仲が親密になるんだろう……？　ーー私の勘違いかもだけど、みんなユリアより自分の婚約者選びそうなんだけど……？　今更ユリアが泣いて悲しんでだからって、わざわざ婚約者ほってまで「誰がこんな酷いことを⁉︎」ってなる……？）